正しく理解すれば、生きやすさの選択肢が広がる!もっと知ろう、ピルのこと PART1

世界と比べてみても、日本での服用率が圧倒的に低いピル。まずはメリット・デメリットは何なのか、正しく知ることから始めよう。もしかしたら、快適に過ごすための選択肢のひとつになるかもしれない。

SPUR読者に聞いてみた!ピルに関するリアル意識調査白書
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Q1.ピルの服用経験について教えて

約6割の人がピルの服用経験があると回答。一般的な服用率の低さと比べると、SPUR読者のピルへの関心度や自己管理意識の高さがうかがえる。
「生理周期を旅行とずらしたかったから」と短期的な服用経験を語る人から、「20代の頃、救急車で2度も運ばれるほどひどかった生理痛が嘘のように軽くなり、42歳まで服用を続けた」人まで、つき合い方はさまざま。
痛みや不調に耐えかねて婦人科に駆け込み、治療手段としてピルを処方されたという体験談も少なくなかった。一方で「生理痛などの主症状は改善されたが、めまいや吐き気などの副作用に耐えられず、服用を中止した」という声も。

Q2.服用している(いた)目的を教えて

1位 月経困難症(生理痛)を改善するため

2位 避妊のため

3位 月経日を移動するため

4位 月経周期を安定させるため

5位 PMS、肌荒れなどを改善するため

服用中の人や、妊娠や閉経などライフステージを理由に中断するまで飲んでいた人など、ロングユーザーには月経トラブルの軽減が目的の人が多数。避妊が目的の人からは「妊娠リスクだけでなく生理がいつくるかわからないストレスから解放され、コントロールしやすくなった」とポジティブな声も寄せられた。

Q3.服用したことがない理由を教えて

・特に必要性を感じなかった 35%

・情報がなくよくわからなかった 26%

・病院に行くのが面倒 16%

・薬を飲み続けるのが嫌 13%

・その他(値段が高い、など) 10%

服用経験がない人は、生理が重くないなど、自分の体に特に不調を感じておらず、ピルという選択肢を検討したことがなかったという回答が目立った。「婦人科に行かないとならないのが億劫」「保険外診療で高額だと聞いたことがある」など、処方そのものの難易度が高いイメージもある様子。

Q4.ピルについてどんなイメージを持っている?

「少しハードルの高いもの。行きつけの病院自体がないので、存在が遠いイメージ。」

「私は医療従事者で偏見はない環境にありますが、知識のない人にとっては偏ったイメージがあると感じます。周囲の理解不足で傷つく人もいるのではないかと思うと、正しい知識を得る機会が増えればいいですね。」

「女性が自分の体を管理するのを手助けしてくれる。リスクはあるけど、つき合い方を工夫すればQOLを上げてくれる救世主!」

「『ピル=避妊薬』のイメージはなくなるべきだと思う。当たり前のように薬局で購入できるような、手軽な薬になればいいと思う。」

「使ってみたいけど、周りから冷ややかに見られそう。」

服用経験者にも「服用するようになって初めて、避妊以外のメリットを知った」人が多いくらい、一般的にピルに対する正しい理解が進んでいない現状があらわに。親世代や男性に理解されず、遊んでいると思われてショックを受けた人も。体にとって不自然なことでないか、服用の影響を心配する声もちらほら。



SOURCE:SPUR 2021年1月号「もっと知ろう、ピルのこと」

illustration: Yuka Takamaru text: Rio Hirai, Ayako Nozawa

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