現役弁護士コンビ、「四谷姉妹」がナビゲート。今こそ学ぼう、「憲法」のこと

憲法改正が現実味を帯びてきた2022年。そこで楽しく憲法を学ぶために、「憲法漫才」を披露している弁護士コンビ・四谷姉妹に取材。憲法の基本や知っておくべき改正の争点などを教えてもらった

Who are 四谷姉妹?

某お笑いユニットを想起させる四谷姉妹とは、弁護士の岸さんと青龍さんのコンビ名。勉強会やYouTubeなどで、漫才を通じて憲法を解説している。所属する法律事務所が四谷にあることから、この名前に。「憲法というと難しいイメージがありますけど、楽しく、わかりやすく伝えることで、少しでもみなさんに興味を持ってもらえたらと思っています」

岸 松江さん(右)

きし まつえ●東京弁護士会所属、日本平和委員会代表理事。ジェンダーや労働問題に関しての書籍も多数。

青龍美和子さん(左)

せいりゅう みわこ●東京弁護士会所属。労働問題に精通。"明日の自由を守る若手弁護士の会"のメンバーとして、各地で憲法カフェも開催。

ショートコント「憲法って何?」

青龍(以下、青)・岸 どうも、四谷姉妹で~す。阿佐ヶ谷姉妹じゃないですよ~。
 突然ですが、クイズです! 「日本国憲法」が序章にある六法全書にはどんな役割があるでしょう? ①昼寝のまくら、②漬物石の代わり、③ダンベルの代わり、④日本で一番大切な決まり。

 お姉さん、そんなの④に決まってるでしょ。
 残念。 正解は全部でした。六法全書っていろいろ役立つのよ。
 では姉さん、そもそも憲法がなぜ大切かってわかってる?
 六法全書の一番最初に載っているから。
 いや、それは大切だから最初にあるってことでしょう。憲法は、リッケンシュギ的な意味で大切なんですよ。
 リケンのシュウマイ? キヨウケン(崎陽軒)のシウマイならおいしいけど。
 シュウマイじゃないですよ、「立憲主義」! 権力を縛って私たちの人権を守るってことですよ!
 権力って、私たちに強制する力のことでしょ? 消費税を上げるからもっと税金を払いなさいとか。
 そうです。権力には政府やその下で働いている税務署や警察などを使って、人々に強制する力があるんですよ。
 四谷姉妹のネタが気に入らないからって、「やめろ」って政府から言われたら困るナ……。
 それはないと思うけど。そんな影響力ないし……。でも権力者が私たちの権利を侵害することは、歴史上繰り返されてきたんです。王様が勝手に国民に重税を課したり、政府が気に入らない人を逮捕したり。だから権力を乱用させないために、憲法は、国民主権や三権分立などを規定してるんです。
 日本がずっと戦争しないで平和なのも、憲法9条に「戦争はしてはダメ」っていう「縛り」があったからね。それがリケンのシュウマイじゃなくて、立憲主義っていうことね?
 そう。それから憲法は、国民の平等や生活の向上を実現しなさいって政府に命じる役目も負っているのよ。教育を受ける権利や文化的な最低限度の生活を保障した25条や26条なんかがそうね。
 なるほど。憲法って、俺が俺がとか言わないし、シャイで無口だけれど、私たちの平和や暮らし、権利を陰で守ってくれてるのね! 頼りがいがあって、憲法ってセクシーだわ!

 姉さん、微妙にネタが古いわよ。でも伝わればいっか。
 近寄りがたいけれど、知ると意外に人懐っこいところも素敵。みなさん、そんな奥深き憲法について一緒に学びましょう!

憲法は国や政府の権力の乱用を防ぐためにある

「『憲法』というのは、国や政府、国会議員や裁判官などがしてはいけないこと・果たさなければならないことについて定めた決まりのこと。つまり権力の乱用を防いで、国民の権利や自由を守るためのものなんですね。たとえば私たちの生活は、労働法によって最低賃金が守られていたり、医療保険によって、誰もが医療を受けられたりしますが、これらの法律や制度があるのは、憲法25条で『健康で文化的な最低限度の生活を営む』という生存権が保障されているから。憲法というと遠い存在に思えるけど、本当は、私たちの生活に直結するものなんですね。そしてその憲法を国が守っているかどうかをチェックするのは、国民の役目です。憲法12条に『不断の努力』という言葉が出てくるように、国民の絶え間ない努力なしには、憲法が保障した自由と権利の実現は不可能なのです」

Part 1

「日本国憲法」について正しく理解しよう

日本の憲法の特色は?ほかの国と比べて、どこが違うの?など、わが国の憲法の基本を四谷姉妹が解説する

三大原則と前提にある「立憲主義」の大切さを知ろう!

日本国憲法の三大原則といえば、「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」。これは学校で習った人も多いはず。「国民主権というのは、『国家の主権は国民にある』という民主主義の基本原理です。基本的人権の尊重は、人間にはひとりひとりが生まれながらにして持っている権利があり、誰もが人間らしく生きる権利があるということ。そして平和主義は、悲惨な戦争を二度と繰り返さないという強い決意。この3つが日本の憲法の柱となっています。

ただ、憲法が正しく施行されるためには、『立憲主義』という大前提が必要です。立憲主義とは、憲法に基づいて国が統治されるというだけでなく、国家権力が憲法によって実質的に制限されるということ。ショートコントでもお話ししたように、時の政権の暴走を抑える『ライオンの檻』のような役割も憲法は果たしているんですね。一方、中国やロシアのように、憲法があっても最高指導者に権力を集中させる国では、人権は守られません。戦前の大日本帝国憲法も同様でした。権力は天皇に集中し、名ばかりの立憲主義でした。その反省に立って、今の憲法があるんですね」

GHQが作ったってホント?

今の憲法ができたのは、第二次世界大戦敗戦後の1946年、日本がまだ連合国の占領統治下にあった時期。そのため、日本国憲法はGHQによる"押しつけ憲法"と言われることがあるが、実際はどうなのだろう。

「確かに原案を手がけたのはGHQですが、一方的に作ったわけではないんです。最初は日本政府の案を待っていたものの、でき上がったものは明治憲法と変わらず天皇制を掲げたもので、とても民主的とは言えませんでした。そこでGHQが草案を出したのです。さらに国会で議論を尽くしたうえで議決されましたし、何より、新憲法を喜んだのは国民でした。悲惨な戦争を体験していたので、9条を見て『これでもう戦争しなくていいんだ』と歓迎したんですね。決して無理やり押しつけられたものではないことは、近年の憲法審査会などでも明らかになっています」

時代の最先端を行っていた!

さまざまな国の憲法を参考に作られた日本国憲法。その当時の最先端の条項が取り入れられていた! 「とりわけ女性の権利は、革新的な条文となっています。これは日本の憲法制定に関わったベアテ・シロタ・ゴードンさんという女性が、日本の女性が置かれているひどい状況を見て、男女平等の条項をぜひとも入れたいと起草。『両性の本質的平等』について規定したんですね。おかげで世界の最先端を行くものになりました。信じられないことに、アメリカ合衆国憲法には、いまだにこの『両性の本質的平等』の記述はありません。日本国憲法がいかに時代の先を行くものだったか、わかります」。人権に対する条項が他国より圧倒的に多いのも特徴で、時代を先取りしていた!

改正ゼロ!! ご長寿憲法の秘密は柔軟性にアリ

アメリカ合衆国
(1787年 制定)
18回 1783年までの独立戦争を経て制定された合衆国憲法は、当初は全7カ条だったが、その後、18回の改正手続きを経て、27カ条の修正条項をつけ加えてきた。しかし男女平等を保障する憲法修正は、いまだ承認が得られず、未修正のまま。
韓国
(1948年 制定)
9回 過去8回の改正は、いずれも軍事政権時代のもので、時の権力者の都合のいいように改正され、国民の人権は奪われるままだった。しかし1987年に民主化された際の改正以降は一度も改正されていない。改憲手続きのハードルの高さも日本以上。
ドイツ
(1949年 制定)
60回以上 戦後、制定されたドイツ連邦共和国基本法。憲法というより、特別に成立要件が重くなった「法律」と位置づけられている。国会議員の定数など、日本では法律で定めていることも憲法に盛り込んでいるため、改正回数が突出して多い。
日本
(1946年 制定)
0回 基本原則だけが書かれ、「○○については、法律でこれを定める」と具体的な決まりを法律に委ねている日本国憲法。そのぶん単語数も少なく、また柔軟性があり、法律の改正で変化に対応できるため、憲法は一度も改正されてこなかった。

参考文献:『世界の憲法・日本の憲法−比較憲法入門』新井 誠ほか編(有斐閣)

「東京大学のケネス・盛・マッケルウェイン教授が世界の憲法を比較研究しています。それによると日本国憲法は、一度も改正されておらず、現在75歳と世界一のご長寿憲法なんですよね。なぜかというと、ほかの国では細かいことまで憲法で定めているのに対して、日本国憲法は原則だけが書いてあり、『○○については、法律でこれを定める』と具体性を法律に委ねているから。それで憲法を変えずに法律を改正することで対応できたのです。たとえば日本国憲法では、『拷問』は禁止されていますが、『死刑』は禁止とは書かれていません。でも、死刑を拷問と考えれば、憲法違反となります。ある意味、解釈次第なんですね。だからもし死刑を廃止することになっても、憲法はそのままで、刑罰の法律だけを変えればいいということになります。日本国憲法は、一度も改正されてないから古臭いとか、時代に合わないと言う人がいますが、実は時代に合わせられる柔軟性に優れているのです」

改正する際に必要なステップを復習

憲法改正の手続きは、国によってさまざまで、ドイツやアメリカのように、国民投票なしに改正ができる国もあるが、日本はというと?
「憲法改正については、憲法96条で定められています。まず衆議院と参議院、それぞれ3分の2以上の賛成を得ること。次に国民投票で過半数の賛成が得られたら、改正することができるのですが、『過半数』というのが、国民全体の過半数なのか、投票した人の過半数なのか、96条には明記されてないんですね。そこで2007年に国民投票法という法律が作られ、『投票したうちの有効票の過半数』ということになり、改正のハードルが一気に下がりました。つまり投票率がたとえ30%だったとしても、その半数以上、つまりたったの15%の人の賛成で、憲法の改正が可能になるのです。一方、韓国も憲法改正には、やはり国民投票が必要ですが、有権者の過半数の賛成が必要。投票率が50%を下回ったときは無効になります。日本よりも憲法改正のハードルがずっと高い。日本では選挙同様、国民投票の投票率も低くなる可能性がありますが、その場合は、少数の意見で憲法が改正されてしまうことを、知っておいてください」

〈憲法改正案〉

衆議院

総議員数 23 以上の賛成

参議院

総議員数 23 以上の賛成

国民投票

有効投票数の過半数の賛成

天皇が国民の名で改正公布

Part 2

「憲法改正」について学び、考えよう

一文字削るだけで、意味が変わってくる――そんなデリケートな憲法改正。その具体的な内容とは

現在議論されているのは、この4項目

改憲案の中で、自民党が喫緊の課題として提示しているのは以下の4項目。 それぞれの意図と、四谷姉妹の考えを照らし合わせ、理解を深めよう

1「自衛隊」の明記

現行の憲法では、9条1項で「戦争の放棄」を、2項で「戦力の不保持」「交戦権の否認」を定めている。今のままでは、自衛隊の存在はあきらかに違憲だという「自衛隊違憲論」がある。これに対して自民党の改憲案は、自衛隊をきちんと憲法に位置づけることで、解消するべきだというもの。現行の9条1項・2項は維持したまま、「9条の2」として新条文を追加し、自衛隊の保持を明記するとともに、自衛権についても言及すべきであるとしている。

四谷姉妹はこう考える!

不戦の国から、戦争のできる国へと変わる可能性が

「9条には手をつけませんよ」と言っているように見えますが、自衛隊を憲法に明記することで、日本は大きく変わります。現在、自衛隊は世界第5位の軍事力を誇り、法整備が整えば海外でも活動できます。が、今の憲法との整合性をとるために「自衛隊は戦力ではない」と解釈することで、軍事力行使に歯止めをかけていたのです。しかし自衛隊を明文化し、国防としての存在を認めれば、実質的に実動部隊となり、日本は戦争のできる国へと変わってしまうリスクもあると思います。

2緊急事態条項の創設

現行の憲法では、国の緊急時の対応としては、「参議院の緊急集会」のみが定められている。地震などの大きな災害に際しては、災害対策基本法や大規模地震対策特別措置法といった個別の法律で対処してきた。これに対して自民党は、今後、大災害が起きて、国会が機能しなくなったときに備え、国民の行動制限を一時的に強化することを可能にしたり、選挙を行わないで、議員の任期を延長できる条項を定めるべきだと主張している。

四谷姉妹はこう考える!

政府に全権を委任するのは、立憲主義とは言えない

自民党の提示した緊急事態条項は、権力を縛るという憲法本来の役目を取っ払う可能性があります。政府の一存で、ちょっとした事件を「緊急事態だ!」として、強権を発動することも考えられます。そもそもこれまで法律で対応可能だったのだから、わざわざ条文化必要があるでしょうか。法律の内容を検討することもできますよね。

3参議院の合区解消

現行の憲法では、投票の価値の平等を保障している。そこで一票の格差を是正するため、2016年に公職選挙法が改正され、人口減少が進む鳥取と島根、徳島と高知の各選挙区が合区として統合された。これに対し自民党は、投票率の低下など合区の弊害を説く。住民の意思を集約的に反映するために、都道府県別の選挙制度を維持するよう憲法に明記することを提案している。

四谷姉妹はこう考える!

一票の格差がまた広がってしまうことに

都道府県ごとの選挙区では、都市部と地方で、一票の格差が出てしまいます。その是正のために「合区」にしたわけで、それをやめるのは、最高裁の判決を無視することになります。やはり都市部に比べて、農村部は自民党の支持基盤が強固なので、合区を禁止して、議席数を増やすことが真の目的ではないでしょうか。

4教育の無償化・充実

現行の憲法では、義務教育の無償化が謳われている。これに対して改憲案では、人口減少社会では、人づくりの重要性が高まるため、教育を国の理念として位置づけ、国民の誰もが等しくその機会を受けられるように、「経済的理由によって教育上差別されない」との文言を追加する。また、私学助成について、現状に即した表現にするという修正案も示している。

四谷姉妹はこう考える!

法律で教育予算を増やせば、解決するはず

本気でやる気があるなら、すぐにでも「教育無償化法案」を出したほうが早く実現するはず。もともと「教育の無償化」を掲げてきた日本維新の会を取り込むために、自民党が持ち出してきたとも考えられます。また、教育は「国の未来を切り拓く上で極めて重要」という条文にも疑問を禁じ得ません。教育は国の未来を切り拓くためではなく、ひとりひとりが幸せになるためのものではないでしょうか。

なぜ4項目がピックアップされているのか

「憲法改正は、自民党結党以来の『党是』。2012年に自民党は憲法改正草案を発表しましたが、立憲主義や個人の尊厳などを無視した内容で、大日本帝国憲法のようだと評判が悪かった。これでは他党の協力が得られないと4項目に絞り、再提案したのではないでしょうか。『災害が多いから緊急事態条項、必要だよね』『教育の無償化、いいよね』と、パッと見、プラスに見える案が含まれていますが、憲法はそもそも権力を縛るもの。"権力を持つ側が改憲を求める=権力の縛りをなくす改正"となりがちなので、注意が必要! 判断に迷ったら『立憲主義的にアリか』、立ち返って考えてみてくださいね」

Part 3

四谷姉妹に質問!!「改憲にまつわるエトセトラ」

私たちの生活に身近な存在である憲法。読者の素朴な疑問を四谷姉妹が回答する

Q1. 憲法9条が変わると私たちの生活はどう変わるの?

A防衛費の増額が生活を直撃するかも

 先日も今後5年間で防衛費を2倍となる約11兆円に増やすという方針が発表されました。自衛隊が憲法に明記されたら、軍事費はますます上がるはず。そのぶん消費税が引き上げられたり、社会保障や年金が減らされたりすると思うの。だから私たちの生活を直撃することになるわね。
 困るわね。いろいろな規制も厳しくなると思うの。自衛隊の関連施設の近くにいる人たちが監視されたり、集会を開くことも制限されたりして。うちの事務所も防衛省が近くだから……。
 最近は自衛隊に入りたい人が減っているから徴兵制になる可能性もゼロじゃない。すぐに変化がなくても徐々に戦争の足音が近づいてくると思います。

Q2. 「国民投票」にのぞむ心構えとは?

A主権者として改憲の内容を理解してね

 これは「よくわかんないわ~」ではダメだと思うの。国民が主権者なのだから、改正されると何が変わるのか、ちゃんと勉強して投票してほしいわね。
 そうね。投票率がどんなに低くても、その半数以上で改正が認められてしまうので、賛成派の意向が強く出る結果になる可能性も。「わからないから投票しない」が多数になるのが一番ナンセンス。
 国民投票のやり方も、まだはっきりと決まっていない。4項目まとめてやるのか、詳細はこれから決まるので、注視してほしい。テレビでも関連のCMがたくさん流れると思うけれど、周囲に惑わされず、しっかり自分の頭で考えて決めましょう。

Q3. 改憲案で、ほかにも注目しておきたい条項はある?

A多様性の否定や、家父長制の復活など、気になる修正がたくさん!

 自民党は、Part2の4項目以外もゆくゆくは改正したいと思っているのよね。自民党の改正草案(2012年)の中で、私が特に気になるのは13条かしら。「個人として尊重」が「人として尊重」になっているでしょう? 人は価値観も生き方もそれぞれ違うものだから、「個人」としての自由を尊重されることで多様性が肯定されるのよね。でも、「人」としてひとくくりにされれば、自由は制限されてしまう。「公益及び公の秩序」というのもひっかかるわ。個人の自由より、国の利益を優先させるのは考えものね。
 私が気になるのは24条の追加条項「家族は、互いに助け合わなければならない」。介護や子育てを家庭に押しつけて、「自助」でなんとかしろってことよね。最近ヤングケアラーが問題になっているけれど、家族を支えるために犠牲になるのは、たいてい女性や子どもなどの弱者だもの。婚姻に関しても「のみ」を削除したところに当人以外の介入を感じる。明治憲法の家父長制の復活を感じて胸がザワつくわ~!

24条

婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない

婚姻は、両性の合意基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない

改正草案の追加条項

家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない

13条

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする

全て国民は、人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない

Q4. 四谷姉妹が魅力的だと思うのは何条?

A9条や97条の、勇敢でセクシーなフレーズにキュンキュンします♪

 やっぱり9条ね。武力の行使は「永久にこれを放棄する」とか、戦力は「保持しない」って、すごく勇気のいること。怖いから武力を持ちたいけれど、過去の戦争体験を踏まえてのこの決断。キュンとするわ♪
 私は97条! 基本的人権は「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」ってフレーズが胸アツね。「過去幾多の試錬に堪へ」とあり、今また試練は訪れつつあるけれど、人権を守れるのは私たちしかいないわ!

姉は9条

日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する

妹は97条

この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである

Q5. 憲法をさらに深く学ぶにはどうすればいい?

A議論したり、四谷姉妹を呼んでちょうだい

 今の時代、ネットにある情報で勉強してももちろんいいと思うけど、ひとりで情報を集めていると、どうしても偏ってしまうでしょう? 有名人がSNSで言ったことに左右されて、ガーッと流されていってしまうことがあるでしょう。それが怖いのよね。
 本当ね。だから複数人で議論してほしいと思います。「これってどう思う?」って、友達と話し合うといいんじゃないかしら。賛成反対さまざまな意見に触れることで、自分の軸がクリアになることもあるわ。あとは四谷姉妹の動画を見てね! いっそ呼んでいただいて、一緒に憲法カフェをやってもいいわね。
 そうそう。私たち、どこにでも行きますから! 一緒に熱く憲法を学びましょう!

SOURCE:SPUR 2022年10月号「今こそ学ぼう、『憲法』のこと」
photography: Wakaba Noda 〈TRON〉 hair & make-up: Wakana Goto 〈ROI〉 illustration: koji text: Hiromi Sato

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