2025年、いよいよ東京開催! 【デフリンピック】を会場で応援するには?

初めて世界でデフリンピックが行われたのは、1924年のフランス・パリ大会。2025年で100周年を迎える記念すべき大会が、いよいよ東京で開催される。開会式まで残り2カ月を切った! 日本財団パラスポーツサポートセンターの調査によると、デフリンピックの全国的な認知度は今年に入り、22.1ポイント増の38.4%に上昇し、関心の高まりがうかがえる。4年に一度の最高の舞台で、世界のデフアスリートの挑戦を見届けよう。会場でしか味わえない、静寂を切り裂く熱気と一体感をぜひ体感してほしい。

初めて世界でデフリンピックが行われたのは、1924年のフランス・パリ大会。2025年で100周年を迎える記念すべき大会が、いよいよ東京で開催される。開会式まで残り2カ月を切った! 日本財団パラスポーツサポートセンターの調査によると、デフリンピックの全国的な認知度は今年に入り、22.1ポイント増の38.4%に上昇し、関心の高まりがうかがえる。4年に一度の最高の舞台で、世界のデフアスリートの挑戦を見届けよう。会場でしか味わえない、静寂を切り裂く熱気と一体感をぜひ体感してほしい。

デフリンピックならではの「オリエンテーリング」って?

イラストレーター・ケンイチローさん デフリンピック

自然の中で地図とコンパスを頼りにチェックポイントを通過し、ゴールまでのタイムを競う競技。視覚的情報保障以外は、きこえる人同様のルール。また、オリンピックやパラリンピックの公式種目にはない珍しさも魅力だ。決められたコースを走るのではなく、選手自ら最短かつ最適なルートを導き出す必要があり、判断力や読図力が試される。

競技中の合図は「見える」化されている

イラストレーター・ケンイチローさん デフリンピック

聴力にかかわらず公平に競技ができるように、視覚的情報保障が導入される。音に頼らず、選手が「目」で判断できる工夫が各競技に。たとえば、陸上競技のスタートはフラッシュランプの光で合図する。バスケットボールやハンドボールなどでも同じ仕組みを活用。サッカーでは審判が笛と同時に旗や手を挙げて、選手にサインを送る。

予約も観戦料もいらない!

イラストレーター・ケンイチローさん デフリンピック

実は、事前申し込みなしで、誰でも無料で観戦可能! 世界中のトップデフアスリートが集まる、白熱した試合を目の前で楽しめる絶好のチャンス。デフスポーツならではの工夫や迫力を感じながら、選手たちの全力プレーをみんなで応援しよう。会場が混雑した場合は入場制限されることもあるのでご注意を! (射撃会場は観戦不可)

応援は声ではなく、手話で

イラストレーター・ケンイチローさん デフリンピック

日本の選手を応援するなら手話言語。応援の手話表現は両手の拳を握り、旗を振るように左右へ動かすジェスチャーで表す。観客がいっせいに同じ動きをすれば大きな一体感が生まれ、選手たちの力強いプレーを後押しできる。手話表現を通じて応援を届けることは、スポーツの熱気を共有するだけでなく、きこえない人への理解にもつながるはず。

イラストレーター・ケンイチローさんに聞いてみた大会の醍醐味とは?

イラストレーター・ケンイチローさん

デフリンピックが開くろう文化への扉

アジアで初開催された2009年の台北で初めてデフリンピックを観戦したケンイチローさん。

「両耳難聴の私自身、世界規模でろう者が集まる光景を想像できず、その熱狂を味わってみたかったんです。現地に行ってみると、至るところにデフリンピックの看板が掲げられて、街中が歓迎ムードであふれていました。あと、選手や関係者だけでなく、観客同士が自然に手話で交流していることが新鮮で、世界のろう者コミュニティを肌で感じられてうれしかったです」

現地では日本代表が戦うデフ卓球を観戦し、補聴器を外して戦う選手たちの緊張感や、視覚を頼りに集中を続ける姿に胸を打たれたと話す。

「接戦が続き、スポーツとしてかなり見ごたえがあったのを覚えています。バスケットボール、バレーボールなど、デフスポーツは競技ルールがきこえる人のスポーツとほぼ同じであることが多いので、初めて観戦する競技でも楽しめると思います」

また近年のデフリンピックの会場では、聴覚障がい団体のブースもあり、現地のろう者や海外の選手と交流する機会も設けられている。

「デフリンピックは競技を見るだけでなく、国や文化を超えて交流があります。日本で暮らしていると、日常生活でろう者同士が街中で会話する場面を見かけることは少ない。でも大会の開催期間中は、街全体が手話の飛び交う空間になると思います。それもデフリンピックの魅力のひとつ。さらに、スポーツの熱気や迫力に加えて、聞こえない人たちがどのようにプレーし、力を発揮するのかを間近で見られるチャンス。貴重な大会を会場で直に味わってほしいです!」

information

2025年11月15日から26日までの12日間で開催される。 主会場のひとつ、駒沢オリンピック公園総合運動場では、陸上競技やハンドボール、バレーボールが行われる。サッカーは福島県のJヴィレッジ、卓球は東京体育館で実施。全21競技が19会場で繰り広げられる、デフスポーツの祭典。

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