おしゃれなあの人は、人生の節目でどんなジュエリーを選んで、どう取り入れている? 素敵な結婚のストーリーとともに語られるのは、ウェディングリング購入の決め手やデイリーの手元スタイル、今の気分を反映したコーディネートなど。スタイリストやデザイナーなどファッションプロのおしゃれ技を見逃さないで。前回の「ウェディングリングSNAP」連載はこちら
01/日常にフィットする“婚約時計”という選択
スタイリスト 鈴木美智恵さん(@michie_suzuki_)
さまざまなモード誌を中心に活動する人気スタイリスト鈴木美智恵さん。シンプルだからこそ、そのセンスが表れる手元でさりげない輝きを放つのは、マリッジリングとしてパートナーとお揃いで選んだという「ルイ カルティエ ヴァンドーム」。「愛情」「友情」「忠誠」を意味するゴールド3色が重なったリングは、愛のシンボルとして知られる名品だ。
鈴木さん:「それまでイエローゴールドのリングをつけることは少なかったのですが、デザインの意味や背景も含めて素敵だなと思って決めました。グラデーションになったゴールドは肌なじみがよく、年を重ねてますますしっくりきています」。
存在感のあるMのイニシャルリングは、独立して1年目の記念にザ レタリングでオーダーしたもの。翌年には1年頑張った自分へのご褒美にエルメスの「シェーヌ・ダンクル」を購入したんだとか。「リングは何かの節目に買うことが多く、時期によってお気に入りが入れ替わります」と鈴木さん。
5年間の交際を経て、昨年12月に結婚した鈴木さん。婚約の証は、パートナーの後押しもあり、エンゲージメントウォッチという形でカルティエ「タンク マスト」にしたそう。
「仕事柄、洋服を扱う際に引っかかって傷つけてしまう可能性があるので『絶対ダイヤモンドはつけないでしょ!』と言われて(笑)。婚約指輪の代わりに、ともに時を刻めるという意味もかねて腕時計を迎え入れました」。
仕事終わりのこの日は、“制服のようなもの”と話すオールインワンをチョイス。色のコントラストが生まれるシャツを忍ばせて襟を出したり、首元にたっぷりとアクセサリーを重ねるのが今の気分とのこと。遊び心と上品さのバランスが秀逸なスタイリングは、リアルに実践できそう! これから到来する秋のイメージは?
「トップスにはラフなパーカを取り入れつつ、久しぶりにスカートとブーツを合わせて、女性らしいロマンティックなムードもプラスしたいです」。
02/少数精鋭でこそ際立つバランス感覚
ニットデザイナー 井上希代香さん(@kykph)
ニットデザイナーとして活躍する井上希代香さんは、2021年の夏に同僚のパートナーと結婚。自身の誕生日にサプライズでプロポーズを受けたのだとか。
井上さん:「コロナ禍でどこにも行けずに退屈な夏休みになるだろう、と心づもりしていたところ、都内のホテルステイを提案してくれたんです。レストランでディナーを楽しんでいたら、彼が高価なノンアルコールビールを何杯も飲み出して……緊張感が伝わってきて、プロポーズかなと勘づきました(笑)。大きな花束と一緒に指輪を渡されて、幸せな時間を過ごせました」。
その際エンゲージメントリングとして贈られたのは、一粒ダイヤモンドが輝くカルティエの「1895 ソリテールリング」。デイリーで使うマリッジリングは、プロポーズの後日、パートナーと相談して「1895 マリッジリング」に決定したのだとか。
「毎日つけることを想定して、シンプルで普遍的なデザインを求めていました。色は肌になじむイエローゴールドで即決。主張しすぎないいちばん細いサイズを選び、太さ違いで夫もお揃いに。クラシックでタイムレスな魅力があるプラチナの婚約指輪とも相性がよく、気に入っています」。
パートナーから誕生日プレゼントで贈られたティファニー「ボーン カフ」や、20代最後に30代へ向けた決意を込めて選んだラージサイズのシャネル「ココ クラッシュ リング」、3色のミックスされたゴールドが手元のカラーを中和してくれるというカルティエ「モノストーンリング」など、彼女のジュエリーコレクションには、ひとつひとつに大切な思い出やこだわりが詰まっている。
色柄が効いたエレガントなアイテムに、メンズライクなエッセンスを取り入れるのが得意な井上さん。暑さでバテ気味な今年は、出番の多いタンクトップに、上から重ねるだけでこなれた雰囲気が出るドリス ヴァン ノッテンのシアートップが大活躍。
「インパクトのある総刺繍の花柄がチュールに施されていて、涼しいのにラグジュアリーな気分になれます!」。
ルーズなデニムやストラップサンダルを合わせて、肩の力を抜いた自分らしいカジュアルスタイルを披露してくれた。
03/装いもリングもクリーンな統一感を狙って
BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS PR 宋すーちんさん(@suu0816)
PRとして働きながら、プライベートでは子育てに奮闘する1児の母でもある宋さん。「Tシャツやタンクトップを主役にしたシンプルな装いが増えるので、カジュアルになりすぎないようサイズ感には気をつけています」。そう語る晩夏のコーディネートは、忙しい日々もストレスフリーに、そして残暑を快適に過ごすために、清涼感を意識したオールホワイトルック。
ポイントで愛用中のメンズライクなファッションとマッチすることや、自分のスキントーンに合っていると感じることから、手持ちのアイテムはシルバーの割合が高いのだとか。ブライダルジュエリーにも、自然とその傾向が見てとれる。
宋さん:「プロポーズはつき合って半年ほど経った頃、私の誕生日に。お互いに、いわゆるエンゲージメントリングをつけているイメージが湧かず、代わりにロレックスの70年代のヴィンテージウォッチをいただきました」。
マリッジリングは、ほかの指輪とも合わせやすく、惜しみなく日常使いできそうなカルティエの「1895 ウェディングバンド」をセレクト。飽きのこないシンプルなデザインでありながら、一粒ダイヤモンドによって上品に仕上がるというのも大きな決め手に。
「薄手の季節は、リングをたっぷり重ねて手元にアクセントを。両手にボリュームのあるリングを取り入れつつ、シャープな雰囲気のアイテムを選んでいます。涼しい秋は肌見せの分量が減るため、ネックレスをレイヤードするなど首元にポイントを据えたジュエリー使いを満喫したいですね」。