第88回アカデミー賞で最多となる6部門での受賞を果たした、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。その中で強く気高きフュリオサ大隊長を演じたのが、女優のシャーリーズ・セロン。この日は、胸元が深く開いたディオールのドレスに、ハリー・ウィンストンのダイヤを合わせ、限りなく華やかでありながら、毅然とした潔さを感じる姿が目を惹いた。この凛とした雰囲気作りに一役買っているのが、陰影を引き立てるノーブルなカラーレスメイクだ。
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メイクアップアーティストのフランチェスカ・トロットによるレッドカーペットメイクは、シャーリーズ本来の魅力を引き立てるカラーレスメイク。使われたのは、ドレスと同じディオールのプロダクト。
理知的なブライトブルーの瞳を引き立てるのは、ほんのり錆びたようなウォームブラウン〜ゴールドのグラデーションパレットを使ったソフトなスモーキーアイ。隠し味として、まぶたから眉下に映画の世界観を感じさせる「ミネラル」という色名の単色シャドウをぼかすことで、やわらかくも引力のある眼差しを印象づけた。
(左から)温かみのあるソフトブラウン〜ゴールドの5色グラデーション。サンク クルール 796 ¥7600、やわらかに陰影を引き立てるウォームベージュ。ディオールショウ モノ 573 ¥3600/ともにパルファン・クリスチャン・ディオール
チークもカラーレスに徹し、キリッとした骨格を際立てるシェード&ハイライトのパレットを採用。ベージュブラウンを頬骨の下・鼻根・フェイスラインにぼかし、明るいカラーはあご・額の中央・頬の高い部分などにのせメリハリのあるくっきりとした印象に仕上げている。リップは素唇の色に近く、ほんのりつやっぽい乳白ピンクをセレクト。
顔立ちのメリハリを自在にデザインする、シェード&ハイライト。ディオール スカルプティング ブラッシュ 003 ¥5700(5月20日発売)、ミルクに一滴プラムシロップを混ぜたような、大人のパステルピンク。ディオール アディクト ミルキー ティント 286 ¥3900(4月29日発売)/ともにパルファン・クリスチャン・ディオール
劇中では、坊主頭に黒々と塗られた額とチャコールの囲み目が印象的だったフュリオサ役。弱きを助け強きに立ち向かう大隊長の姿に憧れるあまり、やってみたくなるファンが続出。海外のファンによるフュリオサメイクのHOW TO動画が話題になった。
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劇中のフュリオサメイクを真似するのはハードルが高いが、その気高い魂を受け継いだようなレッドカーペットメイクなら、すぐにでも取り入れられる。いつもより毅然と、素材で勝負したい日にどうぞ。