日本全国に眉ティントの存在を広め、一躍スターダムにのし上がったFujiko。その後もあっと驚くような機能性と、簡単&スピーディに可愛くなれる工夫を凝らしたアイテムを続々とリリースし、ヒットを連発。「涙袋ベイビー」、「麗しマスカラ」、「ノールックリップ」など、色名だけでなく製品名も茶目っ気たっぷりの個性派ネームの宝庫であるこのブランドの名付け親は、誰なのか?
使う前から、わくわく&ときめきを感じられるネーミング
Fujikoでは、製品によって名付け親や名付け方法が異なるが、常にその中心にいるのが、ブランドの代表兼開発担当の和田佳奈さん。
「企画メンバーにアイデアをもらったり、デザイナーやPRチームにも意見をもらったり。みんなであれこれ話しながら、決めていくことが多いですね」
Fujikoスタッフの仲の良さや楽しそうな雰囲気は、ブランドのYou Tubeチャンネルからも伝わってくる。
「製品名も色名も、基本的にはその特徴やイメージを伝えつつ、説明的になりすぎないこと。そして、Fujikoらしいわくわく感やときめきが感じられる『勢い』があることを大切にしています。加えて、その製品をつけると『どんな風になれるのか』、『どんな気持ちになるか』、さらには『つける前はどんな気持ちか』、『ユーザーにどう受け取ってほしいか』などなど、ユーザーと私たち作り手の気持ちや想いを考え、それをどんどん言語化し、いろんな言葉を集めていきます。製品を作る段階から参考にしていたモチーフやイメージがある場合は、それに関連する言葉を絡めることも。また、みなさんに『そうきたか!』とちょっと驚いてもらえるような、新鮮さも模索しています」
魅力的な人物像を描いた4色と、ビギナーフレンドリーなイエローリップ
まずはぷっくり存在感のあるリップメイクが楽しめる「プランピーリップ」から、色名の由来を聞いた。
「最初に発売したのが01『独占欲』と02『羨望』。このリップの開発中に、たくさんのカラーサンプルから01の色を塗ってみたとき、ふと『独占したくなる女になりたい……!』と思ったんです。そこでこの色は、愛しい人の独占欲を掻き立てる人物にふさわしい1本にしようと。そのようにして、早い段階で『独占欲』は決まっていたのですが、もう1色はどんな人物像にしようか? と考えて……。01は異性からの独占だから、02は同性からの視点にしようと思い、行き着いたのが『なりたいけど、なかなかなれない憧れの人』→『羨望』。
03と04は秋のカラーとして発売。製品の色を先に決定し、そのカラーからイメージする人物像を考えていきました。そこから、色っぽくて温かみがあるキレイな人→03『甘美』、個性がありながらも上品さも兼ね備える、なんだか忘れられない余韻を残す人→04『余韻』ができあがりました」。
今シーズンは、透明感の高いイエローが登場。この新色だけは、これまでの色名とテイストが異なる。
「05『イエローシロップ』は、製品の処方もこれまでのカラーとは少し違うんです。01~04はプランプ×ティント効果があるのに対し、05はティント効果はありませんが、プランプ成分を2倍配合しているので、さらにぷっくり。単色使いはもちろん、他のリップに重ね付けしてニュアンスチェンジできるのも05ならでは。だからこそ、色名も既存色と統一性を持たせることにはこだわらないことにしました。難易度が高そうな黄色リップのハードルを下げるためにも、可愛らしく親しみやすいネーミングにしています」。
『圧勝』、『最愛』、『ときめき』……無敵感が半端ない!
ウォーターベース×キラキラのピグメントをシェイクして使う、「シェイクシャドウSV」もヒット製品のひとつ。油分ゼロで極薄に密着し、クリアな発色とヨレにくさが特長だ。
「01と02は、付けた瞬間にどんな気持ちになるか、どんな目元になるかを漢字二文字で表現してみよう! とお題を掲げて、それを色名に使ってみました。01は、他のブラウンとは格が違う、抜きん出ている感を表現したくて『圧勝ブラウン』。02は、みんなから愛される鉄板の人気カラーということで『最愛テラコッタ』」。
「シェイクシャドウSV」は一昨年にリニューアルし、美容成分がますますアップした。05はリニューアル前に限定色として作られ、リニューアル後に定番化。色名もそのまま受け継いでいる。
「限定色だし、思いっきり特別な、最強のキラキラカラーを作ろうと決めていて。実際にできあがったサンプルを付けてみたら、可愛すぎでときめきが止まらなかったので、そのまま『ときめきグリッター』と名付けました」。
落ちないツヤティントは、華やかなモチーフから発想
色のイメージとなるモチーフが決まっていて、色名もそのイメージに沿って付けられている製品もある。そのひとつが、「ニュアンスラップティント」。
「ティント効果がありつつ、絶妙なニュアンスカラーのリップが欲しいと思って作りはじめた製品。いつか見た珊瑚の写真が印象に残っていて、その色をイメージしたのが、01~03。02『珊瑚ローズ」のようにモチーフ+色を組み合わせて、可愛くて選びやすい色名に。同様に、無花果をイメージした05『無花果ベージュ』、美しい花束をイメージした 06『恋の花束ピンク』など、様々なものからイメージを膨らませています」
忙しい現代人にときめきを与え、色名でもテンションを高めてくれるFujikoのアイテムたち。今シーズンはテクニック要らずで滲み出るような血色感を叶える『水彩チーク』も新発売。推し色は、「名付けに挑戦!」でチェックして。
エディターが名付けに
商品
水彩チーク03
ネーミング案
『シャランラーピンク』
着想源
黄み肌の私が使っても、透明感を爆上げしてくるパープルピンクは、まさに魔法のよう。そんなアメイジングな気持ちを胸に、昭和生まれの私が魔女っ子発想の名前を付けてみました。
採点
もう少しがんばりましょう
コメント
発想はとても可愛くストーリーも納得感のあるものではあったのですが、言葉にした時の「響き」にまとまりや可愛さをあと一歩感じられませんでした。またお客様に説明をしなくても、何となくこういう色、というのが伝わるほうがよいと思っています。
さらに他の色の名前とのバランスもあるので、03がシャランラーとなると他の色を同じ世界観にしていくのが難しいかも?とも思いました。
2015年に「Fujiko」を立ち上げる。ティーンマーケティングに従事した経験や自身の多忙なライフスタイルが、数々のヒットアイテムのヒントに。思い出深い色名は、髪の生え際のすき間を埋める「デコシャドウ」の『エブリバディブラウン』。「この色でいい!一色しか出さない!」という強気な決意が詰まっている。