今回からスタートする新連載。コスメティックスのユニークな名前の由来をひも解き、そこに秘められた熱い想いや製品の魅力を深掘りしていく。 記念すべき第一回目は、カネボウ化粧品 ケイトの「リップモンスター」。「リップ」と「モンスター」、異次元的な2つのワードを合体させた製品名もさることながら、1色ごとに付けられた色の名前もモンスター級の独創ぶり。
モンスター級の“最強感”から、モンスター界の“沼”へ
『憧れの日光浴』、『水晶玉のマダム』、『欲望の塊』…。これらはすべて、リップモンスターの色の名前である。発売当時からSNS上で「どんな意味なの!?」と話題になっていたネーミングについて、真相を探るべく、ケイト 開発担当の宗田杏樹さんを訪ねた。
「もともとリップモンスターという製品名は、とにかく落ちにくそう、なんだかスゴそうという最強感、貪欲な期待感を思わせる名前として考えました。そこから転じて『モンスターが住む世界って、こんな感じ』とストーリーを深めていき、色の名前もそのモンスター界からイメージすることに」(宗田さん)。
1色1色を見つめて生まれた、物語に寄り添うネーミング
リップの名付けは、リップチームでの数人で、完成した製品の色を見ながら行われる。
「人間界ではありえないけど、モンスター界ではこうじゃない? とか、まるで世間話のように話しながら、色の世界観を詰めていきます。例えば『憧れの日光浴』は、普段は夜に活動しているモンスターにとって太陽は縁遠いもの。でもだからこそ、日光浴に憧れていて……というストーリーをのせた、フレッシュなオレンジカラー。『水晶玉のマダム』は、水晶玉の中に住んでいる真っ青な顔のマダムでも、この色を塗ればたちまち血の気が蘇るはず、という色です。『欲望の塊』は、派手な赤リップは使いにくいけど、子どもっぽいピンクも苦手~というワガママな欲望にも応えてくれるからこそのネーミング。『Pink Banana』は、モンスター界にあるバナナをイメージしました。『ラスボス』は肌トーンを選ばず、どんな人も掌握する色。他のカラーが敵視する存在、ということから名付けました」(宗田さん)。
シーズンごとに出現する、MYリップモンスターも捕まえよう
この春からは、毎月のテーマに沿った限定色が登場。冒頭の『1/365日』は、1月をテーマにしたカラーの『1/365の日の出』に由来。その意味とは?
「1/365日は、1年のはじまりの元旦のこと。このリップの色は、大晦日に遊びつくしたモンスターたちが闇夜から見た、初日の出の光なんです。2月の『甘い主役』、3月の『秘めた炎』は、モンスターたちの、バレンタインやホワイトデーのメラメラとした感情を表現しました」(宗田さん)。
リップモンスター界に魅了されたエディターが、『101 1/365日の日の出』を、勝手に名付け。
「コスメの名付け親」恒例企画として誕生した、「エディターが名付けに挑戦!」コーナー。
こちらでは、ブランドならではの世界観に魅せられたエディターが名付けに挑戦し、名付け親に採点いただく。
エディターが名付けに
商品
ケイト リップモンスター 101
ネーミング案
「黄金のお尻」
着想源
元旦の朝日に照らされたお尻。日の光に照らされ、思わず背を向けたモンスターのお尻は、眩いほど魅力的に光り輝いていた…!というストーリー。カラーから、思わず触りたくなってしまうような“桃尻”を連想したことと、名前のインパクトから“お尻”が面白いのではと提案させていただきました。
採点
「もう少しがんばりましょう」
コメント
着眼点とストーリーはとても面白い!
モンスターワールドにはそのような新発見があるかもしれません。ただ口紅として使用するものですので、「お尻」のネーミングには少々戸惑う可能性も…
『この日にしか見られない、初日の出にあたって眩しいほど魅力的に光り輝くモンスター』という情景から、『唯一の閃光』等のネーミングが良いかもしれません」(宗田さん)。
教えていただいた人
KATE 開発担当 ●宗田杏樹さん
“流行の移り変わりの激しいSNS上でバズり続ける、大ヒットリップの生みの親の1人。自身もSNSを使いこなし、常にトレンドをキャッチしている。リップモンスターの個人的な推し色は、05 ダークフィグ。”