【緊急避妊薬/アフターピル】服用経験者3名の実体験を聞いた!「病院が見つからず焦る」「相手との感覚差にモヤモヤ」など

妊娠の可能性がある人にとっても、可能性がない人にとっても、全ての人に重要な「緊急避妊薬」のリアルな情報。緊急避妊薬の「ノルレボ」を薬局で買えるようになることが、2025年10月末に決定。

アフターピルがOTC化されるという大きな一歩を前に、これまでに緊急避妊薬を使ったことのある3名から実体験を聞いた。それぞれが感じたモヤモヤや疑問、不安などを通して、この前進について考える。

OTC化とは、医師の処方箋が必要だった医薬品を、処方箋なしに薬局やドラッグストアにて購入できる市販薬にすること

妊娠の可能性がある人にとっても、可能性がない人にとっても、全ての人に重要な「緊急避妊薬」のリアルな情報。緊急避妊薬の「ノルレボ」を薬局で買えるようになることが、2025年10月末に決定。

アフターピルがOTC化されるという大きな一歩を前に、これまでに緊急避妊薬を使ったことのある3名から実体験を聞いた。それぞれが感じたモヤモヤや疑問、不安などを通して、この前進について考える。

OTC化とは、医師の処方箋が必要だった医薬品を、処方箋なしに薬局やドラッグストアにて購入できる市販薬にすること

CASE1/「アフターピルですね」と病院受付で声に出して言われて気まずかった

【緊急避妊薬/アフターピル】服用経験者3の画像_1

【Aさん】 現在20代後半・2023年に服用・副作用なし

「避妊に失敗したとき不安だったし、パートナーから『身体のためにも、緊急避妊薬を飲んで』と提案されました。

10代のときに、友人から『年配医師から説教された人がいるらしい』という噂を聞いていたので、安心できる病院を探したのですが、当日予約できるところがなかなか見つからない。“72時間以内に服用した方がいい”というリミットがあるなかで友人に相談はしにくいし、話しにくい内容だしとためらいもありました。

ようやく近所の産婦人科を予約できましたが、待合室は妊婦さんばかり。受付で『緊急避妊薬ですね』と確認されたときは気まずかった……。男性医師が副作用や失敗率を簡潔ながらも丁寧に説明してくれたので、特に心配せず服用できました。

費用は約1万円で、パートナーも負担してくれました。副作用はなかったです。次の月経まで緊張が続きましたが、『薬を信じるしかない』と気持ちを整えました」

CASE2/20代前半にとっては約1万円の費用負担が痛かった

【緊急避妊薬/アフターピル】服用経験者3の画像_2

【Bさん】現在40代前半・2015年頃に服用・副作用なし

「年上の既婚者との性交渉で避妊に失敗。『妊娠するわけにはいかない』と強い危機感を覚え、朝になってすぐ病院を探しました。

過去に中絶を経験したこともあり、緊急避妊薬の存在は知っていましたし、子宮や卵巣の不調で婦人科に通っていたので薬への抵抗はありませんでした。自宅近くのクリニックは対応が機械的で、医師に何を聞かれたか覚えていないほどでした。

費用は1万円ほどで、当時の私にとっては負担が大きかったことを覚えています。けれど『これで妊娠しない』という安堵のほうが勝りました。

一方で、中絶のときにも感じた『自分と相手では出来事の重さが違う』という感覚は、このときも強く残りました。その後、緊急避妊薬の問題にはずっと関心があり、OTC化を求める署名にも参加しました。今回のニュースは、必要な人がより早くアクセスできるようになる点で、大きな進展と感じています」

CASE3/値段で選択。安い方でつらい副作用を経験した 

【緊急避妊薬/アフターピル】服用経験者3の画像_3

【Cさん】現在20代後半・2017年、2020年、2022年に服用
一番最初は安い方の薬を選択し、つらい副作用を経験。2回目以降はノルレボを服用。そのときは副作用なし

「初めてのときは緊急避妊薬についての知識がなく、24時間以上経ってやっと服用を思いつきました。知り合いに会わないよう生活圏から少し離れた産婦人科に電話をし、予約でいっぱいのところを『30分だけでも』と頼んで、診てもらいました。

2種類の薬を提案されましたが、2万円近いノルレボは学生には厳しかったので、約4,000円の薬を選択。私の場合は強い吐き気で2日寝込み、予定をすべてキャンセルすることに。副作用について説明はされていたものの、ここまでとは想像していませんでした。

費用は自分持ちで、パートナーは『女子は大変だね』と言うだけ。もし彼が負担してくれて別の方を選んでいたら、副作用がなかったかもしれないのに、とモヤモヤが残りました。

その後も2回、緊急避妊薬が必要になりましたが、どちらもノルレボを処方され、副作用はほぼナシ。プライバシーに配慮した休日も営業しているレディースクリニックを友人に教えてもらったことで、アクセスのよさが女性の負担をいかに減らすかを実感しました」

避妊に不安が残る性交渉から72時間以内の服用が望ましいとされる、緊急避妊薬。そんな緊急避妊薬の基本情報や、3名が感じたモヤモヤ・疑問、OTC化について産婦人科医の稲葉加奈子先生に伺った記事も、あわせてチェックを!

▶︎緊急避妊の基本情報や、OTC化に関する記事はこちら!

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