元・海洋ゴミとは思えないカラフル雑貨 #深夜のこっそり話 #1597

身の周りにあるものは「大物はベーシック&小物はカラフル」がマイスタイルです。というわけで紹介したいのがこちらのbuøy(ブイ)のトレイ。buøyは、捨てられたプラスチックから捨てられないプロダクトを作ることをコンセプトにしたブランド。これらのトレイは、海洋ゴミとして海岸に漂着したプラスチックから作られています。

元・海洋ゴミとは思えないカラフル雑貨  の画像_1
大きいほうが¥2,420、小さいほうが¥1,320。雑貨扱いなので、残念ながら食器としては使えません。

今年の春、SPUR.JPでSDGsに関するアンケートを実施した際に驚いたのが、予想以上にみなさんが海洋にまつわる問題に関心をお持ちだということ。フリーアンサーの回答までじっくり目を通したのですが、温暖化や異常気象、ゴミ問題などと並んで、海洋ゴミ、マイクロプラスチックや水質汚染などにもさまざまな意見が寄せられていて、海の豊かさを守ることは未来を考える上で避けては通れない課題なのだと改めて感じました。

私がbuøyに興味を持ったのは、プロダクトのビビッドなカラーはもちろんのこと、プラスチック製品の開発に携わる会社、つまりプラスチックのプロフェッショナルの有志たちによるプロジェクトとして誕生した点。私自身、現代社会から今すぐすべてのプラスチックを排除することは難しいと感じますが、プラスチックに対する世論を肌で感じつつ仕事をしている方々がどんなことを考えて活動をしているのか、とても興味深いのです(ウェブサイトで、日々扱っているプラスチックを「自分の子供」と表現している記述があり、驚きました)。他にも、我が家の愛犬は水辺が大好きで休日によく海に出かけるようになり、海岸のゴミが今まで以上に目に付くようになった、というのもあります。

トレイのカラフルな模様は、さまざまな種類のプラスチックを混ぜることによって生まれたもの。マーブリングやタイダイなど、混ざったような混ざっていないような多色使いに目がない私にはぴったり。そしてこの製法は色の鮮やかさを生み出すだけでなく、原材料が不明で分別のしにくい海洋プラスチックごみの再生にも適しているのだとか。店頭でひとつひとつ吟味したのですが、ベースの色は同様でもどれも表情が違っていて、かなり迷いました。

元・海洋ゴミとは思えないカラフル雑貨  の画像_2
鍵を入れてみようと思い玄関を整理していたら、もはや何の鍵かわからないものがたくさん発見されました(写真は振り分け後)。サステイナビリティ以前の問題……。

裏面を見ると、私が選んだものはそれぞれ広島の走島、福井の若狭で採集された原料を基にしているとのこと。もちろんすべてがその付近で廃棄されたのではないと思いますが、世界のどこかから集められたゴミではなく、日本の具体的な地名のシールが貼られていることで、問題をぐっと身近にも感じられます(とはいえ、製品にするほどの海洋ゴミを大量に集めるには苦労したらしく、ボランティア団体の協力を仰いだそうです)。プラスチックの粒に生まれ変わったパーツは、もともとはゴミなんかではなく誰かの暮らしが便利になるように、と作られたものだったはず。方向性はちょっと違いますが、大好きな絵本、レオ=レオニの『ペツェッティーノ』を思い出したりなんかもして。

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見えにくいですが、原料採集地は福井県・若狭となっています。

サステイナビリティへの意識が高まる中、リサイクル素材の研究や技術も日々発展していますが、こんなダイレクトなプロダクトが身近にあることで、目にするたびに海洋ゴミのことを思い出すと思うし、SDGsの目標「海の豊かさを守ろう」も「つくる責任 つかう責任」についても自分ごととして考えられるような気がします。作る人にさえ原材料がわからない(!)ので、いわゆる大量生産のプラスチック製品とは趣が異なりますが、ストーリーのあるアイテムなのでギフトにもよいかもしれません。

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エディターMATSUE

モードとカルチャーの狭間で15年。音楽と鉱石とフレンチフライから逃れられません。

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