【大地の芸術祭】は日帰りでも楽しい!おすすめスポットと展覧会グッズを紹介 #越後妻有アートトリエンナーレ2024 #深夜のこっそり話 #1992

待ってました…! 2年ぶりの大地の芸術祭。「越後妻有アートトリエンナーレ2024」の開幕に合わせて、ふらりと日帰り旅を敢行しました。通常、3年に1度開催されるトリエンナーレですが、前回はコロナ禍の影響で1年遅れの2022年に行われたため、今年は2年ぶり。展覧会グッズを購入せずにはいられない私がゲットしたアイテムと、前回訪問できなかった作品を中心に、自然とアートを堪能した贅沢な1日を振り返ってご紹介します。

栗村江利『再生』

栗村江利による『再生』
『再生』の他にも、さまざまなアーティストの野外アート作品が展示されています

まずはこちら。栗村江利による『再生』。写真を一目見て、絶対に行かねば!と思っていた作品です。朝一番に行ったら、なんと貸切状態。芝生のベッドに枕がひとつ。木々に囲まれ、目の前に水面が広がり、大空を独り占めしながら寝転がって深呼吸すると、自分が自然の一部になったような感覚に。一見ふかふかのように見える枕は大理石のため、思い切り寝転がらないように注意が必要です。

マリーナ・アブラモヴィッチ『夢の家』

マリーナ・アブラモヴィッチ『夢の家』
こちらは赤のお部屋。他にも緑・青・紫、計4色のお部屋があります

次はマリーナ・アブラモヴィッチによる『夢の家』。このところ睡眠不足だったせいか、眠りにまつわるスポットに導かれていたようです。

マリーナ・アブラモヴィッチ『夢の家』
こちらは緑のお部屋。腰位置に埋め込まれている本に夢の内容を書き綴ります
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宿泊者の夢が書かれた本も展示。他人の夢を覗き見するという貴重な体験ができました。なかなか“リアルな夢”の話が書かれていておもしろいです。

あわただしい現代生活の中で「自分自身と向き合うために、夢を見てほしい」という作者の願いから生まれた作品で、宿泊者が綴った夢は2000年から10年以上で約2000にものぼるそう。そこから厳選した100の夢が『夢の本』として書籍化されてアートになるという宿泊体験型アートです。

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宿泊者用のお風呂。専用のパジャマもあります

日中は宿泊者以外に開放されていて、棺桶ならぬ木製の箱のようなベッドの中に寝転んでみたり、宿泊者が綴った夢の話を読んでみました。赤・青・紫・緑に照らされた寝室とこのベッドでは、少々怖くて眠れないような気もしますが、普段見ることができない神秘的な夢に巡り会えそうです。

うぶすなの家

うぶすなの家
メインの2種から選ぶことができ、私は妻有ポークの肉巻きいなりにしました。「うぶすな定食」きつね¥2,000

前回、作品巡りに夢中で昼食のタイミングを失ってしまった反省を活かし、今回は『うぶすなの家』へ。築100年を迎える茅葺の古民家で、地元の新鮮な野菜で作る日替わりの小鉢とメイン料理がセットになった定食を食べることができます。旬の野菜や山菜を使った小鉢料理は、食材に合わせて丁寧に味付けがされていて、凝った味ではないのですがシンプルでどれもとても美味しい。あいにくの雨模様でしたが、軒先で畑や木々を眺めながら食べるご飯は格別でした。食後は、日本を代表する陶芸家が手がけた「竈」や「囲炉裏」、「風呂」なども鑑賞することができました。

うぶすなの家
軒下で他のお客さんたちと相席で食事しました

大巻伸嗣『影向(ようごう)の家』

写真撮影はできなかったのですが、大巻伸嗣による『影向(ようごう)の家』を最後にご紹介します。作品としての装置に見立てた古民家に入ると、心を落ち着ける時間と場が設けられ、暗闇に目を慣らしながら、いざ作品鑑賞へ。テーマとされている「消えゆくもの」に考えを馳せながら作品を鑑賞していると、線香花火のような、蛍のような、儚い光に目が釘付けになっていました。この暗闇を浮遊するモチーフが何に見えたのか、鑑賞した人と感想を語り合いたい作品です。

キナーレのミュージアムショップで記念品を

ミュージアムショップへ
目[mé]の作品『movements』をプリントしたポーチ¥1,600

この他にも、塩田千春『家の記憶』やアントニー・ゴームリー『もうひとつの特異点』、マ・ヤンソン / MAD アーキテクツ『野辺の泡』、トビアス・レーベルガー『フィヒテ(唐檜)』などを鑑賞し、最後にキナーレへ。ミュージアムショップで、現代アートチーム、目[mé]の作品『movements』をプリントしたポーチを迎え入れました。

目[mé]は「果てしなく不確かな現実世界を私たちの実感に引き寄せようとする」作品を展開しているアートチームで、「大地の芸術祭」では『movements』の他にも『repetitive objects』を鑑賞することができます。個人的には、個展「非常にはっきりとわからない」(千葉市美術館、2019)を訪ねて以来、作品を観ることができるチャンスは絶対に逃したくないアーティストです。

目[mé]の作品『movements』
目[mé] 『movements』

「大地の芸術祭」では約200の常設作品を含む300点以上のアート作品が点在しているため、ある程度の予習は必要。行きたいスポットを厳選して、マップに落とし込み、順路を組み立てておくのがベターです。無料で観ることができる作品もあり、作品ごとに鑑賞料を払うこともできますが、各作品の鑑賞料は約400〜1,500円程度なので、 会期を通して使える作品鑑賞パスポートの購入もおすすめします。「大地の芸術祭」といえば、代表的なジェームズ・タレルの『光の館』、クリスチャン・ボルタンスキーの『最後の教室』などもこのパスポートで鑑賞できます(清津峡渓谷トンネルなど、パスポートの提示で割引になる施設・作品も)。

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前回訪れたクリスチャン・ボルタンスキーの『最後の教室』
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いつか宿泊してみたいジェームズ・タレル『光の館』
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『光の館』の天井

2024年の会期は11月10日(日)まで。パスポートにスタンプを300個集めるのは至難の業ですが、またふらりと自然とアートに浄化される旅に出られますように。

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エディターABE

ジュエリーとファッション担当。ミニマリストを目指すも、新譜のレコードを収集しがち。