さかのぼること数年前、学生の頃にイタリアへ行きました。カラヴァッジョの作品「聖マタイの召命」を本で見た時にひと目で気に入り、絶対本物を見に行くぞ!と決意してイタリア旅行を計画。一途な思いで作品のあるローマのサン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会へと向かいました。そこでは、コイン(確か1ユーロ?)を入れるとライトがついて絵が見える仕組みになっていて、暗闇から浮かび上がった瞬間、その迫力に息を呑んで倒れそうでした。
それ以来惚れ込んでいる、カラヴァッジョの展覧会に、先日やっと行くことができました。一番楽しみにしていたのは、旅行で見逃して地団駄を踏んだ「エマオの晩餐」。キリストとこの場面でのキーアイテム「裂かれたパン」に目が引き付けられる光と構図は流石の一言で、ほの暗い会場と作品を引き立てる照明も相まってローマの思い出がフラッシュバック!
ここで声を大にして言いたいのは、この展覧会すごいんです、ということ。カラヴァッジョの作品が全部で11点。少ないのでは? と思われがちですが、現存する作品約60点はイタリア各地を始めとして、フランス、イギリスなどに点在しているのでなかなかまとめて見ることができません。内容は「トカゲに噛まれる少年」「ナルキッソス」「バッカス」、そして世界初公開となる「法悦のマグダラのマリア」など、びっくりするくらいの大作ぞろい。日本に来てくれてありがとう! と叫びたくなります。また今週末も行ってこようかな…と思いがよぎる夜です。もちろん、10円玉を入れないと照明がつかないということはありませんのでご安心を! 2016年6月12日(日)まで開催中。(エディターSH)
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思い出はローマに通ず #315
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