30代ばかりが集まった、ある日の女子会での話。友達のひとりが「もう恋バナをしたくないんだよね」とつぶやきました。その場に集まった全員がきょとん顔。なぜなら彼女は失恋したことを、たった今報告したばかり。落ち込んでいるからそうつぶやいたのだろうと思っていたのですが、なにやら違うらしいのです。
その友達曰く、「結局のところ、ふたりのことはふたりにしか分からないのに、なんで、共感してもらおうとか、その時の私の心情を理解してほしいと思いながら第三者に話す必要があるんだろうと思っちゃって」と。そういえば、先日20代の後輩たちとご飯へ出かけた時、「Kさんの恋バナって聞いたことがない」と言われ、「あ、自分の恋愛事情をまったく話してなかったんだ」と気づかされたばかりでした。確かに、積極的には話しませんが、全く話していないとも思わず…。
とはいえ、女子が集まれば恋バナで盛り上がるのが常。自分自身にトピックスがなかったとしても、友達の話に耳を傾けていたものです。10代からの習慣と言っても過言ではないはずなのに、いつの間にか、「もう恋バナはお腹がいっぱい!」状態に。冒頭のつぶやきは意外にも核心をついていたのです。恋愛の酸いも甘いも経験したであろう30代女子が恋バナから卒業したくなるのは、もしかしたら自然な流れなのかもと、妙に納得してしまいました。
ちなみに、恋バナをしたくないと言った友達は、「誰かから共感を得る必要はないけど、その時感じたことをアウトプットしないとイライラしやすくなる」という理由から、日記を書くようになったらしいです。結局、友達に話していたことを独り言で解決しているみたいな、複雑な女の心情を感じました。(ライターK)