タイトルを見て、仲間由紀恵の顔が浮かんだあなたは、きっと私と同じミレニアル世代。
はじめまして、の方のために簡単な自己紹介をさせて頂きます。『SPUR.JP』で、ランウェイとジュエリー&ウォッチを担当している岡部と申します。1990年6月15日生まれ、岐阜県出身、男性、今使っているファンデーションは資生堂の「シンクロスキン」です。
男でメイクをしていると言うとよく驚かれるのですが、中学生の頃からアイラインを描いて通学していたので、人生の半分くらいはメイクをしてきたことになります。今でこそ韓国のポップスターの影響で、男性がメイクをすることも珍しくなくなりましたが、当時はまだ好奇の目にさらされることも少なくありませんでした。
そんな中、先日面白い人と知り合いになりました。原宿のヘアサロンで働いている21歳の男性なのですが、よーく見ると唇が赤い。聞くと、リップを使っているとのこと。愛用しているのは、シャネルの「ルージュ アリュール」。真っ赤な限定パッケージのものでした。
その時彼が着ていたのは、クラッシュジーンズに、マーティン・ローズ×ナパピリのアウトドアジャケット。一見原宿でよく見かけるファッションキッズが、赤いリップを塗っている。その意外性に驚いたので聞いてみると、高校生の頃から日常でメイクをしていたとのこと。トランスセクシャルでも、クロスドレッサーでもなく、ただ単純にきれいなものに憧れ、レッドリップという独自のスタイルに行き着いた彼を見て、日本のメンズビューティはここまでたどり着いたかと感慨に耽りました。
ボーイフレンドが赤いリップを塗っていたら、あなたはどう反応するでしょう。職場の男性上司が突然マスカラを塗って出勤してきたら、あなたは眉をひそめるでしょうか。冗談に聞こえるかもしれませんが、今一度頭の中で反芻してみて下さい。きれいなおにいさんは、お好きですか。(エディターSO)