リアルの強みを思う存分発揮していたのが、スタイリストとして活動する小松未季さんが手がけるADELLY。ルックが映し出されるスクリーンを背景に、モデルがランウェイを歩くプレゼンテーション形式で発表しました。
会場には甘く爽やかな花の香りが漂っていて、ADELLYが描く華やかで夢のような世界観を五感で感じることができました。嗅覚や触覚は自分がその場にいることでしか感じられないので、こうした演出はリアルなショーならでは!早く思いっきりドレスアップしてお出かけしたくなりました。一番右がデザイナーの小松さん。
BALMUNGのインスタレーションは、モデルが段ボールに入ったオブジェを組み立てるところからスタート。布などを圧縮袋に詰めぎちぎちに固めたパーツを、まるでパズルのように合わせ色とりどりのベルトで固定していきます。
モデルの体から勢いよく溢れるようにデフォルメされたグローブやトップスは、内容物がもし破裂したら?オブジェが急に崩れてしまったら?など、見ている人の頭の中の不安が具現化したようにも見えました。
ここ数シーズンさまざまなブランドで見かけるロンググローブですが、アクセサリーを上から重ねるテクニックはぜひ真似したい!
sowahaはSOMARTAデザイナーの廣川玉枝さんが始動した文化的デザインプロジェクト。「このままでは100年後に着物産業がなくなる」という事実を知った廣川さんは、2013年から和装のデザインを研究。8年の歳月を経て生まれたのがsowahaです。和装と洋装を融合させ、帯がなくとも気軽に着られる“新時代の和装”がコンセプト。
京都の老舗友禅染め企業と協業し、デジタルプリントで仕上げたテキスタイルに目を奪われました。夕日に照らされる桜が描かれ、その圧倒的な美しさは、私たちの心の奥底にある日本的な美意識を呼び覚ましてくれます。
2019年SSに彗星の如く(?)東コレに現れたと思ったら、すっかり毎シーズンの名物となった「麺食・オン・ザ・ランウェイ」を披露し、観客をざわつきにざわつかせたNEGLECT ADULT PATiENTS。今季はどんな演出なのかしらと楽しみにしつつ会場に入ると、そこには折り畳み式のミニアウトドアチェアが。
閉塞感のあるこの時代への鬱憤を晴らすかのように、屋上で開かれるレイブパーティーがテーマとなった今季。登場したのは「屋外のパーティーには必要」とデザイナーの渡辺さんが語る“寝袋”ドレス(笑)。「わけわからない(笑)」と思う一方で「もしかしたら今の時代、かなり必要なものでは!?」と思わせてしまう、真面目なおふざけ感が愛おしい。
「麺食・オン・ザ・ランウェイ 21AW」は「ざる蕎麦」でした(笑)。モデルはBiSHのリンリン。2日前に開催されたフミト ガンリュウのショーにも出演した彼女ですが、まさかの同じルックで登場!ブランドの枠組みを越え「ショーからショーへ、ふらっと遊びに来た感じ」という粋な演出にも、東京のポジティブなカオスを感じたのでした。
リアルの強みを思う存分発揮していたのが、スタイリストとして活動する小松未季さんが手がけるADELLY。ルックが映し出されるスクリーンを背景に、モデルがランウェイを歩くプレゼンテーション形式で発表しました。
会場には甘く爽やかな花の香りが漂っていて、ADELLYが描く華やかで夢のような世界観を五感で感じることができました。嗅覚や触覚は自分がその場にいることでしか感じられないので、こうした演出はリアルなショーならでは!早く思いっきりドレスアップしてお出かけしたくなりました。一番右がデザイナーの小松さん。
BALMUNGのインスタレーションは、モデルが段ボールに入ったオブジェを組み立てるところからスタート。布などを圧縮袋に詰めぎちぎちに固めたパーツを、まるでパズルのように合わせ色とりどりのベルトで固定していきます。
モデルの体から勢いよく溢れるようにデフォルメされたグローブやトップスは、内容物がもし破裂したら?オブジェが急に崩れてしまったら?など、見ている人の頭の中の不安が具現化したようにも見えました。
ここ数シーズンさまざまなブランドで見かけるロンググローブですが、アクセサリーを上から重ねるテクニックはぜひ真似したい!
sowahaはSOMARTAデザイナーの廣川玉枝さんが始動した文化的デザインプロジェクト。「このままでは100年後に着物産業がなくなる」という事実を知った廣川さんは、2013年から和装のデザインを研究。8年の歳月を経て生まれたのがsowahaです。和装と洋装を融合させ、帯がなくとも気軽に着られる“新時代の和装”がコンセプト。
京都の老舗友禅染め企業と協業し、デジタルプリントで仕上げたテキスタイルに目を奪われました。夕日に照らされる桜が描かれ、その圧倒的な美しさは、私たちの心の奥底にある日本的な美意識を呼び覚ましてくれます。
2019年SSに彗星の如く(?)東コレに現れたと思ったら、すっかり毎シーズンの名物となった「麺食・オン・ザ・ランウェイ」を披露し、観客をざわつきにざわつかせたNEGLECT ADULT PATiENTS。今季はどんな演出なのかしらと楽しみにしつつ会場に入ると、そこには折り畳み式のミニアウトドアチェアが。
閉塞感のあるこの時代への鬱憤を晴らすかのように、屋上で開かれるレイブパーティーがテーマとなった今季。登場したのは「屋外のパーティーには必要」とデザイナーの渡辺さんが語る“寝袋”ドレス(笑)。「わけわからない(笑)」と思う一方で「もしかしたら今の時代、かなり必要なものでは!?」と思わせてしまう、真面目なおふざけ感が愛おしい。
「麺食・オン・ザ・ランウェイ 21AW」は「ざる蕎麦」でした(笑)。モデルはBiSHのリンリン。2日前に開催されたフミト ガンリュウのショーにも出演した彼女ですが、まさかの同じルックで登場!ブランドの枠組みを越え「ショーからショーへ、ふらっと遊びに来た感じ」という粋な演出にも、東京のポジティブなカオスを感じたのでした。
毎年桜が咲き始める時季は、春の新作を着込んで渋谷に集合! そう決まっていたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大により、渋谷ヒカリエを中心に開催されていたファッションウィークがオンライン発表メインになってから、丸一年が経ちました。2021年3月15日~3月20日に開催されたRakuten Fashion Week TOKYO 2021AW(通称・東コレ)も、世界のファッションウィークと同様に多くのブランドがオンラインで新作を発表。オンラインになったことで、誰でもショーをリアルタイムで見られるようになったのは嬉しいですよね。ブランドによってはアーカイブ配信もしているので、ぜひ見てみてください。ショーを見ると、「あの服素敵だな」という服そのものの魅力だけではなく、空間や音楽、来場者の雰囲気など、そこにある全ての要素からブランドが伝えたいことを探ることができます。例えば今回ショーを行ったADELLYは、動画を交えたプレゼンテーション形式でモデルが出てくる間隔をある程度持たせながら発表することで一着ずつの個性を際立たせ、ブランドの今季のテーマである「一目惚れ」の余韻を味わう隙を与えてくれました。
ほかには、人体の表面を装飾する彫刻的衣服ではなくそこから独立する「パフォーマティブ」な衣服を提示したBALMUNG、消えゆく着物文化を現代に沿った形で「新時代の和装」として提案するsowaha、そしていつも大真面目にふざけながらファッションの明るい側面を爆発させるNEGLECT ADULT PATiENTSなど、数ブランドのショーを拝見。写真を見ていただくとわかるのですが、どれも異なる個性を持つブランドで、この“カオス感”が東コレの良いところだと改めて実感。ファッションのことをアレコレこねくりまわして考えていると「この装いや考えはあっているのか?」「○○らしさとは?」と不安になってしまうのですが、東コレを見るたびに「暗く沈んだ心を照らしてくれるのも、社会に“No, thank you.”を突きつけるのも、過去と未来の文化をつなぐ架け橋になるのも、全てファッションであり、同時に起こっていいものなのだ」と思い出させてくれるのです。各ブランドの詳細はぜひ写真のキャプションをご覧ください!
ニューヨークのように都会的な女性の服が強かったり、ロンドンのようにアンダーグラウンドなクリエイションの空気が濃かったり、コペンハーゲンのようにサステイナブルといった太い軸があったりするわけではないけれど、「東コレとは、これだ!」と一言で言い表せないのが、東コレの魅力だと感じています。「日本のファッションはコレですよ」という正解があるわけではなく「自由に楽しめばいいじゃん」というのを感じて、見ていて心が軽くなるというか。ゴーイング・マイ・ウェイでも大丈夫なのだと安心させてくれます(笑)。今回紹介したブランドのほかにも、若手からベテランまで個性豊かなブランドが揃っているので、ショー動画やルックをチェックしてお気に入りを見つけてみてくださいね。