187票差で勝利! 杉並区長が生まれた奇跡の映画に涙 #深夜のこっそり話 #1876 #区長になる女

時代が変わった!
そんな出来事に数多く直面するここ数年。なかでも印象深く、すがすがしい風とともに“希望”を感じたのが、2022年6月杉並区長選で接戦を制して勝利した区長・岸本聡子さんの誕生です。

激戦の杉並区長選! 舞台裏に迫ったドキュメンタリー映画

現在ポレポレ東中野で上映中の映画。連日満席と話題を呼んでいます。©2024 映画◯月◯日、区長になる女。製作委員会
現在ポレポレ東中野で上映中の映画。連日満席と話題を呼んでいます。©2024 映画◯月◯日、区長になる女。製作委員会

そんな興奮をよみがえらせてくれる『映画 ◯月◯日、区長になる女。』が絶賛公開中! (杉並区民としては)これは行かねば、と興味津々だったものの、年始の公開から満席続きでようやく先週末に観に行けました。

監督は杉並区在住で劇作家・演出家のペヤンヌマキさん。彼女が一人の住民として岸本さんに出会い、“少しでも投票率を上げるために”カメラを回しはじめたことがきっかけで出来上がった、区長選の舞台裏に迫ったドキュメンタリー映画です。

住民たちが推した、岸本聡子杉並区長、誕生のストーリー

住民たちが推した、岸本聡子杉並区長、誕生のストーリー
上映中のポレポレ東中野にて展示中の劇中カット。住民たちの要請を受けて選挙に挑む岸本聡子さん。下は監督ペヤンヌマキさんと愛猫。©2024 映画◯月◯日、区長になる女。製作委員会

圧倒されたのは、そのリアルが故の岸本さんの素の姿。カメラを回すペヤンヌマキさん自身、現状を変えなくてはと動き出した住民でもあり、選挙に伴走する中でとらえた岸本さんの人間性や魅力をありのままあぶりだしています。カメラの前で(というかペヤンヌさんに)こぼした愚痴や「投票率1%あげるのがどれだけ大変なことなのか」を力説するところなど、命がけで生きる人の姿に心が動かされます。

「選挙は続くよ、どこまでも」が標語のように胸に響きます

「選挙は続くよ、どこまでも」が標語のように胸に響きます
2022年杉並区長選の投票率は前回より5.5%上がり37.52%。わずか187票の僅差で現職を破って勝利した。©2024 映画◯月◯日、区長になる女。製作委員会

住民の声を聞かずに進める行政主導の再開発、道路拡張、児童館など区立施設の再編成整備計画。そんな区の動きに危機感を募らせた住民たちが結成した「住民思いの杉並区長をつくる会」が、岸本さんを区長候補に擁立決定したのが、区長選わずか2か月前の2022年4月10日。オランダ、ベルギーでNGO職員として公共の再生を掲げ活動していた岸本さんが帰国したのが4月23日とスリリングな展開。しかも相手は、3期12年続く現職区長。
選挙戦まであと1か月という中「聡子さんが区長になる可能性は限りなく低いのが現実だが、なぜか聡子さんが区長にならない未来を想像できない」とつぶやくペヤンヌさんにものすごく共感し、いかに奇跡的なことだったのかと実感します。

パワーをもらって、すぐに行動したくなる!

映画パンフレットも必読です!
主題歌は、小泉今日子さんと上田ケンジさんの音楽ユニット『黒猫同盟』が歌う。 地域に根付いた市民主体の自治的な政治を指す”ミュニシパリズム”が歌のタイトルで、カフェの店主・ブランシャー明日香さん(その後2023年杉並区議会選に当選し議員に)が作詞作曲。映画パンフレットも必読!©2024 映画◯月◯日、区長になる女。製作委員会

なぜこんなにもみんなが岸本聡子さんに引き付けられるのか。目に焼き付いているのは初当庁の際、サングラスをして颯爽と自転車で現れた新しいリーダーの姿。道路拡張は、気候変動や環境破壊の観点からも世界のトレンドの逆をいっていると言い切ってくれるすがすがしさ。やっぱりかっこいいんですよね。


映画では彼女が乗り込んでいく区議会のリアルや、選挙戦を支えたことで人生を変えた住民の女性たちなどの姿が映し出され、新しい光を伝えてくれています(2023年4月の杉並区議会議員選挙では新人15人が劇的に勝利し女性比率50%を達成した)。その後岸本さんは、区長就任後も街宣で区民との対話を重ね、改革を進めています(岸本聡子公式チャンネルより)。

私が杉並区民という思い入れを差し引いても、この逆転の物語はどこでも起こせるかも、と希望をもらえる映画。ポレポレ東中野に加え、大阪、神戸、京都など全国での上映が予定されているのでぜひその事実を体感してみて。

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エディターSUGAWARA

ウェディングとファッション担当。淡々としてますが笑い声だけよくとおります。好きなものは夕暮れとボサノバとチョココロネ。

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