幸福な香りで満たしてくれる、天使のお香ペーパー #深夜のこっそり話 #1599

先日、東京都現代美術館で開催中の、ジャン・プルーヴェ展に行ってきました。企画展の関連グッズはさておき、その日私は、美術館から小さな天使をお持ち帰りすることになりました。「紙のお香 天使のことづて」です。

幸福な香りで満たしてくれる、天使のお香ペの画像_1
この封筒の存在があるだけで、小さな幸せを手にした気分。

手のひらサイズの封筒には、スイスの画家、パウル・クレー晩年の名作『忘れっぽい天使』の線描画が。目を閉じて微笑む天使の表情に、なんだか心がほっこり。そして中に入っているお香ペーパーそれぞれには、彼が遺した3つの言葉が記されています。

なかでも私が好きなのは「One eye sees, the other feels./片方の目で見て、もう片方の目で感じる」という言葉。燃え切るまでをぼーっと眺めるのが至福のひとときです。煙とともに部屋に広がる白檀の香りも、日々の疲れを癒してくれます。文字の書かれた紙がゆっくりと燃えていくさまは、なんともロマンチックなものですよ。

幸福な香りで満たしてくれる、天使のお香ペの画像_2
5分もしないうちに燃え尽きます。

封筒からお香ペーパーを1つずつ取り出すたび、クレーの天使が安らぎを運んでくれるよう。残りのペーパーも、つかの間の暇にじっくりと大切に燃やしていきたいです。第1弾のパウル・クレーに始まったこの“Art is a part of life”プロジェクトは、今後もアートを暮らしの一部とするライフスタイルグッズを展開していくそう。忙しい日々にうるおいをもたらしてくれるアート。存在感のある作品を飾るでもいいのだけれど、暮らしの中に溶け込むように、そっと寄り添ってくれている存在でもあってほしい。そんな私の願いを叶えてくれた小さな天使に癒しをもらう最近の週末です。

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エディターTAJIKA

新米エディター。危険ギリギリのラインを攻めた海外一人旅が好き。最近はスパイス料理に沼ってしまい、口内に刺激を求める日々です。

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