どうしようもなく、トマトのヘタの香りが好きです。まだ長いはずの残りの人生で吸い込む空気にはこの香りが含まれてたらいいな、と思うくらいには(あ、ビュリーの「サクル」も捨てがたいですが!)。
トマトの香りを最初に意識したのは、幼い頃、大好きな祖父の家庭菜園で手伝い(邪魔?)をしていた時。埋め立て地育ちだった私は、フレッシュで生命力のある、いい意味で青くさい香りに初めて触れ、「この匂い、好き!」と大いに引き込まれました。いい思い出と紐づいているのもあるかもですが、香り自体が本当に好きなので、今でもキッチンで時々、鼻にトマトを近づけて思いっきり香りを吸い込んだりしています。
次の出合いは学生時代。ニナ リッチの「レ ベル ドゥ リッチ1」という香水でした。ずいぶん前に廃番になってしまったようではっきりとは覚えていませんが、青くさいけど甘酸っぱい、フルーティな香りだったと思います。香りの詳細について知らずに愛用していたら、後からトマトをイメージした香水だったと知り、「三つ子の魂百まで」とはよく言ったもの、と妙に感心したものです。
そして最近、新たな出逢いが。いま使っているローションはハーバルな香りが強めなのが気に入っていて、顔に乗せる時に深呼吸するのが習慣になっているのですが(ちなみにこの動画のエディターHOMMA「深呼吸したもん勝ち」にはめちゃ共感!)、ある日ふと、「トマトの香り、吸い込みたくない?」と思い立ち。
なんで今までちゃんと調べなかったのかと激しく後悔したのですが、私がずっと「トマトのヘタ」と呼んできた香りは、香り界隈では「トマトリーフ」と呼ばれているようで。で、覚えたてのトマトリーフを検索したら、どんぴしゃなのがすぐ出てくるじゃないですか! しかもロエベにあるという!! お店にはちょこちょこ行っていたのに、3年も知らなくて損してました(発売は2020年)。というわけで、「ホーム センツシリーズ」とやらを求めて銀座三越のロエベ パルファムにダッシュ。
同じ「トマトリーフ」シリーズのキャンドルやインセンススティック、新発売のボディローションの香りも試してみましたが、甘さ控えめにグリーン感を追求したルームスプレーが一番フレッシュで、即決でした。
ルームスプレーなので直に吸い込むことはできないものの、いやもうこれ、ほんとにトマトのヘタです。もちろん本物と嗅ぎ比べたら違いはあるものの、ともすれば土くさく感じる要素がすっと洗練されたような。
なお、トマトリーフそのものを使っているわけではなく、表現というか解釈というかで作られた香りで、そこにもびっくりです。試しに、家人に香りの正体を明かさずにクイズを出したところ、「食べもの……、植物……、トマト!」と見事正解!
ボトルの美しさにもうっとり
ルームスプレーっていただく機会はあったものの、自分で意識的に購入するのはたぶんこれが初めて。なかなか高価ですが、香りはもちろんのこと、あたたかみのあるボトルのたたずまいもスタイリッシュなので、まったく後悔はありません!
家で香りを楽しみたくなったら都度シュッとするのはもちろん、せっかくなら外でも堪能したいので、(万一シミになっても気にならない)ハンカチに吹き付けておいて、時々ポケットから取り出しています。
トマトの香り好きの同志にはぜひトマトリーフを試してみていただきたいですが、ホーム センツシリーズには他にも10種類の香りがあるので、きっと気に入るものが見つかるはず! 贅沢な香りのご褒美、いかがでしょうか?