2021.01.15

ラ ブーシュ ルージュが創造する、ニューノーマル時代のラグジュアリー&ビューティー

2019年11月にデビューした、パリ発のサステイナブル&ラグジュアリーなメイクアップブランド、ラ ブーシュ ルージュ。天然成分のみを使用したメイクアップ製品と、その製造過程のツールから店頭の販売までを含めて、一切のプラスティックを使用しないという世界初の試みで、クリーンビューティーを体現するブランドだ。

この冬に発売となった新作に込められたサステイナブルなアイデアや、ブランドを通じて伝えたい“ブルービューティー”という考え方について、ラ ブーシュ ルージュ ファウンダー/クリエイティブ・ディレクター のニコラス・ジェルリエ氏にZoomインタビューした。

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(左から)ケース ¥8,100、カラー リフィル¥4,400、マスカラ ¥5,100、マスカラ レザーケース ¥6,300、パウダーケース ¥8,400/ラ ブーシュ ルージュ

国連の研究結果によると、海を汚染するプラスティックの量は、2050年には魚の量よりも多くなると予測されている。これを受けて、コスメティック業界も、海を汚染させてしまうことで知られているマイクロプラスティックを使ったスクラブを自然由来の素材に置き換えるなど、使用量を減らす取り組みを行っている。

ラ ブーシュ ルージュもまた、プラスティックの削減に着目。その製造過程の部品から店頭の販売までを含めて、一切のプラスティックを使用しないという世界初の試みで、クリーンビューティーを体現している。

ルージュを引き立たせる、サステイナブルなコスメが登場

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ラ ブーシュ ルージュ イメージビジュアル。はっきりとした目元や、肌の作り込みによって口元の魅力が引き出される

そのブランド名からもわかるように、ラ ブーシュ ルージュは「ルージュ」からスタートした。天然成分のみを使用したサステイナブルなリップスティックや、ケアアイテムが揃う。さらに、昨年の秋冬には、ルージュを映えさせるメイクにフォーカスした、マスカラやアイシャドウ、アイライナーなどといったアイテムが仲間入りした。

完成まで5年をかけた、世界初のマイクロプラスチック不使用マスカラブラシ

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マスカラ レザーケース 各¥6,300、マスカラ 各¥5,100/ともにラ ブーシュ ルージュ

中でも注目したいのは、ゴージャスなまつ毛を作る、フサフサのブラシが付いたマスカラだ。リップ同様、アップサイクルレザーを使ったケースは、リフィルが付け替え可能。また、100%リサイクルガラスと半永久的にリサイクル可能なメタルを使った高級感のあるボトル、そして「トウゴマ」という植物の繊維を使った、世界初のマイクロプラスティック不使用ブラシ。すべてのポイントでサステイナブルな取り組みがされている。このブラシについて、ニコラス氏はこのように語ってくれた。

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「マスカラブラシには世界共通で好まれる形がありますね。それは、ゴージャスではっきりとした目元を作る、このような形です」とニコラス氏

「マスカラブラシは、素材のリサーチから完成までに約5年かかったパーツです。他にもサトウキビやトウモロコシなど、様々な植物の素材でブラシを試作しましたが、まつ毛により良い効果があるほか、プライスの面でもリーズナブルな素材を探して、トウゴマに行き着きました。トウゴマはとても優秀な植物で、ブラックのマスカラ液にはキャスターオイル(トウゴマの種子から取れるオイル。別名ひまし油)も使用しています

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ブロンザー ブロンド ¥3,700、パウダーケース ¥8,400/ともにラ ブーシュ ルージュ

また、同じく昨年冬に発売されたミラー付きのコンパクトも、100%リサイクルメタル製。付け替え可能なブロンザーやアイシャドウ、ハイライターがピタリと収まる。リップやマスカラ同様、一度コンパクトケースを買えば、後はリフィルを付け替えて長く楽しめるという仕組みだ。


「サステイナブルなアイテムをより身近に、幅広い方に楽しく手に取りやすい価格で提供するには、このアップサイクルレザーのケース+リフィルというスタイルがとても良いと考えています。そして、メイド・イン・フランスを掲げているラ ブーシュ ルージュですが、新たに作品に加わったメークアップブラシは、大阪の職人に作ってもらいました。普段は習字の筆などを作っている方の作品に触れる機会があって、そのクオリティの高さに感銘を受け製作を依頼しました

“ブルービューティー”という考え方を未来のビューティーのスタンダードに

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ラ ブーシュ ルージュ イメージビジュアル

「クリーンビューティー」や「サステイナブル」という考え方は、ここ数年でより広くポジティブに受け入れられるようになった。しかし、同時に、環境に配慮しているように見えて、実際にはそうではない「グリーンウォッシュ」という言葉も出回るほど、それらがお手軽なイメージアップに利用されてしまっているケースもある。

そんな中で、本当に信頼できるクリーンなブランドを知り、長く付き合うことは、私たち消費者ができる大切なアクションであるとニコラス氏は言う。 
「最近でも、温暖化による気候変動で山火事が世界中で発生したり、氷河の氷が消えてしまったりと、目に見える環境問題が私達のすぐそこで起きています。だから素材がクリーンであるとか、緑の環境に配慮するのももちろん大事なのですが、僕はそれよりももう一歩先の“ブルービューティー”という考え方を提唱したいと思っています」

 

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ラ ブーシュ ルージュ ファウンダー/クリエイティブ・ディレクター ニコラス・ジュルリエ氏。photo by Ezra Petronio

“ブルービューティー”とは、WWFが提唱する、美しさに関わる製品やそのパッケージが海洋生物に与える影響や、水の浪費、海へのダメージを最小限に抑えることに焦点を当てた考え方のこと。
「例えば商品を入れる袋であったとしても、環境に害を及ぼさない素材でできていたり、とにかく細部に至るまで、ものづくりのゼロからすべてが自分たち人間にとっても、地球に対しても良いということが大事ですね。地球を小さな村に例えて、その中で互いが一緒に生活をしていける……それを推進する活動を続けていきたいと考えています」 

「人間の家である地球を破壊するプロダクトがラグジュアリーだとは考えていません」と話すニコラス氏。彼の考える未来のラグジュアリーとはどういったものなのだろうか?

「大切なポイントとしては、皆さんにラ ブーシュ ルージュというブランドを、ひとつのアートギャラリーのような存在として考えてもらいたいということです。僕はこの『ラ ブーシュ ルージュ』というギャラリーを運営していて、いろんなアーティストや職人の方を招いて、メイクアップという分野の作品を発表してもらっているという考え方です。ラ ブーシュ ルージュが、そんな風に、今までの既成概念にとらわれない新たな形でのメイクアップの楽しみ方をシェアできて、しかもそれがサステイナブルだということ。そこから立ち現れる品性や上質さが、未来のラグジュアリーなのだと考えています。

メイクアップに限りませんが、“ラグジュアリーさ”というものが不必要な形で過剰に演出されるようなことからは、もう卒業する時代だと思っています」

text:Kaoru Tateishi

ラ ブーシュ ルージュ 伊勢丹新宿店
https://www.laboucherougeparis.com/
03-6380-6776

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