4月21日(現地時間)に、自宅で死去した歌手のプリンス(57)。1978年のデビュー以来、全世界で1億2千枚以上のCD売り上げを誇る大スターの急すぎる死に、ファンだけでなく、彼の音楽を愛した多くのセレブたちから悲しみの声が挙がっている。
Photo: Instagram (prince)
プリンスは、1958年にアメリカ・ミネソタ州で、ジャズ演奏家の父と歌手の母の間に誕生。両親の影響もあり、幼い頃から音楽をこよなく愛していたという彼。中学校時代に友人や従兄弟らと組んだバンド「94EAST」で活動していた彼の才能は瞬く間に世間に知れ渡ることとなり、19歳という若さでは異例の超高額契約金でメジャーレーベルとの契約が決まる。
デビューして間もない、1980年のプリンス。Photo: Getty Images
1978年に発表した『フォー・ユー』でメジャーデビュー、その翌年にはセカンドアルバム『プリンス』を立て続けに発表。同アルバムに収録されたシングル『アイ・ワナ・ビー・ユア・ラヴァー』が米シングルチャート11位まで上り詰め、トップ・アーティストの仲間入りを果たすことに。
そんな彼の代表曲と言えば、自身の自伝映画化のサウンドトラックとして発表した『パープル・レイン』(1984)。発売第一週目にして売り上げ100万枚を突破し、24週もの間、ビルボードチャートのトップに君臨し続けるという大記録を達成。さらに同名の映画も年間11位の大ヒットとなり、その年のアカデミー賞歌曲・編曲賞を受賞した。
プリンスの急逝を受けてCNNが作成した、プリンスのヒットソングメドレー。
Photo: Instagram (prince)
7度ものグラミー賞受賞を誇る彼の最大の特徴と言われているのが、ロックというひとつの枠にとらわれず、ファンク、ソウル、ブルース、ゴスペル、ディスコなど、ありとあらゆるエッセンスを織り交ぜて新しい音楽を創造する類まれなる才能。多くの著名人らが「天才」と口を揃える彼の音楽に影響を受けたアーティストは、数知れず。急死が報道された直後から、悲しむ追悼メッセージが後を絶たない。
メッセージを送ったひとりは、米大統領のバラク・オバマ。自身のFacebookで「今日、世界は創造のアイコンを失った。(妻)ミシェルと僕は世界中のファンたちとともに、プリンスの急すぎる死を嘆いています。彼は、音楽に深い影響を与え、多くの人の心を捕らえた、数少ないアーティストのひとりでした」というメッセージを発信し、偉大なるスターの死を惜しんだ。
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プリンスと同級生で、ともに80年代の音楽シーンを賑わせた歌手のマドンナは、プリンスとのツーショットを公開。さらに、「彼は、世界を変えたわ! 間違いなく、先見の明のある人だった。大きすぎる損失。悲しみに暮れています」とコメントした。
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プリンスの大先輩にあたるローリング・ストーンズのボーカル、ミック・ジャガーも、インスタグラムで声明を発表。「プリンスの死を受けて、とても悲しんでいます。プリンスは革命的なアーティストで、優れたミュージシャン&作曲家、独創的な作詞家、そして、驚がく的なテクニックを持つギタリストだった。彼の才能は、留まることを知らない。過去30年で最もユニークで、刺激的なアーティストだったであろう」と、彼の才能を褒め称えた。
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アメリカで国民的人気を誇るコメディアンのエレン・ディジェネレスは、プリンスとの共演時の写真を公開し、「番組のコマーシャル休憩時間は、プリンスの曲ばかり流していたわ。彼の音楽、そして彼を愛していた」とコメント。
Photo: Instagram (officialspikelee)
プリンスから依頼され、シングル『Money Don't Matter 2 Night』のショートフィルムを監督したこともある映画監督で俳優のスパイク・リー。プリンスを“兄弟”と呼ぶほど仲の良い彼は、「兄弟がいなくなってしまって、寂しい。プリンスはずば抜けた笑いのセンスの持ち主で、面白いやつだった」と、彼の内面に触れた。
そのほかにも、ニック・ジョナス、ケイティ・ペリー、ジャスティン・ティンバーレイク、ウーピー・ゴールドバーグ、ブレイク・シェルトン、カーラ・デルヴィーニュ、ブリトニー・スピアーズ、サルマ・ハエック、アッシャー、アン・ハサウェイなど、そうそうたるアーティスト&セレブたちが追悼メッセージを発信。この日のSNSでは、プリンスへの愛で溢れかえった。その偉大なる存在と音楽は永遠に、人々の心に残り続けるであろう。