俳優で活動家のアンジェリーナ・ジョリー(47)が2023年5月17日(現地時間)、自身のInstagramで新たなファッションのプロジェクト「アトリエ・ジョリー」を立ち上げることを発表。モード界やビジネス界など、世界中で反響を呼んでいる。
俳優で活動家のアンジェリーナ・ジョリー(47)が2023年5月17日(現地時間)、自身のInstagramで新たなファッションのプロジェクト「アトリエ・ジョリー」を立ち上げることを発表した。
「アトリエ・ジョリー」は、「誰もが創造できる」クリエイティブな集団だとし、アートディレクター、ピーター・マイルズがデザインしたロゴを投稿したアンジェリーナ。「世界中の熟練したテーラーやパターンメイカー、職人などの多様なファミリーとコラボレーションするためのクリエイティブな場所になる」と綴った。
さらに、このブランドは「長年一緒に仕事をしてきた多くのテーラーやメーカーへの感謝と深い尊敬の念と、再利用できる高品質なヴィンテージ素材やデッドストック素材を活用したいという願い、そして、自己表現を育むムーブメントの一翼を担いたいという思いから生まれたもの」だと説明。
「皆さんと一緒に育てていけることを楽しみにしています」と結んだ、このアンジェリーナの投稿に、いいね!が殺到。俳優ミシェル・ファイファー(65)やプリヤンカー・チョープラー(40)らが、拍手の絵文字などで反応している。
Instagramには「アトリエ・ジョリー」の公式アカウントも登場しており、「消費者が新進デザイナーや職人たちにアクセスできるよう、ファッション業界を民主化するために努力する人々の仲間に加わりたい」とロゴの画像とともに投稿。
このブランドは一人のデザイナーがクリエイティブ・コントロールをするのではなく、職人たちと消費者を繋ぐ役割を果たすような、新しいモデルであるとの説明がなされた。
また、「個人の創造性と目的を体現するオンリーワンの作品を作るために、衣料メーカーを探したり、厳選されたデッドストックやヴィンテージ素材を活用したりする包括的なオンラインリソースも用意する」と発表している。
そして「アトリエ・ジョリー」のウェブサイトには、ブランド立ち上げについて、「創始者アンジェリーナ・ジョリー」からのメッセージを掲載。
「社会経済的な背景に関係なく、創造性とインスピレーションのコミュニティを作りたいと考えている」とし、クリエイションのプロセスに関わる、さまざまな人々にスポットライトを当てるつもりだと表明。「難民や、才能がありながら評価されていないグループのための見習い制度を含め、スキルに応じた尊厳のあるポジションで、多様なチームを結集していく」と、難民支援の一環であることも明らかにした。
さらに「世界の職人やクリエイターと協力することで、彼らの文化遺産の豊かさを共有し、ビジネスの発展をサポートすることを望んでいる」と付け加えている。
また先述のウェブサイトの声明では、「自分のクローゼットから復活させたいものを修理したり、アップサイクルしたり、完璧にフィットさせて、眠っていたアイテムに新しい命を吹き込み、意味深い家宝となるような服を作ることができる」ともあり、サステイナビリティに注力したプロジェクトであることもふれられている。
米誌『People』がある関係者に取材したところによると、この試みは「何年も前から考えていた」ことで、アンジェリーナは「めったに評価されることのない、洋服や生地などの作り手たちを尊重し、前面に押し出すことにフォーカスしたいと考えている」という。
また「職人技と品質に焦点をあてながら、廃棄物を減らすことに繋がる場を作る」ことは、普段からレッドカーペットなどで有名デザイナーのドレスを着用する機会の多いアンジェリーナにとって、重要な取り組みであると付け加えた。
「廃棄物を減らし、世代を超えて受け継がれる服を」というミッションは、アンジェリーナの家族がこれまでにも行ってきたこと。2021年、マーベル映画『エターナルズ』のプレミアで、長女ザハラ(18)が2014年のアカデミー賞でアンジェリーナが着用したエリー・サーブのドレス姿で登場。
また同作の別のプレミアで、元夫ブラッド・ピット(59)との娘シャイロ(16)が、母親のクローゼットで見つけたという2019-20秋冬コレクションのディオールのドレスを着用。これは2019年にLAで行われたディズニー映画『マレフィセント2』の記者会見でアンジェリーナが着用したドレスを、ミニ丈にリデザインしたものだという。
俳優、映画監督としての活躍はもちろん、UNHCR特使として約20年、難民支援や人権活動に取り組んできたことで知られるアンジェリーナ。今回、ファッションの分野での新しい試みに世界中が関心を寄せており、彼女のアイデアをメディアも称賛。
米誌『W』は、営利目的でセレブリティが自分の名前をつけたブランドを世に出すことは珍しいことではないが、「アトリエ・ジョリー」はお金のためというよりは、情熱的なプロジェクトであるように思えると見解を述べている。
2022年12月、国連特使の職を退く際の声明で、難民や現地の団体と直接関わることで「これまでとは違う働き方をする」時が来たと感じていると語っていたアンジェリーナ。
気になるブランドの始動は、今年秋を予定しているとのこと。「詳細は近日中に」という「アトリエ・ジョリー」のInstagramとウェブサイトの更新を楽しみに待ちたい。