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この本は著者のアンドリュー・ロウニー氏が4年間にわたる綿密な調査、情報公開請求、数百のインタビューに基づき、アンドリュー王子の「崇高な野望、富への渇望、快楽主義的な生活」を明らかにしたもの。
著者は執筆にあたり、王子と元妻サラの学校の同級生やヨーク公爵家の職員、関係者など、3,000人以上に連絡をとり、そのうち300人が「ほとんどは匿名」で取材に応じたという。
「ヨーク公爵家の盛衰」と題されたこの本で、メディアの関心を最も集めているのは、未成年者の性的人身取引の罪で起訴され、裁判を待つ間に拘置所で命を絶ったとされるジェフリー・エプスタイン元被告(享年66)とアンドルー王子の関係だ。
英高級紙『The Times』は、「“ガラガラヘビ”ことエプスタインは、アンドリュー王子の“最も親密な秘密”を海外の諜報機関に売った」という本の中の記述を紹介し、「懸念すべき深刻な主張」だと報じている。
2025年8月7日(現地時間)、著者は『Daily Mail』のYouTubeチャンネル番組『Palace Confidential』で独占インタビューに応じ、その件について語った。
著者は「エプスタイン元被告は女性を提供し、それを利用して人々を脅迫していた」と述べ、そんな彼にとって「性欲過剰」なアンドリュー王子は「都合のよい馬鹿で格好の標的」だったと主張。
残念ながら王子はエプスタイン元被告だけでなく、他でも同様の手口に引っかかってきたが、「とても愚かなので、自分がどれだけ愚かであるかにも気づいていない」と断言した。
1986年7月、アンドリュー王子とサラ・ファーガソン。バッキンガム宮殿のバルコニーで Photo:Getty Images
『Daily Mail』によれば、エプスタイン元被告はかつて、アンドリュー王子について、「私たちは2人とも常習的なセックス依存症だ。私よりも女性に執着しているのは、今まで出会った中で彼だけだ」と発言していたという。
2017年6月、ロイヤルアスコットで。アンドリュー王子はエリザベス女王の一番のお気に入りだったと言われている Photo:Getty Images
著者はインタビューで、王子が「エプスタイン元被告と関わる前からずっと性依存症だったようだ」と語り、こう続けた。「彼は学校でも“ランディ・アンディ”(好色なアンディ)と呼ばれていました。明らかに性欲が強かったのです。彼が関係を持った女性の数については1,000人とも3,000人とも、いろいろな数字を聞かされました」。
1984年4月、米カリフォルニアで撮影されたアンドリュー王子 Photo:Getty Images
『Daily Mail』によれば、独身時代は“プレイボーイ王子”と報じられ、数多くのセレブとのロマンスが噂されていたというアンドリュー王子。著者はさらに、「ハンサムだし、王子なので、女性たちは彼に夢中だった。(女性たちにとって)関係を持ったことを自慢できる存在で、彼もそのことを利用していた」「王子は自分をセックスの神様とみなしていた」などと付け加えたという。
また著者は、アンドリュー王子が元妻サラに対して何度も不貞を働いたと考えているが、一方でサラもそうだったと発言。「2人とも結婚後かなり早い段階で、不倫関係にあったという疑惑がある」と明かしたそう。
英紙『The Mirror』によれば、本の中にはヨーク公爵家の元運転手が、王子は「結婚1周年を迎える前に12人以上と寝ていた」と話したという記述もあるそうだ。
1975年9月、スコットランドのイベントでキャッチされたアンドリュー王子と兄チャールズ国王 Photo:Getty Images
英紙『The Telegraph』が報じたところによると、「アンドリュー王子に近い情報筋によると、彼が初めて性行為を行ったのは11歳」「13歳の時にはすでに6人以上と寝ていた」とも書かれているという。
2006年6月、タイで記念式典の会場に到着したルクセンブルク大公とアンドリュー王子 Photo:Getty Images
さらに英紙『London Evening Standard』は、アンドリュー王子が2006年にタイ国王の即位60周年記念式典に出席した際、「バンコクのホテルの部屋に40人以上の女性が呼ばれた」という、ある特派員の驚くべき証言を取り上げた。
もうひとつこの本で大きな話題を呼んだのは、アンドルー王子とサセックス公爵夫妻ことヘンリー王子(40)とメーガン妃(44)の関係。英紙『The Guardian』が報じたところによれば、2013年の家族の集まりでアンドリュー王子は甥のヘンリー王子と激しい口論となり、アンドリュー王子が「鼻血を出した」と複数の人が証言しているという。
さらにアンドリュー王子がヘンリー王子に対し、メーガン妃との結婚生活について侮辱的な発言をしたという疑惑もあったそうだが、サセックス公爵夫妻の広報担当者は、2人の間に「物理的な喧嘩は一切なく、アンドリュー王子がヘンリー王子に、サセックス公爵夫人について言ったとされるような発言をしたことは一度もありません」と否定したとか。
2011年6月、ガーター勲章の式典でのアンドリュー王子と甥のウィリアム皇太子 Photo:Getty Images
先述の『Daily Mail』のインタビューで、著者はアンドリュー王子が王室の公務に復帰する道はもはやないと見ているとコメント。ウィリアム皇太子(43)はアンドリュー王子を“王室のお荷物”だと見ていると話し、「ウィリアム皇太子が権力を握れば、王子はおしまいだ」と断言。
同紙によると、たびたび論じられてきたアンドリュー王子の称号を剥奪すべきかどうかという問題で、世論はまた盛り上がっているようだ。