英誌『TATLER』によると、500年以上の歴史を持つグローヴナー家の長男で、実業家のヒューは、2016年に父親が急逝後、25歳で爵位と資産を相続し、ウェストミンスター公爵に。以来、「英国で最も結婚したい独身男性」として注目を集めてきた。
英紙『The Sunday Times』の「リッチリスト2024」によれば、総資産101億2,700万ポンド(約2兆円)と、王族よりはるかに裕福な大富豪で、英国内の40歳以下では最もリッチ、英国全体でも14番目に裕福な人物である。
『TATLER』によると、グローヴナー家はヴィクトリア女王の治世以来、王室と密接な関係があり、ヒューはチャールズ国王(75)の名付け子で、母親はウィリアム皇太子のゴッドマザー。
また、ウィリアム皇太子とヘンリー王子(39)の生涯の友人で、それぞれの長男ジョージ王子(10)、アーチー王子(5)の名付け親だと、『BBC』が伝えている。
そんな王室との縁の深いウェストミンスター公爵が結婚するとあって、英メディアの関心もロイヤルウェディング級! 英紙『The Times』は「ロイヤルウェディングではない結婚式で、今年最もロイヤルな結婚式」と表現した。
ヒューは正午から始まる式の約45分前に、ダークグリーンのランドローバー・ディフェンダーでチェスター大聖堂に到着。その後、ヒューの母親、3人の姉妹とグローヴナー家のメンバーが勢揃いし、一家は歓声と拍手で迎えられたという。
新婦は優美なウェディングドレスに身を包み、ヴィンテージのベントレーで教会に到着。この日は強風だったが、父親とともに大聖堂に入場する際、約2mの見事なトレーンとロングベールが舞うようになびく様子がドラマティックで、観衆からため息が漏れたとか。
式ではウィリアム皇太子がアッシャー(案内役)を務めたほか、エリザベス女王(享年96)の孫でアンドルー王子(64)の次女ユージェニー王女(34)がサプライズ出席したことも話題に。
約1時間の式の後、晴れてウェストミンスター公爵夫妻となったヒューとオリヴィアは、美しい花のアーチをくぐって大聖堂の前に登場。幸せそうに満面の笑みを浮かべ、集まった人々に手を振って挨拶をした後、甘いキスで愛を誓った。
『BBC』によると、花嫁はロンドン拠点のブライダルデザイナー、エマ・ヴィクトリア・ペインがデザインしたアイボリーのシルククレープサテンドレスとウォーターフォールベールを着用。
ベールには、オリヴィアのイニシャルと結婚式の日付が刺繍されており、1880年頃、彼女の曽祖母が使っていたベールの花模様と縁取りが取り入れられているという。
エフォートレスでありながら、息をのむほど美しいオリヴィアのドレススタイルはネット上で大絶賛!
しかし、目立たないところに取り入れられることが多い“サムシングブルー”に、シルヴィア・ラーゴの大きなリボン付きベルベットパンプスを選んだことが、予想外だという声もあったようだ。
英国内で、結婚式前から注目を集めていたというティアラは、マートルの葉をデザインしたヴィンテージの「マートルリーフ・ティアラ」を選択。
これはかつてロシア王室御用達だった宝石商ファベルジェがグローヴナー家の花嫁のために作ったもので、1906年以来、一家で使用されており、ヒューの姉レディ・タマラも2004年の結婚式で着用したそう。
英誌『HELLO!』によると、ブーケはアイリス(アヤメ)、バラ、クレマチス、スイートピーなど、11種類の花で作られたもので、すべてグローヴナー家の別荘であるイートン・ホールの庭から摘んできたという。
結婚式の後、ゲストはミニバスでイートン・ホールに移動し、披露宴に出席。チェスター市郊外にあるイートン・ホールは1400年代から先祖代々、グローヴナー家の邸宅として使用されており、庭園、公園、農地、森林に囲まれたイートン・エステートの敷地はなんと1万エーカー以上とのこと。
現在、不動産会社グローヴナー・グループの会長を務めるほか、慈善事業にも注力するヒューはオリヴィアと友人の紹介で知り合ったと伝えられており、2年間の交際の後、イートン・ホールでプロポーズ。2023年4月、まるでスマホで撮ったようなカジュアルなツーショットで婚約を発表し、現代的だと注目を集めた。
『TATLER』によると、キャサリン皇太子妃(42)と同じマールボロ・カレッジの出身のオリヴィアは、ヨーロッパから高品質食材を輸入するBコープ認証の会社Belazuのシニア・アカウント・マネージャーとして働いていたそう。父親は銀行家で、母親は貴族家系なのだとか。
『HELLO!』によると、目立つことを好まず、控えめな人柄で知られるヒューは、ロンドンの最も高級なエリア、メイフェアとベルグレイヴィアにも300エーカーの土地を所有しながら、結婚後はチェスターを拠点にすると発表。ヒューはニューカッスル大学で農場経営を学んでおり、農業のルーツに戻りたいと切望していると報じられている。