スーザン・ボイルに続く感動の嵐!ゴットタレントやXファクターで世界が涙した「奇跡のオーディション」15選

未だに新型コロナウイルスの影響で不安定な日々が続くなか、多くの人の心の支えとなっている「エンターテインメント」。一流アーティストによる美声やダンスはもちろんだが、劣らぬ人気を誇るのが、オーディションのステージで披露される渾身のパフォーマンス。

Photo:Shutterstock/アフロPhoto:Shutterstock/アフロ

オーディション番組から生まれたスターとして特段高い知名度と人気を誇る人物といえば、スーザン・ボイル(59)。一見、垢抜けない女性がその美声で会場をアッと驚かせたオーディション風景は、世界中を感動の渦に包み込み、一大センセーションを巻き起こした。

そんなスーザンを輩出したオーディション番組では、ほかにも奇跡のパフォーマンスが続出! そこで今回は、世界各国で放送された数多くのオーディション番組のなかから、「歴史に残る神回」と名高いパフォーマンスをピックアップ。

Bars and Melodyのチャーリー、レオンドル
(左から)チャーリー、レオンドル。Photo:Getty images

2014年の『ブリテンズ・ゴット・タレント』(略称:BGT)に登場したボーイズユニットのBars and Melody(通称:BAM)は、レオンドル(当時13歳)がいじめられていた過去を歌詞にのせたラップ曲で一世を風靡。見事デビューの夢を果たし、現在も「いじめ反対のメッセージ」を訴え続けている。

デトロイト少年少女合唱団
写真はメンバーの一部。Photo:Getty Images

2019年の『アメリカズ・ゴット・タレント』(略称:AGT)に出場したデトロイト少年少女合唱団は、アメリカで貧困率・犯罪率ともに高い地域といわれる、米ミシガン州デトロイトで生まれ育った少年・少女たちが属する合唱団。パワーとエネルギーに満ちた圧巻のパフォーマンスに、「元気と勇気をもらった」というラブコールが続出した。

他にも、ゲイであることからいじめを受けていた、母親に捨てられたなど、壮絶な過去を持つ出演者たちがステージで輝く瞬間を一挙紹介! 歌やラップだけでなく、パフォーマンス、マジックといったジャンルにも注目を。

いじめられた経験を歌詞にのせて、念願のデビューを果たす:Bars & Melody

Bars and Melodyのチャーリーとレオンドル
(左から)チャーリー、レオンドル。Photo:Getty images

2014年の『ブリテンズ・ゴット・タレント』に登場したBars and Melody(通称:BAM)がステージで披露したのは、トゥイスタ(47)の『Hope』をアレンジした『Hopeful』。

小学生のときにいじめに遭っていたというレオンドル(当時13歳)は、リリックに「神様、どうか助けてください」、「僕が何をしたっていうの?」など、ストレートな気持ちを表現。そんな彼を支えていた友人チャーリー(当時15歳)の「希望を捨てないで」と歌う美声の見事なハーモニーに、多くの人が涙。

決勝進出を意味する「ゴールデンブザー」を勝ち取ったふたりは、間もなくしてデビューすると、イギリスの若者を中心に絶大な人気を集めることに。
2019年には、再び同オーディション番組にゲスト出演しカムバック・ステージを披露! 少年から青年に大きく成長したふたりは、代表曲『Hopeful』と新曲『Waiting For The Sun』を歌い上げ、一流アーティストの風格を見せつけた。

母とふたり、障害の壁を越えてスターの道を歩み始める:コーディ・リー

コーディ・リー
Photo:Getty images

コーディ・リー(24)が母ティナ・リーに手を引かれながら『アメリカズ・ゴット・タレント』のステージに上がったのは、2019年のこと。

審査員から「コーディについて聞かせて」と尋ねられると、「コーディは目が見えません。また、自閉症です」と明かしたティナ。続けて、「彼は幼い頃から音楽が好きでした。しばらくして歌うようになり、その声を聞いたときに私は涙を流しました」と話した。

コーディが選曲したのは、レオン・ラッセル(享年74)の『A Song For You』。自らピアノを弾きながら力強い歌声で歌うコーディの姿に、審査員、観客ともに驚愕の表情。演奏が終わると、会場すべての人からスタンディングオベーションが送られた。
審査員のひとりで、当時、子どもが生まれたばかりのガブリエル・ユニオン(47)は「子育てはやりがいがあるけど、大変な仕事。できることなら、何でも叶えてあげたいと思うでしょう。今夜、わたしからコーディへこれを贈ります」とゴールデンブザーをプッシュ。コーディとティナが泣いて喜ぶ様子に、審査員の目にも涙が。

デトロイト出身の少年・少女が圧巻のステージで魅せる:デトロイト少年少女合唱団

デトロイト少年少女合唱団
写真は、メンバーの一部。Photo:Getty images

2019年の『アメリカズ・ゴット・タレント』を語る上で欠かせないのが、デトロイト少年少女合唱団。犯罪率・貧困率ともに高い、米ミシガン州デトロイトで生まれ育った8歳〜18歳の少年・少女たちが在籍しており、なかには路上で育ったメンバーも。

指揮を取ったのは、教師のアンソニー・ホワイト。ステージでは、「デトロイトには素晴らしい子どもたちがたくさんいます。その事実を知ってほしくてやってきました」と話した。

選曲は、2012年にリリースされたマックルモアー(37)とライアン・ルイス(32)のCan’t Hold Us』。曲が始まると、壮大なコーラスにエネルギッシュなラップとダンスが加わり、鳥肌が立つようなステージで観客を魅了。これには、辛口審査員で知られるサイモン・コーウェル(60)も「優勝の可能性もあるよ」と大絶賛!

審査に入るときに、「ちょっと待った!」とステージ袖から出てきたのが、ミシガン州出身の司会者で、元アメリカンフットボール選手のテリー・クルーズ(52)「子どもたちには、信じてくれる人がたった1人いればいい。それがホワイト先生だ」とゴールデンブザーを押すと、メンバーたちは泣き崩れながら歓喜。

「誰か、僕に愛する人を見つけてくれないか?」。魂の叫びが響き渡る:ブライアン・ジャスティン・クラム

ブライアン・ジャスティン・クラム
Photo:Instagram(@brianjustincrum)

2016年の『アメリカズ・ゴット・タレント』に登場したブライアン・ジャスティン・クラム(32)。母とともに番組にやってきたブライアンは、歌手になる夢やゲイであることを理由にいじめに遭ってきた過去を告白。いじめから逃れるため、叔父の家で新たな生活を始めたいと打ち明けたときも背中を押してくれたという母に、感謝を述べた。

客席で母が見守る中、ブライアンはクイーンの『Somebody To Love』を熱唱。冒頭の「誰か、僕に愛する人を見つけてくれないか?」と美しい裏声で歌い上げると、本家にも劣らぬパワフルな歌声で圧巻のステージを披露。

サイモンは、「君のような素晴らしい才能を発掘するために、この番組があるんだ」とべた褒め。同じく審査員のハイディ・クルム(47)も「あなたをいじめてきた人たちを見返すことができたわね」とコメントし、満場一致の合格を受け取った。

韓国版スーザン・ボイル! 内気な少年がひと晩でスターに:チェ・ソンボン

チェ・ソンボン
Photo:Instagram(@sungbongchoiofficial)

2011年『コリア・ゴット・タレント』に出場し、韓国版のスーザン・ボイルと称された青年がチェ・ソンボン(30)。

3歳のときから孤児院で過ごすも、5歳のときに脱走。その後10年間はホームレスとして暮らしていたという。過酷な少年時代を過ごした彼を救ってくれたのが、歌うことだったと言い、「歌っているときは、自分が他の人になったような気分になれる」と明かした。

選曲したのは、サラ・ブライトマンの『ネッラ・ファンタジア』。美しく伸びる低音ボイスが響き渡るなり、開いた口が塞がらない審査員たち。スーザン同様に、ひと晩でスターダムへと駆け上がった。
その後、チェは2012年に自叙伝『無条件に生きろ、一度きりの人生だから』を出版。2014年には、アルバム『チェ・ソンボン、初めての物語のろま』をリリース。現在もコンサートや講演会など幅広く活動している。

性別も人種も年齢も異なるメンバーが、ひとつの目標に向かう:Voices of Our City Choir

Voices of Our City Choir
Photo:Instagram(@voicesofourcitychoir)

2020年に『アメリカズ・ゴット・タレント』に登場したVoices of Our City Choirは、ホームレス経験者たちによる合唱団。性別も人種も年齢も異なるメンバーがライヴパフォーマンスなどを行いながら補助金を集め、地域の人々をホームレスから脱却させる手助けを行っているそう。

ステフが活動について説明すると、会場からは拍手が起こり、サイモンも「素晴らしいアイデアだね」と絶賛。

団体を仕切るのは、ギタリスト兼歌手のステフ・ジョンソンと、ニナ・レイラニ・ディアリング。ふたりのリードで始まるオリジナル楽曲のパフォーマンスに見入っていた審査員たちだが、車いすに乗った女性のソロパートでは、思わず「ワオ!」と漏らす一幕も。
司会者のテリーが「君たちの活動に感動させられたよ」とゴールデンブザーを押すと、メンバー一同、涙を流してハグ。放送後には、「涙なしに観られない」というコメントが多数寄せられた。

亡くなった友人に捧げるパフォーマンスに、辛口審査員も涙:ジョシュ・ダニエル

ジョシュ・ダニエル
Photo:Instagram(@joshdanieluk)

イギリス・ビリンガム出身のジョシュ・ダニエルが『Xファクター』に参戦したのは、2015年のこと。「あの辛口審査員が泣いた!」と注目されたステージは、「同番組のなかでも最高」と呼び名高い。

披露したのは、ラビリンス(31)の『ジェラス』。選曲理由について、「(失恋ソングである)曲の本来の意味とは違うけど、とても共感したから」とジョシュ。そして「『僕なしでも幸せな君に嫉妬する』という歌詞が、天国にいる親友と一緒にいられない自分と重なるんだ」と語り、数年前に親友を亡くしたことを告白した。

うっとりとするような美声もさることながら、感情がひしひしと伝わってくるエモーショナルなパフォーマンスに、審査員一同もしんみり。曲が終わると、辛口審査員として知られるサイモンの目に涙が。実はこの日は、サイモンの母が亡くなってから初の収録。亡き親友を想って歌ったジョシュの歌声は、サイモンの胸に深く響き渡ったよう。

迫力満点! 多様性豊かなメンバーによる、アクロバティックなステージ:ズーカロ

ズーカロ
Photo:Instagram(@zurcaroh)

8歳~39歳という幅広い年齢層のメンバーで成り立つ、オーストラリアのパフォーマンス集団・ズーカロ。2018年に『アメリカズ・ゴット・タレント』のステージに登場した。

「私たちはプロではありません。未経験者も受け入れ、楽しむことを一番大切にしています」とスピーチするも、いざ始まると、プロさながらのアクロバティックな曲芸が続出。あまりの迫力に、審査員たちも大きく目を見開き、驚きのあまりに腕にしがみつく仕草も!

瞬きする時間も与えないような大技の連続に、観客席からは盛大な歓声と拍手が。ステージ袖から姿を表した司会のタイラ・バンクス(46)が、「あなたたちは本当にクレイジーだわ!」とゴールデンブザーをプッシュ。見事な予選をもはるか上回る、決勝戦のパフォーマンスも見逃さずに!

オーディション番組をきっかけに、家族と再会を果たす:マルセリート・ポモイ

マルセリート・ポモイ
Photo:Getty images

疎遠になった母、刑務所に入ってしまった父を探すために、2011年の『フィリピン・ゴット・タレント』に参加したマルセリート・ポモイ。

彼の特技は、男性と女性の声を自由自在に操りながら歌う「ひとりデュエット」。まるでひとりが歌っているとはにわかに信じがたいパフォーマンスに、審査員たちも目が点状態! 並外れた声域で、会場を大いに沸かせた。

実力が評価されたマルセリートは、家族を探していることを番組で訴えた。すると、決勝戦の観客席には、父と母、そして弟の姿が! その感動の出来事に、テレビの前で涙を流す人が続出したのは言わずもがな。
その後は同番組のアメリカ版にも進出するなど、スーザン・ボイルにも劣らぬ躍進ぶりを発揮。現在も、歌手として活躍し続けている。

壮絶な過去を持ちながら、心やさしく育った青年が『イマジン』を熱唱:エマニュエル・ケリー

エマニュエル・ケリー
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2011年『Xファクター』のオーストラリア版に出場した、エマニュエル・ケリー。彼と弟は、戦争中のイラクで手足が未発達のまま生まれ、母親に捨てられてしまったという壮絶な過去の持ち主。孤児院に引き取られて少年時代を過ごし、里親であるモイラ・ケリーに引き取られ、弟とオーストラリアへ渡ることになったそう。

番組で披露したのは、ジョン・レノン(享年40)の名曲『イマジン』。戦時下に生まれ過酷な少年時代を過ごした彼が、美しい歌声とともに訴えた反戦のメッセージ。パフォーマンスを静かに見守る審査員は、次々と涙を流した。

満場一致のゴールデンブザー! ロックに憑りつかれた天才少女:コートニー・ハドウィン

コートニー・ハドウィン
Photo:Instagram(@courtneyhadwin)

2018年の『アメリカズ・ゴット・タレント』にて、一瞬で会場の空気がガラリと変わる衝撃のパフォーマンスが行われる。そ人物は、当時13歳だったコートニー・ハドウィン。

誰もが見てもわかるほどに緊張した様子のコートニーは、身体をクネらせながら、審査員の質問にもか細い声で短く返答。審査員たちも不安そうな表情を浮かべながら、エールを贈った。

しかし曲が流れると、手足を大きく振ってリズムを取り始めたかと思いきや、ティーンとは思えぬハスキーな低音ボイスで大熱唱! まるでロックに憑りつかれたような豹変ぶりに、審査員たちは目を大きく見開き、「オー・マイ・ゴッド!」「ワオ!!」を連呼。

サイモンは「キラキラした女の子だと思っていたら、ライオンのようじゃないか!」と褒めたたえ、ホーウィー・マンデル(64)も、「伝説のシンガー、ジャニス・ジョプリン(享年27)のようだ」と大絶賛。ゴールデンブザーを見事勝ち取った。

現在16歳になり、歌手活動を行っているコートニー。その歌声はさらに磨きがかかり、インスタグラムのフォロワー数43万人を誇るイットガールに!

「家族を守りたい気持ち」が人生を変える:ウィル・サイ

ウィル・サイ
Photo:Instagram(@willtsai)

2017年の『アメリカズ・ゴット・タレント』に出場し、巧みなコインマジックで会場中を沸かせたウィル・サイ。台湾で生まれ15歳のときに家族で渡米したが、言語の壁があり、思うように仕事に就けなかったという。

「家族を支えるために安い賃金で危ない仕事もしたし、ホームレスになったこともある」。そう語った彼は、家族を守りたいという一心でステージに立つことを決意したそう。

机の上のコインを移動させたり、はたまた目の前で消したりと、奇想天外なマジックを次々と披露し会場中を驚かせたウィル。しかし、その後のインタビューで、このマジックは本番直前に考えられたものだったことが判明! 海外から取り寄せたマジック用品がトラブルで手もとに届かず、本番に間に合わなかったそう。

そんなサプライズエピソード効果もあり、動画は瞬く間に拡散されることに。たった一晩で、世界的マジシャンへと華麗なる変身を遂げた。

夢を諦めなかった歌姫、リベンジ出場で大歓声を浴びる!:アリス・フレドナム

アリス・フレドナム
Photo:Instagram(@alicefredenham)

2013年『ブリテンズ・ゴット・タレント』のステージに登場したアリス・フレドナムは、イギリス版『The Voice』に出演した経験の持ち主。『The Voice』の出演時は家族や友人に声をかけていたというが、散々な結果にひどく落ち込み、自信を無くしてしまったと告白した。

それでも、歌手の夢を諦めきれなかったアリス。「今度は誰にも言わずに、ここへやってきました」と、リベンジオーディションに挑んだ。

選曲は、マイルス・デイヴィス(享年65)の『My Funny Valentine』。緊張しながらはにかむような笑顔を浮かべていた姿はどこへやら、口を開くと、官能的なハスキーボイスで会場を圧倒。難易度が高いと言われる名曲を、見事に歌い上げた。
観客から拍手喝采を浴びると、照れながらも、満面の笑みを浮かべたアリス。しかしサイモンから「オー・マイ・ゴッド! 君のような歌声を待っていたよ。アメイジングだった」と太鼓判を押されると、堪え切れずに号泣。「自分がどれほどうまいかわかっていない」というサイモンの言葉とともに一躍「時の人」となり、メジャーデビューの切符をつかむ。

ジプシー出身の青年が、若手イケメン歌手としてデビューを果たす:ケンジ・ジラク

ケンジ・ジラク
Photo:Instagram(@kendjiofficiel)

2014年のフランス版『The Voice』に出場した、フランス・ペリグー出身のケンジ・ジラク(当時18歳)。カタロニア系ロマの家系に属するジプシー(移動型民族)であったという彼は、それを理由に差別を受けた過去を告白。

オーディションに出場したきっかけは、叔父がインターネットに投稿したケンジの歌声。それを発見した『The Voice』の製作チームから声がかかったとか。
ギターの演奏とともにラッパー・ギムス(34)の代表曲『Bella』を歌い始めると、軽快なリズムに審査員たちはノリノリでダンス。ハリウッドセレブ顔負けのハンサムフェイスと美声が話題を集め、2014年にデビューアルバム『Kendji』をリリースした。

引き込まれるような美声に、涙を流す審査員まで:ジャスミン・エルコック

ジャスミン・エルコック
Photo:YouTube(Britain's Got Talent)

ロンドン出身のジャスミン・エルコック(当時14歳)は、2016年『ブリテンズ・ゴット・タレント』に出場。透き通るような美しい声でシェール(74)の名曲『Believe』を熱唱し、審査員や観客の心を鷲づかみにした。

そんな彼女の声には、まるでマイナスイオンが発生しているかのようなヒーリング感が。心が洗われるような歌声が会場中に響き渡ると、審査員のアリーシャ・ディクソン(41)、司会者のアンソニー・マクパートリン(44)などが、感動のあまりに続々と涙。ゴールデンブザーが押されると、観客一同、納得の表情!

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