『愛の不時着』のチキン然り、深夜メシが止まらない!? 良作の韓国“食”ドラマとモッパン俳優たち

主人公が振る舞う韓国宮廷料理に心奪われた『宮廷女官 チャングムの誓い』や、皆がソルロンタンに夢中になった『華麗なる遺産』など、昔から韓国ドラマと“食”は切り離せない関係。その関係は衰えることなく、かの有名な『愛の不時着』のチキン、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のキンパなど、最新の人気ドラマにも引き継がれている。そして大ヒットの要因には、緻密な脚本はもちろん、実際に食べる“モッパン”俳優たちの功績が大きい! そこで今回はおすすめの食ドラマと、視聴者の食欲をそそるモッパン俳優たちをご紹介。

『愛の不時着』/壮大なロマンスのなかの“癒し”のチキン

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言わずもがなの大ヒット韓ドラ『愛の不時着』に登場したbb.q オリーブチキンカフェのチキン。一躍人気となり、日本店舗にもいっとき長蛇の列が! ヒロイン役のソン・イェジン(40)はじめ、ヒョンビン(39)演じる北朝鮮のエリート将校、リ・ジョンヒョク率いる4人の軍人たちがソウルでおいしそうにチキンを食べるシーンがとにかく印象深い。ドラマ内広告と頭では分かっているものの、それでも食べたくなる理由は、俳優たちの演技力あってこそ!

『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』/超定番……なのにキンパが食べたくて仕方ない!

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韓国をはじめ、世界中に“ウ・ヨンウ”シンドロームを巻き起こした2022年を代表する大ヒット韓ドラ。法廷×ヒューマン作品でありながら、随所にちりばめられた“コミカルさ”に夢中になる人が続出。特に本作と切っても切り離せないのが、ヨンウが常に食していたキンパ! 韓国食の王道中の王道でありながら、ヨンウのアイデンティティとして表現されているために、ヨンウを好きになればなるほど比例してキンパが食べたくなるという不思議な現象が。

『哲仁王后』/オレさまシェフが作り出す現代宮廷料理の数々!

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こちらで紹介している『哲仁王后』にも食のシーンがたんまり。オレさまキャラの料理人チャン・ボンファンが、朝鮮王朝時代にタイムスリップしただけでなく、王后キム・ソヨンの体に入り込んでしまうというフュージョン時代劇。従来にないコミカルな脚本と、シン・ヘソン(33)の圧巻の演技力でドラマは見事大ヒット! 朝鮮時代にない“モッパン”の言葉が飛び交ったり、料理人らしい発想でラーメンを作ったりと、とにかく愉快で深夜メシ欲が止まらない。日本でいうところの「昭和ポップ」なメロディが特徴的なOSTも必聴。

『賢い医師生活』/まさにインセンドラマとして語り継がれるであろう名作

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韓国では特に心に響いたドラマを「インセン(人生)ドラマ」と呼ぶ風潮があるけれど、本作はあらゆる人たちのインセンドラマとして愛されている。医大の同級生5人、通称“99ズ”たちが勤めるユルジェ病院が舞台となるヒューマンドラマ。物語で「食と人生」を表現するのがシン・ウォンホ(47)監督の見せ方ゆえに、99ズたちの食事シーンがとにかく癒し。トッポッキ、キンパ、ククス、サムギョプサルなど、定番の韓国食ながら、見ているだけで食欲がそそられて仕方ない! 特に99ズメンバーのチョン・ミド(40)とチョン・ギョンホ(39)の爽快感ある食べっぷりに注目を。

『サンガプ屋台』/韓国で必ず目にする“屋台”が舞台に

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韓国好きであれば、渡韓時に足を運ぶ人が多い屋台。本作は特殊なお酒を飲ませることで、人の夢のなかに入ることができる屋台の女将ウォルジュが、アルバイトのガンベと相棒のクィ班長とともに、屋台に訪れる客人の恨みを晴らしていくストーリー。ウォルジュとクィ班長の因縁が切なすぎて号泣ものだが、なんと言っても本作の見どころのひとつは“食”シーン。キムチククス、セウマンドゥ、タッカンジョン、ポッサムなど、料理上手なウォルジュが振る舞う料理はどれもクオリティが高い!

『ゴハン行こうよシーズン2』/ユン・ドゥジュンに加え、キャスト陣の食べっぷりが魅力

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韓国“食”ドラマで欠かせない人気シリーズ『ゴハン行こうよ』。全3シーズンでそれぞれヒロインが変わるものの、一貫して主人公はユン・ドゥジュン(33)演じるク・デヨン。保険会社に勤めるサラリーマンの傍ら、食べ物のことであればなんでも知っている超人気グルメブロガーの顔を持つ人物。とにかくデヨンの豪快な食べっぷりが清々しい! 食事シーンをグルメ番組用のカメラで撮影していることもあり、咀嚼音(ASMR)を楽しむモッパン動画のような役割も果たしている。観ると食欲に拍車がかかるため、視聴時間帯によっては要注意……!

『製パン王キム・タック』/真摯にパン作りと向き合うタックの人生に心動かされる

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放送当時、瞬間最高視聴率58.1%を記録した伝説の食ドラマ。ユン・シユン(35)演じる主人公キム・タックの母との別れ、出生の秘密、パン職人としての葛藤、異母兄弟との確執など、2010年台の韓国ドラマ特有のエッセンスをふんだんに盛り込み、老若男女を魅了! 70〜80年代の韓国製パン業界を舞台にしているだけに、大胆なストーリーのなかで、パン作りにおいての見せ方はリアル。毎日パン作りに明け暮れ、おいしいパンが作れたときの溢れんばかりのタックの笑顔。とにかく近所のパン屋に駆け込みたくなること請け合い。

『社内お見合い』/秀逸な見せ方で視聴者を虜にした現代ラブコメ

日本でもNetflix視聴ランキングで長く上位をキープしていた『社内お見合い』。近年「ヒットしにくい」とドラマ制作陣から懸念されてきた王道ラブコメながら、テンポのいい脚本とキャスト陣のユーモア溢れる演技の相乗効果で見事大ヒット! メイン&サブカップルの存在に終始ドキドキさせられっぱなし。キム・セジョン(26)演じる主人公のシン・ハリがチキン店の娘だけに、ハリの友人で令嬢のチン・ヨンソとともにチキンとメクチュ(ビール)で乾杯するシーンが度々登場。一緒に語り合いたくなる!


『酒飲みな都会の女たち』/食欲はもちろん“飲みたい”欲が抑え切れない!

大学生時代からの友人3人組がとにかく飲んで、飲んで、果てしなく飲みまくる様子が映し出された本作。まさに“ザル”であるヒロインたちが、行きつけのお店でカンジャンセウとソジュ(焼酎)や、王道のチキンとメクチュに豪快に手を伸ばし続けるシーンに、食欲が刺激されないはずがなく。とはいえ主人公たちもただの飲兵衛ではない。現代女性の闇や生きづらさを作中でしっかりと描きながら、エンパワメントする要素が随所に表現されており、心に響く演出も多い。ヒューマン要素が強いだけに、食ドラマに興味がない人もハマる可能性大!

『夜食男女』/疲れを癒すための料理を提供する“深夜食堂”

料理好きゆえに劇中の調理シーンを100%自身でこなしたチョン・イル(35)演じるシェフのジンソンが、訪れた人を癒すための料理を提供する深夜食堂“ビストロ”が舞台。ジヨン(28)が演じるのは、仕事に追われ疲れ果てた放送局プロデューサーのアジン。放送当時、彼女のビールの飲みっぷりが韓国のSNSを中心に大きな話題になったほど! それに加えて、韓国料理をアレンジしたジンソンのビストロ料理を口にした瞬間のほっぺたがとろけ落ちそうな表情には、視聴者の食欲指数が頂点に。あさりの酒蒸しや卵麺で作られるククス、ロブスター鍋など、味わいたくなる料理ばかり。


『油っこいロマンス』/2PM ジュノの猛特訓の成果が見られる、スペシャルな中国料理

超高級中国料理店のスターシェフの役作りのために、1ヶ月半以上も料理の猛特訓を行ったという2PM イ・ジュノ(32)。本作は中国料理界の頂点にいたジュノ演じる元スターシェフのソ・プンがオンボロ中国料理店に左遷させられたり、元財閥の娘で今は無一文のタン・セウに振り回されたりする様子をコミカルに描いた王道ラブコメであり、ときめかずにはいられない作品。そしてなにより食欲をここぞとまでに刺激される……! プンが振る舞うジャージャー麺に酢豚、エビチリ、焼売、カニチャーハンなど、全部食べたくなるけれどすべてハイカロリーだけに、深夜視聴はご注意を。


『悪霊狩猟団カウンターズ』/営業は昼の3時間のみ! 知る人ぞ知る“ククス”店

人間に寄生して殺人を教唆し、被害者の魂を喰らう悪霊が蔓延するチュンジン市が舞台。そこでチョ・ビョンギュ(26)演じる主人公のソ・ムンが強靭な身体能力や特殊能力を与えられ、“カウンターズ”の一員となって残酷な悪霊たちを見つけ出し、壮絶な戦いを繰り広げるヒーロードラマ。ファンタジーでありながら、壮大な復讐劇、仲間と家族の絆が描かれており、号泣ポイントが目白押し。物語のなかでカウンターズたちが昼の3時間のみ営業する「姉貴麺屋」が登場するのだけれど、そのククスが「知る人ぞ知る幻のククス」設定だけに、食べたい欲が止まらない! 


『応答せよ』シリーズ/母役イルファの作る料理を前に、心がじんわりと温まる

『賢い医師生活』のシン・ウォンホ監督の名を世に知らしめることとなった代表作で、全3部作の『応答せよ』シリーズ。主人公はすべて異なるものの、父役のソン・ドンイル(58)と母役イ・イルファの(51)は全編に出演するユニークな脚本もまた魅力。そしてウォンホ監督特有の「食と人間模様」は全作で表現されているけれど、そのなかでも『応答せよ1988(原題)』ヒロイン役のGirl's Day ヘリ(28)の度肝を抜かれる食べっぷりが話題に! 「ヨジャドルでここまで豪快に食べられる人はいない」と演技とともに視聴者からは大絶賛。時代背景とリンクするふかし芋を筆頭に、キムチチャーハン、チャプチェ、キンパ、ケランチムなど、素朴だけれどイルファの愛情がたっぷり詰まった料理に心が温まる。


『メロが体質(原題)』/共感ポイントを随所に忍ばせた隠れ名作

邦題『恋愛体質〜30歳になれば大丈夫』の印象から恋愛メインと捉えがちだけれど、ドラマ脚本家ジンジュ、ドキュメンタリー監督ウンジョン、制作会社のマーケティングチーム長ハンジュの同級生3人組を主軸にしたヒューマンドラマであり、隠れ名作としてもおすすめしたい作品。ドラマ内に「おいしく食べて、おいしく愛し合う」というフレーズがある通り、苦悩や挫折の日々を繰り返しながらそれでも愛する人たちと食事する瞬間の美しさと尊さが描かれており、観ていると家族や大切な人とゆっくり食事がしたくなる。『愛の不時着』同様にbb.qオリーブチキンカフェのチキンが登場するものの、PPL広告を逆手に取りあえて脚本として入れ込むなど、コメディとシリアスのバランスが絶妙!


『魔女食堂にいらっしゃい』/「人の願いを叶える料理」、その味は?

相応の対価を払うことで「人の願いを叶えてあげる料理」を売る、魔女のチョ・ヒラが営む“魔女食堂”が舞台。取引の対価として魔女食堂で働くことになるチョン・ジンとアルバイトのイ・ギルヨンを含め、食堂に訪れる人たちの人生にフォーカスしたヒューマンドラマ。全8話とコンパクトながら、満足感はたっぷり。若鶏の水炊き、ククス、よもぎ餅、キムチ豆もやし粥など、1話ごとに映し出される料理がどれも美しい! さらにナム・ジヒョン(27)、チェ・ジョンヒョプ(29)といった今話題の俳優たちが出演しているだけに、韓ドラ好きであればぜひ観ておきたい作品。