【テヤナ・テイラー】大注目のファッションアイコン、アカデミー賞俳優としてタフに輝く。マルチな才能を貫く「自分らしさ」

いま、レッドカーペットで一番の注目を浴びているファッションアイコンこそ、テヤナ・テイラー。王冠をダブルにかぶり鋼のようなボディを誇示したスキャパレリのレースドレスから、燃えるようなフリンジのシャネルのハイウエストスカート、メンズライクなサンローランのスーツまで──今やセレブ界でも貴重になりつつある大胆なスタイルを、堂々と披露している。

いま、レッドカーペットで一番の注目を浴びているファッションアイコンこそ、テヤナ・テイラー。王冠をダブルにかぶり鋼のようなボディを誇示したスキャパレリのレースドレスから、燃えるようなフリンジのシャネルのハイウエストスカート、メンズライクなサンローランのスーツまで──今やセレブ界でも貴重になりつつある大胆なスタイルを、堂々と披露している。

テヤナ・テイラー  Teyana Taylor  Paris Fashion Week - Haute Couture - Spring Summer 2026

January 26, 2026 in Paris, France.  photo:Getty Imges

今冬アワードシーズンで出ずっぱりな理由は、その活躍範囲の広さにある。映画界のアカデミー賞や音楽界のグラミー賞の候補となり、さらにはファッション界のCFDAアワード司会にも抜擢されたのだ。「なんでもできる」と評判のテヤナは、35年の人生で歌手、俳優、さらに振付師、監督、モデル、リアリティショーに至るまで、ありとあらゆる領域で成果をあげてきた。

ビヨンセに認められた10代

テヤナ・テイラー  Teyana Taylor  chanel

December 1, 2025 in New York City.  photo:Getty Imges

1990年ニューヨークのハーレムに生まれ育ったテヤナ・テイラーは、世に出てきたときから「ド派手にやる」パフォーマーだった。2007年、10代のパーティーを特集するテレビ番組で、ストリート風の等身大バービー人形として箱に入って登場し、激しく踊っていき熱狂を巻き起こしたのだ。

陸上や聖歌隊に励むかたわら地元で名の知られたダンサーだったテヤナは、15歳にしてビヨンセにストリートダンスを伝授する振付師になった。ビヨンセから契約のオファーもあったというものの、すでにファレル・ウィリアムスのレーベルに参加を取りつけている「業界の秘蔵っ子」状態だった。

 

テヤナ・テイラー  Teyana Taylor

January 4, 2026 in Santa Monica, California. SAINT LAURENT photo:Getty Imges

大々的に世間を驚かすことになったのは2010年代、あらたに契約したカニエ・ウェスト(現イェ)の「Fade」(2016)ミュージックビデオでのこと。簡素なジムを舞台にひとり踊りつづけ、その圧倒的な存在感と筋肉隆々なダイナマイトボディを強烈に印象づけた。

突如の引退

テヤナ・テイラー  Teyana Taylor  子ども

March 27, 2023 in New York City. photo:Getty Imges

「踊れるモデル」としてランウェイも歩くようになったテヤナだったが、音楽活動では非常に苦労し、2020年、きっぱり引退。そのとき吐露していたのは「ここで死ぬわけにはいかない」という理由だった。

当時の夫であるNFL選手イマン・シャンパートとの間に二人の娘に恵まれていたテヤナ。最初の妊娠が発覚したときは「キャリアが止まっちゃう」と焦ったというが、いざ母親になると、より仕事面の意識がクリアになったのだという。大切な子どもたちを育てるためにも、自分が迷いや怒りを抱えているわけにはいかないのだと。

テヤナの多彩な才能が真に開花したのも、音楽引退後。「Fade」で広まったセクシーなイメージに固定されることを避けるため、私服では体型を隠すストリートスタイルにゴージャスなジュエリーを合わせる装いを選択。コム・デ・ギャルソンやサカイ、メゾンミハラヤスヒロといった日本ブランドを愛用しているようだ。

自身の二つ名「ハーレムの薔薇」を冠したナイキスニーカーをヒットさせ、リアリティショーもやりながら、振付師兼ディレクターとしてココ・ジョーンズやサマー・ウォーカーといったR&B女性アーティストを担当していった。

映画での飛躍

しかし、本人が志したのは映画の道だった。演技経験は少なかったものの「大俳優になってやる」気概だったという。

その夢は、すぐに実を結ぶことになる。黒人女性監督のもと、息子を保護施設から無断で引き取る女性を演じた『サウザンド・アンド・ワン』(2023)が、数々の賞に輝いたのだ。これを観た大物監督ポール・トーマス・アンダーソンは、レオナルド・ディカプリオ主演の新作『ワン・バトル・アフター・アナザー』(2025)にテヤナを抜擢。自分を貫く革命家という大役を与え、絶賛をもたらした。

テヤナ・テイラー  Teyana Taylor

January 14, 2026 in New York City.  photo:Getty Imges

テヤナ・テイラー  Teyana Taylor

83rd Annual Golden Globes /January 11, 2026 in Beverly Hills, California.  photo:Getty Imges

こうして、ゴールデングローブ賞に輝き、アカデミー助演女優賞の有力候補になってみせたテヤナ。俳優としてのキャリアだけ見るとトントン拍子に見えるものの、それも長年の挑戦があったからこそだ。アンダーソン監督によると、テヤナの輝きの原動力とは、ダンサーとしての身体能力とセンス、アーティスト的な即興ゼリフ、そして監督の経験にもとづいた俯瞰的な視点だという。

レッドカーペットでの魅力にしても「踊れるモデル」としてつちかった視線を一気にさらうポージングの妙が大きいだろう。

「待つことは罰じゃない。待ち受けている運命のための準備期間」。これこそ、苦労を重ねながらも自分を貫いてきたテヤナ・テイラーの哲学だ。

引く手あまたな売れっ子となったテヤナの快進撃は、これからも多方面に広がりそうだ。注目プロジェクトは、伝説的歌手ディオンヌ・ワーウィック本人から指名された伝記映画。歌手として復帰を果たしたグラミー候補作『Escape Room』(2025)のミュージカル舞台化の構想もあるという。

なんと、子育てに励みながら、夢だった料理学校にも通いはじめたばかり。芸能界をこえてレストランを開くことになっても、テヤナの持ち味は変わらないだろう。いつなんどきも自分を貫く強さ。その輝きこそ唯一無二なのだ。

【テヤナ・テイラー】大注目のファッションの画像_9

83rd Annual Golden Globes  January 11, 2026 in Beverly Hills, California.  photo:Getty Imges

Netflix出演作『RIP /リップ』のプロモーションのため、米TV番組『ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン』に出演。インタビュー後、ラッキー・デイとの「Hard Part」をパフォーマンス。その際に、英若手デザイナー、マキシミリアン・レイナーのピアノの廃材から作られたガウンをクールに着こなし歌い上げた。

辰己JUNKプロフィール画像
辰己JUNK

セレブリティや音楽、映画、ドラマなど、アメリカのポップカルチャー情報をメディアに多数寄稿。著書に『アメリカン・セレブリティーズ』(スモール出版)