2018年春夏ミラノコレクションのトレンドキーワードとしてまず挙げられるのが、トランスペアレント、テーラリング、カラフルの3つ。いずれも春夏らしいポジティブなムードに溢れ、服を着る楽しさを思い起こさせてくれるコレクションだった。
トレンド1 トランスペアレント
最も多くのブランドで見られたキーワードがトランスペアレント。透け感のある素材のレイヤリングが際立っていた。
特にフェンディはストライプやフラワープリントのオーガンザをレイヤリングした、プレイフルなルックが印象的。一方、マックスマーラは、キャメルのセットアップをオーガンザで仕立てるなど、モダンなアプローチで透明感を表現。そのほか、ピンクのレイヤードがキュートだったN°21、シフォンのドレスが多数登場したブルマリンなど。春夏らしい軽やかさと楽しさを感じさせた。
トレンド2 テーラリング
トランスペアレントと対をなすトレンドが、テーラリング。春夏にも関わらず、職人の技術を感じさせるジャケットやコートが多数登場した。
グッチのファーストルックは、千鳥格子のテーラードジャケット。ただし、背中にはレタード刺繍がほどこされ、アレッサンドロ・ミケーレらしい装飾主義が見られた。プラダもテーラリングが鍵。ブルーや赤の無地の生地にドロップペイントを施したコートやジャケットは、「今すぐ着たい」と物欲をかき立てられるアイテム。今季よりデザイナーが変わったジル・サンダーでも、テーラリングが軸となっていた。
トレンド3 カラフル
また、ずばり「色」をテーマにしたボッテガ・ヴェネタやMSGMのほか、宝探しをテーマにキッチュな色使いが目を引いたマルニや、レインボーカラーのルックが登場するなどいつも以上に色に富んだドルチェ&ガッバーナ、カプリ島でのバカンスをイメージしたカラーリングのトッズなど、色がキーワードとなっていたブランドが多数。
ボッテガ・ヴェネタは着想源となったイギリスのケンドルストンホールの大理石の色をウェアに用い、少しくすんだ色味のセレクトで他ブランドとの違いを見せた。