【奇跡の88年生まれ韓国俳優】パク・ソジュンやキム・スヒョンなど、大ヒット俳優たちの絶対に見逃せない良作4選!

数多の韓国俳優たちのなかでも“黄金世代”と崇められる1988年生まれのスターたち。今回は新作放送&配信を控えているパク・ソジュン、キム・スヒョン、チョン・ヘイン、アン・ボヒョンの4名にフォーカスし、彼らが出演する「名作」4作品を韓ドラマニアのライターとエディターがセレクト! 未視聴の人はぜひリストに加えてほしい。

パク・ソジュン 彼女はキレイだった 人気韓国ドラマ
『彼女はキレイだった』 photo : Aflo
チョン・ヘイン ある春の夜に 韓国ドラマ 隠れ名作
『ある春の夜に』 photo : Aflo
キム・スヒョン ある日〜真実のベール〜 韓国ドラマ
『ある日〜真実のベール』©2021.Chorokbaem Media/The Studio M.all rights reserved

【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。

韓ドラ追っかけ班/エディターK
母の影響により、第1次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界へ足を踏み入れる。「寝不足だけど幸せ」を合言葉に、約20年間あらゆるジャンルの韓流ドラマを観続けている。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。永遠の推しは俳優ソン・ジュンギ。若手俳優の発掘が趣味の領域に。

パク・ソジュン『彼女はキレイだった』/ときめきの仕掛けが随所にちりばめられている!

パク・ソジュン 彼女はキレイだった 人気韓国ドラマ
『彼女はキレイだった』 photo : Aflo

“ラブコメの神”とも“国民のナムサチン(男友達)”とも称される韓国の揺るがない大スター。『ドリーム』『マーベルズ』など映画公開も続々控えているし、ドラマ『京城クリーチャー』も配信予定だし、ワクワクが止まらない日本のペン(ファン)も多いはず。この連載でもそんな彼の主演作は軒並みご紹介してきているのですが、なぜか本作だけ一度も触れたことがなく……(出世作なのに、なぜ? なぜなんだぁ)。

ソジュンが演じるのは、モード誌「ザ・モスト」の副編集長として米本国から派遣されてきたチ・ソンジュン。幼い頃は太っちょで誰からも相手にされなかったソンジュンは、そんな自分にも優しかった幼なじみのキム・ヘジンをずっと思い続けている設定です。で、このヘジン(ファン・ジョンウム)が物語のヒロインなのですが、幼少期は人気者の美少女だったのに、大人になったら残念なビジュアルになってしまったというのがミソ。ヘジンにとってもソンジュンは初恋の相手。二人は再会を約束するのですが、“残念な”自分に気づかず“完璧なイケメン”に成長していたソンジュンを見たヘジンは自分がヘジンと名乗る自信もなく、美人の親友ハリ(コ・ジュニ)に身代わりを頼んじゃうわけです。でもって、容姿のせいでなかなか就職できなかったヘジンがようやく大手企業の管理部に就職するのですが、そこから急遽派遣されたのが、なんとザ・モスト編集部。慣れない仕事であたふたするわ、全身斬新モードの編集長からは「モストらしくない」とビジュアルを責められるわ、仕事に厳しいソンジュンからは冷たくあしらわれるわ、散々なヘジン。そのヘジンの頑張りと巻き返しがめちゃ楽しく、“真のキレイとは?”に迫るテーマもくすぐったくはあるけれど、なかなか。

でもでも、私が最もきゅんとしたのは実は“二番手”問題。ソジュンとジョンウムは前作『キルミーヒールミー』で共演した仲。その時のソジュンがまさに二番手で、彼の叶わぬ切ない思い、本作でついに!と温かく見守りながら視聴したのは私だけではないはずです。ところがです。今度は今度で強力二番手が出現。SUPER JUNIORシウォン扮する同僚記者でちょっと変わり者キャラなのですが、これがめちゃ泣けるというか。私にとっては完全一番手超え。今度は、シウォンの思い叶うドラマをぜひ、と願わずにはいられません(永遠に続く二番手→一番手→二番手連鎖)。ちなみに日本でリメイクされた作品でもありますが、本家本元こそ観てほしいと切に。(さすらいのライター山崎)

パク・ソジュン 彼女はキレイだった 人気韓国ドラマ
『彼女はキレイだった』 photo : Aflo

チョン・ヘイン『ある春の夜に』/大人のロマンスをリアリティたっぷりに

チョン・ヘイン ある春の夜に 韓国ドラマ 隠れ名作
『ある春の夜に』 photo : Aflo

使い古された言葉かもしれませんが、チョン・ヘインという存在を言語化するにあたり、「国民の年下彼氏」の愛称はどうしたって切り離せないんですよね。いやいや、だって確かに心震えましたもの。ソン・イェジン演じるヌナ(お姉さん)に猪突猛進でハートの矢を投げ続けた『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』の子犬演技。まさにイチコロ!となった人も多いはず。まあこの良作はもちろんなのですが、私が個人的にゴリ押ししたいのが『ある春の夜に』のヘインです。

『よくおごって〜』のスタッフが再集結して制作しただけに、確かに類似ポイントも多いんですよ。ハン・ジミン演じる図書館司書のイ・ジョンインがヌナ設定であるとか、大人だから共感できる恋愛の難しさ、もどかしさが随所に描かれている点とか。でもすごくいいのが、ヘイン演じる薬剤師のユ・ジホがシングルファーザーであり、男性視点から見る子育ての苦悩や生きづらさ、社会からの圧力が表現されているところ! 2019年MBC演技大賞 水木ドラマ部門で最優秀演技賞を受賞しただけあり、細部の演出がとってもリアルです。主演ふたりの安心感のある演技のおかげで、「え、これマジラブですか?」と疑っちゃうくらいの本物感。こう言っちゃなんですが、終盤は本気でにやけが止まらないので、自宅で観ることを全力で勧めます。

ジョンインには、倦怠期を通り越しながらなんとな〜くずっと交際している銀行員の彼クォ・ギソク(キム・ジュンハン)がいるんですが、周囲から「結婚しないの?」と圧をかけられながらも、ある日薬局で出会ったジホにどんどん惹かれていくんですね。スヨン高校校長のジョンイン父にとっては、スヨン財団理事長の息子ギソクとの婚姻関係は願ったり叶ったりで、「早く結婚してくれ」状態。そこに新たに登場するのがジホ。まあ父は「絶っ対に許さん」なわけです(親が恋愛の障害になっている点も『よくおごって〜』とクリソツ)。しかしながら、去った元妻の存在、子どもがいることへの負い目など、ジホを縛り付けるものにお構いなしに突進していくジョンイン、あっぱれです。そのやり取りがアグレッシブで観ていて爽快ですし、引き気味のジホが少しずつ自分の心に素直になっていくさまや、のちに訪れる極甘シーンに、もう、もう! ときめきすぎてエンドレスリピート。隠れ名作なのでぜひ視聴リストに加えてほしい。そして今年配信予定の『D.P. -脱走兵追跡官-』シーズン2も待ち遠しすぎてウズウズ!! (エディターK)

チョン・ヘイン ある春の夜に 韓国ドラマ 隠れ名作
『ある春の夜に』 photo : Aflo

キム・スヒョン『ある日〜真実のベール』/繊細な演技に身震いする名作

キム・スヒョン ある日〜真実のベール〜 韓国ドラマ
『ある日〜真実のベール』©2021.Chorokbaem Media/The Studio M.all rights reserved

今年の下半期にはなんとキム・ジウォンと夫婦役で出演する『涙の女王』が放送予定と、歓喜のニュースに沸きました。キム・スヒョンといえば泣きの演技も見事で、過去には「涙のプリンス」なんて愛称もあったくらい、奇跡の88年生まれ俳優として韓国ドラマ界を引っ張る超人的存在。『サイコだけど大丈夫』は、名脇役のオ・ジョンセが自閉スペクトラム症の兄ムン・サンテを演じたことで、想像を遥かに凌駕する号泣案件のドラマに仕上がっていましたね……。そんな良作を続々と生み出すスヒョンが「まだこんな切り札を隠し持っていたのか!」と思うような驚きの進化を見せてくれたのが『ある日〜真実のベール』です。

本作のバディに名俳優チャ・スンウォンを置くといういわゆる神キャスティングもまた成功要因のひとつなわけですが、大学生のヒョンス(スヒョン)が出来心から、流されるように初対面のグクファの誘いに乗り、酒にドラッグ、挙句にワンナイトまで共にしてしまう始末。で、目が覚めた時にはなんと隣でグクファが何者かに殺害されていたんですね。しかもその姿が残酷極まりなく、「一度や二度の刺し傷」なんてレベルではない現場。そりゃあ慌てふためくでしょう。ゲーム(結構やばめの)で使用した血つきのナイフを後先考えずに所持し、急ぎこっそり借りてきた父の個人タクシーで逃亡。まあ捕まりますよね。怪しさ満点ですから。結局殺人事件の容疑者となって逮捕され、頼れるのはなにやら胡散臭そうな三流弁護士のジュンハン(スンウォン)たったひとり。平凡な大学生の日常が瞬時に壊れ、そこから一気に狂い出していくヒョンスの姿に、思わず身震いするんですよ……。

大切なのは「真実」ではなく既成事実を作り上げ、事件を一刻も早く終結させること。こんな刑事や検事に対し、冤罪の物的証拠を差し出せない無力のヒョンスが、どうやって立ち向かえるでしょう? 無罪判定への微かな希望がすべて絶たれ、絶望の淵に佇む姿に心がズキズキと痛んで仕方ない。たった一夜に、ひとつ、ふたつ、みっつと選択を誤り続けた結果を叩きつけられているようで、終始残酷。ヒョンスの変わっていく姿が兎にも角にも生っぽく、画面越しでも十分に伝わってきます。心身の変化を表情、声色、仕草で繊細に見せていく。これを熟知しているのがスヒョンの強みだなと改めて感じる次第です。最後の最後まで重苦しいベールに包み込まれている作品ではありますが、スヒョンの代表作のひとつに躍り出たことは間違いないと感じています。(エディターK)

キム・スヒョン ある日〜真実のベール〜 韓国ドラマ
『ある日〜真実のベール』©2021.Chorokbaem Media/The Studio M.all rights reserved

アン・ボヒョン『カイロス〜運命を変える1分〜』/ミステリー×サスペンスで終始ハラハラドキドキ!

アン・ボヒョン カイロス〜運命を変える1分〜 人気韓国ドラマ
『カイロス~運命を変える1分~』U-NEXTで配信中! ©2020MBC

今、一番誰に会いたい?と聞かれたら、’88年組の中では実は迷わずこの方、アン・ボヒョン。『梨泰院クラス』では視聴者のほとんどを敵に回したに違いない卑劣男グンウォンに扮していましたが、強い親にびくついていたり、好きな女性には強く出られなかったりと意外にも心弱めな部分に、なぜか母性本能をくすぐられてしまう私がいたりするわけでして。でもって『ユミの細胞たち』では恋愛には不器用だけれど心優しいウンにもっていかれ、『マイネーム: 偽りと復讐』では強くて優しいピルトに恋焦がれ、なおかつ『ペク・ジョンウォンの出張料理団』や『青春MT』などのバラエティ番組では周囲をさりげなく気遣う優しさと繊細さに完璧ノックアウト。当然、これから放送予定の『生まれ変わってもよろしく』も演技派シン・ヘソンとのW主演なだけに、もう楽しみでしかないわけです。

そんな話題作続くボヒョンなのですが、意外にも知られていないのが本作。日本でもあまり話題になっていなかったせいか、つい見過ごされがちですが、ボヒョンが出ているというだけでなく、私的には、そのハラハラなサスペンス性も先の読めないミステリー度合いも実はトップクラスと思っており……。建設会社の若き理事キム・ソジン(シン・ソンロク)の小さな娘が誘拐&殺害される事件が発生。美人の妻は傷心のあまり自殺し、絶望の淵に立つソジンの携帯に1本の電話がかかるところからミステリーが展開します。相手は見ず知らずの女性ハン・エリ(イ・セヨン)で、失踪した母を探しているというのですが、実は、このふたりには1ヶ月のタイムラグがあり、ソジンのいる時間はエリにとっては1ヶ月後の未来で、エリのいる時間はソジンにとっては1ヶ月前の過去。しかも、通話ができるのは夜10時33分から1分間だけ。それに気づいたソジンは、1ヶ月前を生きるエリなら娘も妻も助けられるはず!とエリの母を見つける約束を取り交わし、ふたりは事件解決に向かって走り出すという寸法。ほら、これだけでもワクワクしますよね。

でも、あれ、ボヒョンは? そうなんです、ドラマの冒頭、実は彼、ひっそりと存在を消したようにいるのですね。詳しいことはネタバレになるのでこれまでにしておきますが、『梨泰院〜』とも『ユミの〜』とも『マイネーム〜』とも全然違うボヒョンと、トップクラスのクライムクロッシングミステリーをどうか思う存分ご堪能くださいませ。(さすらいのライター山崎)

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