【韓ドラ最新サスペンス】デンジャラスな展開がなぜかクセになる! 大人が沼る“サスペンス”4作品

ホラードラマと同じく、思わず目を覆いたくなるシーンが多発するにもかかわらず、続きを観ずにはいられないものこそ“サスペンス”。韓国ドラマにおいても人気ジャンルであるがゆえに、大人気スペインドラマのリメイク『ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』や、チソンの一人二役の演技が話題となった『アダマス 失われたダイヤ』など、近年数多く制作されているサスペンス作品のなかで、注目しておきたい4作品をご紹介します!

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Netflixシリーズ『ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』独占配信中
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Netflixシリーズ『模範家族』独占配信中
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『アダマス 失われたダイヤ』ディズニープラス スターで独占配信中! © 2022 Disney and related entities

【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。

韓ドラ追っかけ班/エディターK
母の影響により、第1次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界へ足を踏み入れる。「寝不足だけど幸せ」を合言葉に、約19年間あらゆるジャンルの韓流ドラマを観続けている。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。永遠の推しは俳優ソン・ジュンギ。若手俳優の発掘が趣味の領域に。

『ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』/大人気スペインドラマの韓国リメイク版!

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Netflixシリーズ『ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』独占配信中

真っ赤なジャンプスーツに不気味な仮面。“教授”による造幣局を狙った奇抜な巨額強奪計画。押し入る強盗団は訳あり犯罪者8人。ご存じ、大ヒットしたスペインドラマの韓国リメイク版です。日本では苦戦しがちなリメイクものではありますが、韓国はやっぱり上手いなあと改めて思わずにはいられない完成度。とにかく、始まりからして洒落が利いているというか。強盗団のひとり、トーキョー(メンバーは互いを都市名で呼び合う。演じるのはチョン・ジョンソ)のエピソードから始まるのはオリジナル版と一緒。でも人物設定はというと、韓国版のトーキョーはなんと北朝鮮のアーミー! そう、つまりBTSの熱烈なるファンで、しかも軍隊にも入って本当のアーミーになっちゃうという!! 世界に通じる自国のエッセンスをうまく盛り込みつつ思わずクスリとさせるこういうセンス、本当に好き。だからオープニングだけで、一気に引き込まれてしまうというか。

舞台となるのは南北統一を目前にした朝鮮半島で、国同士が自由に行き交う共同経済区域が設けられ、そこには南北統一通貨を製造する統一造幣局なるものが。それに目をつけたのが首謀者の教授(ユ・ジテ)。で、夢を追い除隊してこの区域にやってきたトーキョーは、仲介業者に騙され残ったのは膨大な借金。暴行されかけたヤクザな金融業者を殺害して指名手配犯になり、教授に拾われるという展開。こういうきめ細かな人物設定も韓国らしさ満々で、冷徹キャラのベルリン(パク・ヘス)は北朝鮮の収容所を脱獄した設定だし、天才ハッカーのリオ(イ・ヒョヌ)は医者になるのを強要する父に反抗してのハッカーだし、などなど、だからなのかリメイクの違和感はなく、絶妙なリアル感。もちろん、最大の見どころは、教授率いる強盗団と人質と南北合同警察チームの攻防戦。

完璧と思えた教授の計画は、ほんの些細なところからあれよあれよとほころんでいき、それに思いっきり振り回されちゃう人々のさまが緊迫感がありつつ可笑しみいっぱいでキュート。何度も形勢逆転する教授と交渉人ウジン(キム・ユンジン)の頭脳戦もスリリングだし、予期せぬサランまで。スペイン版のエグみを消したスマート仕立ての韓国版はスピーディであっという間の全6話。オリジナル版とは異なるラストだというシーズン2が待ち遠しくてなりません。(さすらいのライター山崎)

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Netflixシリーズ『ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』独占配信中

『アダマス 失われたダイヤ』/ダイヤモンドの矢=アダマスを巡る心理戦にドキドキ!

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『アダマス 失われたダイヤ』ディズニープラス スターで独占配信中! © 2022 Disney and related entities

今では一人二役という配役自体はもはや珍しくもないですが、制作陣の気概を感じるようなあまりにもナチュラルすぎる演出と、圧巻の演技力で「チソンって本当に双子がいるのでは?」と思わざるを得ない瞬間が多々訪れるんですよ……。父の敵を取るため、仲間を守るため、蔓延る悪を正したいがため。それぞれの闘う目的は異なるものの、物語のすべての原点は“アダマス”にあり。というわけなんです。

チソン演じるのは、22年前に最愛の父を亡くした双子の兄弟ウシンとスヒョン。事件の時効が迫りつつある日、父を殺害した凶器こそ最大手ヘソングループが所持するダイヤモンドの矢“アダマス”だと知ったベストセラー推理小説家のウシン。そこで回顧録の代筆者としてヘソングループの会長クォン・ジェギュの家に入り込み真相を暴こうと奮闘するのですが、ヒステリックな執事に、カオナシ状態のメイドたち、そして会長宅の治安を守るヘソン院保安官なる者たち、そのすべてが怪しい。『イカゲーム』以来ドラマに引っ張りだこのホ・ソンテがいるだけに、敵か?味方か?と序盤から見事にかき乱してくれる! 事件の真相に一歩近づくごとに国家特別捜査部隊や、チームAと呼ばれる謎の人物が現れ、常に振り出しに戻される感覚です。一見無関係に思えたソウル地検特捜4部平検事のスヒョンも、事件当時唯一の目撃者で記者のキム・ソヒとの出会いによってどんどん巻き込まれ、次第に中心核に……。

復讐×サスペンスは昨今の韓国ドラマで主流ですし、本作も物語として十分に楽しめるとは思いつつ、突出した演技力で物語を牽引するチソンの姿。これだけでも観る価値ありあり。と個人的には思います。双子の性格がまるで正反対であれば少しは演じやすかったはず……ですが、「似ているけれどやはり違うよね」な繊細すぎるレベルなんですよ。物の考え方や、怒ったときの感情の剥き出し方、話し方はもちろん違えど、双子だからこその言葉では言い表せない空気感や共通点もある。人間が自然に放つその絶妙な温度感を演技で醸し出せるのは、やはり実力者のチソンだからこそ。同ドラマでウシンとスヒョンが会話するシーンもめちゃくちゃ多く、それがあまりにも自然で驚嘆しますが、特に印象的なのは双子が涙するシーン。同じ場面で異なる感情で泣くというのは、並大抵の演技力ではできないこと。本作でまた俳優として唯一無二の存在感を示したチソンの演技に、ぜひ心を震わせてほしい。(エディターK)

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『模範家族』/ヘビーな展開から終始、目が離せない

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主人公パク・ドンハを演じるのは、スレギオッパ(未視聴の方は『応答せよ1994』をぜひ)ことチョン・ウ。『このエリアのクレイジーX』然り、私的にはちょっぴり情けないけれど、時に周囲が驚くような大胆な言動をする人物を演じさせたらピカイチだと思う次第ですが、いかがでしょう? 序盤はとにかくドンハのダメっぷりが如実に表現されています。「教授になるなる詐欺」で長きにわたり大学非常勤講師として働きながら、金勘定が甘く、心臓移植が必要な息子の治療費にまで手をつけてついに“コネ”で教授になれるかと思いきや、それも不発。この無能っぷりに当然の如く妻からは見放され離婚寸前。そんな4人家族の父親が出来心(とはいえないレベルですが)で、現金5億ウォン、日本円にして約5,000万円を盗んでしまうわけなんですが、なんとその怪しすぎるお金は麻薬組織のものだったと、超ヘビーな展開がドドドドンと押し寄せるんですよね、ワーオ。1話から胃もたれ要注意!!!

なぜそんなドンくさそうなドンハが大金を盗めたのか?を申しますと、帰路にふと感傷的になり、誰もいない田舎道で車を停めて沈みまくっていたそのとき、ある一台の車が急に停まったんですよ。そしてまったく動かない。不思議に思ったドンハが近づいてみると、車のなかには男性ふたりの死体と多額の現金が転がっていると。最初こそ悲鳴をあげたドンハでしたが、人は追い詰められるとなにをしでかすかわかりませんね。倫理的におかしさ満点ながら、彼らを運び出し自宅の庭に埋め、現金を盗んだというわけです。しかしながらやり手の麻薬組織にバレるのは秒で、以後ドンハの想像を絶する恐怖体験が待っており、最初から最後までドンパチが繰り広げられるために、血と死闘が苦手な方にはとてもおすすめできない……がしかし、ドラマにとにかく刺激を求めている方はきっと満足できる演出がてんこ盛りかと思います。

ドンハの運命の鍵を握るのは『マイネーム』でもお馴染みのパク・ヒスン演じる麻薬組織No.2のマ・グァンチョル。バラエティで見せる姿が嘘のように悪役が似合うヒスンですが、本作でも度肝を抜かれる冷徹っぷりに観ているこちらも冷や汗たらったら。組織内の確執や裏切りにビクビクさせられ、ドンハの間抜け行動にハラハラさせられ、息つく暇もない! 本作の唯一の癒しは心優しく賢いドンハの息子ヒョヌの存在のみという……。続編を思わせる終わり方だったために、シーズン2の行方に関してもあわせて注目しておきたい!(エディターK)

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Netflixシリーズ『模範家族』独占配信中

『悪魔判事』/真の正義とは?悪とは?を深く考えさせられる法廷×サスペンス

謎の疫病流行後のディストピア化した近未来の韓国を舞台にした法廷ドラマ。だから、荒唐無稽。法廷で繰り広げられるのは有罪か無罪かをアプリで国民投票する参加型ライブショー裁判だし、鞭打ちの刑なんていう前時代的な刑罰が賛成多数で下されちゃうし、大統領は「世界一強い国になるんだぜぇぇ〜」なんて叫びまくっちゃう元俳優のユーチューバーだし、で、国を独裁しようと企む権力者一派は滑稽なほどにゲス野郎ばかりだし。なのにです、これがなぜかリアル。

下品極まりない人の欲望とか、ターゲットをこぞって個人攻撃しちゃう自覚なき悪意の集団心理とか、笑いごとじゃあないぞ的な切実感があるわけなのです。脚本のムン・ユソク作家は実際に判事として法廷に立っていた人。だから、きっと誰よりも多く、人の“悪”と対峙してきているだろうし、だからこそ、危機に陥った時の人々の本質をよりリアルに想像できてしまうのかもしれません。そのムン・ユソクと知人だったという演技派チソンが演じるヨハンがドラマの主人公。法廷ライブショーの裁判長なのですが、最愛の兄を火事で亡くした過去があり、ゲスな権力者たちがその事件に絡んでいるという因縁が。ということで、ヨハンは証拠捏造するなどあらゆる手段で、醜悪な権力者たちを断罪していくという、つまりは悪を持って悪を制していくダークヒーローなわけです。となると、痛快復讐劇かと思いきや、そう単純に終わらないのがこのドラマ。

そのキーパーソンとなるのが、最近、めきめきと俳優づいているGOT7のジニョン演じるガオンで、ヨハンの傍らで判事を務めているのだけれど、実は親代わりの教授からヨハンを監視するよう言われているという背景が。正義感が強く心優しいガオンなのですが、過去のトラウマから悪を憎む思いも強く、ヨハンを知るほどに彼が悪魔なのか、本当の正義なのか翻弄されていくわけなのですね。特に、後半からの次々と襲い掛かる思いもよらない展開にもみくちゃにされていくガオンが痛々しくて切なくてハラハラが止まらなくなるという。ヨハンを疑いつつも信頼し、信頼しつつも裏切られ、でも……という関係性がメチャクチャ熱く! 荒唐無稽な復讐劇に情緒的奥深さをもたらすブロマンス。甘々ジニョンの本気泣きの演技も胸きゅん必至です。(さすらいのライター山崎)

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