“こわ面白い!?” コメディタッチの『聖夜の惨劇 ニッセやりすぎる』をはじめ、配信サイトで観られる話題のおすすめホラー作品を厳選!

ホラー×コメディタッチの描写で視聴者の心を掴む『聖夜の惨劇 ニッセやりすぎる』を筆頭に、注目のホラー作品が続々とサブスクリプションで配信! その中から、視聴必至作品を大のホラー好きである人間食べ食べカエル氏が厳選して紹介。刺激を求める人を満足させる(!?)話題作をお見逃しなく。

【デス・ボウリング 真夜中の惨劇】殺るか殺られるか系ホラーが好きな人必見! 血みどろのボウリングバトルホラー!!

ホラーマニアがおすすめするタイホラー映画『デス・ボウリング 真夜中の惨劇』
『デス・ボウリング 真夜中の惨劇』U-NEXT、Prime Video、Huluなどで視聴可能。

限定空間での殺し合い映画に新たな快作が誕生! 深夜のボウリング場に現れたカルト集団が客をブチ殺しまくり! 生き残りの父娘が決死の戦いを挑む! この設定だけでワクワクする。ド直球のサバイバルホラーだ。余計な枝葉は極力カット。最低限、お膳立てをしたら早速惨劇が始まる。このテンポの良さが素晴らしい。
ボウリング場を存分に活かしたバトルシーンも必見だ。レーンに倒れた相手にボールを思いっきり転がす、ボールを普通にぶん投げるなど、主にボウリングボールを使い倒した攻撃の数々がとにかく楽しい。グロ描写はこの手の作品にしては少々マイルドだが、出血量は文句なし。鮮烈な色彩の画面に鮮血が映える。ドラマ性は皆無に近いが、そこは重要ではない。どれだけ盛大に戦ってくれるか。これが大事だが、その点本作はこちらが見たいものをしっかりと見せてくれた。

そこまで予算がかかっているわけではないし、劇場公開するようなものでもないと思うが、このままひっそりと配信されたまま埋もれてしまうのは勿体ない。『デス・ボウリング』という物騒なタイトルを聞いてこちらが期待するものを100点満点で不足なく見せてくれる。スティーブン・ラング主演の『VETERAN ヴェテラン』が好きな人にもおすすめだ。

【聖夜の惨劇 ニッセやりすぎる】グレムリンフォロワーに新たな仲間が誕生! ハートフルで容赦ないクリスマスホラー!

ホラーマニアがおすすめするタイホラー映画『聖夜の惨劇 ニッセやりすぎる』
『聖夜の惨劇 ニッセやりすぎる』U-NEXT、Prime Video、Apple TV+などで視聴可能。

『グレムリン』が後世に与えた影響は大きい。あれ以降、チャーミングだけれど若干グロテスクで、非常に凶暴なモンスターが暴れる映画がたくさん作られてきた。中でも『クリッター』シリーズは亜流『グレムリン』の代表格だろう。その系譜は途絶えることなく今でも細々と続いており、2010年代以降も『クランプス 魔物の儀式』のような作品が生み出されている。そして今回紹介する本作もその系統に連なる一作だ。ここで出てくるのは小さなおっさんの姿をした妖精。フィンランドではニッセと呼ばれる存在だ。彼らは人間と友好的な関係を築くことができるが、それにはいくつかの約束事を守らないといけない。それを破ると……『グレムリン』まんまだな!!!

クリスマスムービーらしいハートフルさと家族ドラマをきっちり抑え、妖精との平和交流パートも盛り込みつつ、後半では家族が約束を破りまくって妖精がブチ切れるお約束の展開へとなだれ込む。妖精に襲われ始めてからは激しい攻防が続き、普通に死人も出る。後半の一軒家を舞台にした籠城戦はかなり見応えあり。身近にあるもので即席の武器を作って妖精に反撃するDIY精神あふれる見せ場も楽しい。正しく『グレムリン』を引き継いでいて、観ていて思わずニッコリしてしまう。未だにこういうクリスマスホラーが作られることに感謝したい。

【アウト・オブ・ダークネス 見えない影】ホラーの新ジャンル発掘。社会派石器時代ホラー!!

ホラーマニアがおすすめするタイホラー映画『アウト・オブ・ダークネス 見えない影』
『アウト・オブ・ダークネス 見えない影』U-NEXT、Prime Video、Apple TV+などで視聴可能。

ホラージャンルはあらかた掘りつくされたと思っていたが、まだ鉱脈がありましたね。本作はなんと、非常に珍しい石器時代を舞台にしたホラー!! この時代にしては少しこぎれいすぎる気もするが、そこは目をつぶりましょう。その一方で、英語は封印して役者は全員架空の言語を喋りコミュニケーションを図る徹底ぶりは素晴らしい。

設定だけの出オチで終わることはなく、その中身も充実している。深刻な食糧難に悩む一行が新天地を求めて旅をする中で襲い来る脅威。姿の見えないそれに次第に追いつめられる焦燥感と絶望に引き込まれる。敵の正体をうまく隠しながら話を転がしていき、残酷な真実が明らかになる終盤で一気に心をつかむ。家父長制への批判といったメッセージも物語に上手くのせることに成功している。石器時代らしさは登場人物の服装くらいだけど、途中に出てくる食い荒らされたマンモスの死体はグッとくるものがあった。ああいうのがもっとあればもっと評価が上がったかもしれない。中盤で炸裂するゴア描写も一見の価値あり。あれでまだ息があるのがつらい! その後に待ち受ける末路も……。こういう気の利いた見せ場がひとつあるだけで、作品に対する印象は良くなるね。
少し物足りなさは感じるものの、気概を感じる作品。ホラー映画の幅の広さを改めて思い知らされた。


【ホラードラマ ナビゲーター】
人間食べ食べカエル
あらゆるジャンルのホラー映画・ドラマを網羅する敏腕ライター。人が喰べられる作品に目がない。的確なコメントと面白いつぶやきがクセになる「X」アカウントは、@TABECHAUYOをチェック!

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