#ArtINSPO
フェルメールがこれまで最高となる8点もやってくるなど、相も変わらず泰西名画が大人気の2018年の日本。でも実際にこの地で暮らす私たちが見るべき=知っておくべきなのは、いま世界で本当に高く評価されているこの国のアート、つまり建築だ。しかもここ数年世界各国では、「建築展」そのものに注目が集まっている。そう考えてみたとき、’18年の日本はラインナップが素晴らしい。
まず、フランスやスコットランドや中国など世界中でプロジェクトを抱える隈研吾の個展がある。春から夏にかけては、日本の建築の「遺伝子」を検証しようという野心的な大展覧会があり、そして秋には、26歳のときにエストニアの国立博物館という大規模かつ国家的なプロジェクトのコンペを勝ち取り(共同設計)、その後10年をかけて実現させた田根剛の個展が待っている。建築とアートのボーダーで活躍したアーティストの回顧展も押さえればパーフェクトだ。
『くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質』
隈研吾《V&A at Dundee》 ©Ross Fraser McLean
東京ステーションギャラリー
2018年3月3日〜5月6日
時系列ではなく、竹、木、紙、石、土といった素材によりプロジェクトを分類することで、建築とは物質と人間との会話であるとする隈の思想を明らかに。新作のパビリオンも発表予定。
『建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの』
谷口建築設計研究所《鈴木大拙館》2011年 金沢 photo:北嶋俊治
森美術館
2018年4月25日〜9月17日
「超越する美学」など9つのセクションを通じて、古代以来の日本の建築に潜む遺伝子を探る。千利休作の国宝の茶室の原寸での再現や、丹下健三の自邸の巨大模型(1/3)など展示も野心的だ。
『ゴードン・マッタ=クラーク回顧展(仮称)』
(左)ゴードン・マッタ=クラーク《スプリッティング》1974年 (右)ゴードン・マッタ=クラーク「《グラフィティ・トラック》の制作中」1973年 ともにCourtesy the Estate of Gordon Matta-Clark and David Zwirner, New York
東京国立近代美術館
2018年6月19日〜9月17日
NY郊外の平凡な家をまっぷたつに切り裂いたり、パリの中心地にある建物の壁に円形の穴を開けたり。1978年に亡くなるも今なお関心を集め続けるアーティストのアジア初となる回顧展。
SOURCE:SPUR 2018年2月号「2018年の#INSPOを探せ」
text:Kenjiro Hosaka
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