2018.07.16

モード業界のスーパーマーケット・ラバーが語る 、私たちの楽しみ方

3人の賢者がスーパーマーケット愛を語り尽くす。知っておけばお得さ満点の情報てんこもり!

イラスト(3人の賢者)

斉藤くみさん
(スタイリスト)

生粋の食いしん坊で、料理上手。スーパーでは肉も野菜も大量買い、調味料は一升瓶をチョイス。業者を思わせるダイナミックな買い方が特徴。

手塚貴美子さん
(トゥモローランドPR)

引っ越しを機に「信濃屋」と出会い、スーパーマーケットに覚醒した本特集の発案者。スタッフや料理上手に教わりつつさまざまな商品をお試し中。

河田真知子さん
(株式会社Deili 代表)

東京・元麻布の日本料理店「かんだ」で修業後、独立。徳島県の魅力を発信する施設「TurnTable」の立ち上げ・運営に携わるなど多方面で活躍。

プライベートブランドも奥深い! スーパーマーケットが進化中!?

―――本日は、スタイリスト、プレス、飲食店のオーナーと異なるジャンルの職業に就いている3人に集まっていただきました。共通しているのは生粋の“スーパーマーケット・ラバー”だということ。じつは今回の特集、そもそもの発案者は手塚さんなのだとか!?

手塚(以下T) す、すみません〜(笑)。引っ越しを機に、友人から「近所に○○スーパーがあるなら、あの商品を買ってみて」とプッシュされることが増えて。人によって視点がまったく違うから、食いしん坊かつ食に詳しい方々のご意見を聞いてみたい、と思った次第。その筆頭が、料理上手な斉藤さんです。

斉藤(以下S) 最近のヒットと言えば「紀ノ国屋」の商品ですね。プライベートブランドがすばらしくて、冷し中華(1は麺がすごく美味しい。開発担当者が相当な卵かけご飯好きなのであろうという偏愛感が伝わる贅沢な卵かけトリュフしょうゆ(2に至っては、一気に買い占め、自宅に遊びに来た友人たちにお中元でもないのに配ってしまったほど。焼きそば、卵やハムも美味しいと思います。

T あ、それ私もいただきました。斉藤さんは、商品の開発者でもプレスでもないのに、気に入ったものがあるとそれを配るという習性があるんですよね(笑)。私は、代々木上原にある「GAIA」と深夜1時まで営業している世田谷代田の「信濃屋」が好きでよく行きます。どちらもスタッフの知識が豊富で、接客してもらうのがとにかく楽しい

河田(以下K) それは扱っている商品に愛がある証拠ですよね。

T 信濃屋では、プライベートブランドの低温無添加燻製ミックスナッツ(9を小腹がすいたとき用に常備。あとはおせんべい、コーヒーもおすすめ。曜日限定で沖縄のアグー豚が入荷されるときがあり、遠方から買いにくる人も多いそう。

S 信濃屋は、本当にいいよね。上京したとき近所にあったから、よく通ってた。

K 私は東京と地元・徳島に飲食店を構えるため、行き来する生活が続いているのですが、東京だと生命力を感じる食材に出会うのはなかなか難しいことも。「あ、足りない!」というとき、買いに走るのは、渋谷の「東急フードショー」でしょうか。職業がら、食材に合わせてお店を使い分けているのですが、フードショーは全体的にバランスがいいし、活気も十分。そこには「成城石井」もあって、私の調味料のベースになっている小豆島の丸島醤油(4も置いてある。こだわりの調味料を取り揃えているスーパーは信頼できますね。いい魚屋さんもありますし。

S 確かに。東京だと新鮮な魚を置いてあるところが少なく、時間さえ許せば築地市場まで行ってしまいたいというのが本音。でも現実的に難しいときは、「鮮魚 魚力」や「渋谷サーモンスクエア」は助かりますね。

T 成城石井はプライベートブランドも充実していますよね。食に詳しい同僚が、レモンカード(3いちごバターたまごパンワッフルカットフルーツは最高だと申しておりました。個人的な決めつけですみませんが、じつはこれまでスーパーのプライベートブランドの食品からは目を背けていました……けれど実際に食べてみて目からウロコ! 紀ノ国屋も成城石井も信濃屋も、こだわりと品質のよさ、味のよさにびっくりしました。

行きつけになると食の世界は間違いなく広がる!

S 有機栽培とか製造法とか、こだわればキリがないけれど、私はできるだけ美味しいものを食べたい! っていうシンプルな考えで。子どもにも新鮮で、味が濃くて、本当に美味しいものを知ってほしいと思っています。その点で信頼しているのが、日頃お世話になっているグローサリーストアの「フードアンドカンパニー」。食べたい野菜や卵のほか、おすすめの調味料(78をチョイスしてもらっています。週2日限定で届く、粉そのものの味わいが広がるパンも美味しいし。

K 行きつけがあるのは大事ですよね。

S そうそう。小規模のお店だと特に「これ、美味しいですよ!」「あの商品がそろそろ入りますよ!」なんて声をかけてもらえるし。自分がどんどんラクできるようになる気がします(笑)

K 運営している神泉の「TurnTable」にもショップがあって、卵かけご飯専用の卵や、阿波和三盆、御膳みそに地物の野菜……関東ではなかなかお目にかかれない、徳島ならではの食材を仕入れています。従来のいかにもなアンテナショップではなく、いいものだけを扱っている街のスーパーマーケットをイメージした店作りを心がけています。

S うんうん。先日お伺いしたのですが、2階のレストランで徳島の食材を贅沢に使った料理をたらふく食べて呑んで、1階のショップで買い込む……あの夜は本当に満足度高かった! ところで最近おすすめなのが五反田近辺に点在している「旬八青果店」! いわゆる“八百屋さん”なのだけど、卵とかも売っているので、さくっと買いに行くのに便利。産地直送も多くて鮮度がいいし、旬のものがとにかくたくさん。あと高級スーパーだと少ししか入っていなくて「飾るんじゃない、食べたいんだよ!!」とツッコミを入れたくなるルッコラやパクチーも、束でどさっと入っているから大満足。

K 私も行きます! 行ってます! 生産者とのつながりを感じるし、野菜が飛び出してくるようなディスプレイもすばらしい。あと旬の野菜がたっぷり食べられるサラダや、ランチ限定のお弁当(13)、「旬ムージー」(12)も栄養バランスがいいと隠れた人気者なんですよ。一方で、お肉の場合は「日進ワールドデリカテッセン」「ナショナル麻布」へ。ホームパーティなどで赤身の塊肉などをガシッと食べたいときにうってつけ。

S ナショナル麻布は、みんなで食べられる1羽まるごとのローストチキン(5が好み。あとラム肉(6ランプ肉も品質がいいのが揃っているし、どーんと大量に買える。どちらも+¥500で買い物代行してくれる「オネストビー」の加盟店だから、時間がないときには大助かり。

東京、地方、そして世界へ! マニアの飽くなき探求は続く

T “バイヤー”感すら漂う斉藤さん、地方のスーパーもチェックしていたような?

S スーパーマーケットは国内・海外問わず、どこでもパトロールしていますね。個人的に好きなのは「ツルヤ」! 軽井沢に行くときによく立ち寄るんだけど、アウトレットでの買い物額より、ツルヤのほうが高くなっちゃうくらい(笑)。ここはプライベートブランドの宝庫で、地元産の果物で作るジュース(15とか、最高すぎて箱買いしてる。今は長野県にしかないけれど、東京進出を今か今かと待ち望んでいますよ!

K 地方と言えば、私は名古屋にある「旬楽膳」も好き。店名はシブめですが、じつはオーガニック食材を扱うスーパーで、全粒粉入りの焼きそばや素材の持ち味を生かしたドレッシング、お惣菜やおにぎりもすばらしかった。あと、台北にある「MAJI FOOD & DELI」も旅行に行った際はぜひ足を運んでほしい空間。メイドイン台湾の生鮮食品や調味料を扱っていて、セレクトもセンスもいいです。

T 興奮しちゃうくらいワクワクできるスーパーマーケットっていいですね!

S コンビニがスーパー化している一方で、普段の食生活にもこだわりを持って食材を選ぶ人が増えてきましたよね。

T これまで、スーパーと言えば近所にあって日常の食卓を支えてくれるものでしたが、今やプライベートブランドが増え、セレクトした商品も多岐にわたるように。わざわざそこへ行くという新しい価値ができてきたのかもしれません。

K レストランに毎日行くのはさすがに無理だけど、スーパーマーケットは毎日通えて、毎日小さな幸せを味わえますよね。だからこそ、本当にいいお店に通いたいし、そこにお金を落としたいと思います。

ST 本当にその通りだと思います!

商品のお問い合わせ先と電話番号はこちら
1・2 e-shop KINOKUNIYA 0422-28-0030
3・4 成城石井 お客様相談室 0120-141-565
5・6 ナショナル麻布 03-3442-3181
7・8 フードアンドカンパニー 03-6303-4216
9 代田食品館 03-3412-2338
10・11 日進ワールドデリカテッセン 03-3583-4586
12・13・14 旬八青果店(アグリゲート) 03-6417-4948
15 ツルヤ 0267-22-3311