【rule.7】エディターmichinoのしあわせ“過ぎる”エストニア

こんにちは! このたびエストニア旅ページを担当しましたエディターのmichinoと申します。普段はファッションやアートのテーマが多いのですが、このたび担当編集Kの変化球私ならではの乙女視点でエストニアを切り取ってきてほしいとの命を受け、行って参りました。たどり着いたその地はあまりに魅力的で、浮かれて自分のSNSにアップしていたところ、編集Kから“SNSの指令が(そりゃそうだ)! せっかくなので、このページでご紹介させてください。

まず驚いたのはアクセスの良さ。最近、旅好きの友からヘルシンキ空港はヨーロッパへ行くハブ地点だと聞いてはいましたが、日本から9時間ちょっとなのはやはり魅力ですよね。エストニアはさらに、そこから船で約2時間か、(私たちは急いでいたので)国内線の小さめの飛行機で約30分。飛行機から眺めたエストニアは豊かな自然に囲まれながら、街はぽつり、ぽつり。そんなことを思っていたらあっという間に着きました。思っていたより、近いよ、エストニア! まず、タリン空港に降りたって乙女アンテナが発動したのは空港内の椅子から。これはのちに伝統衣装についてレクチャーを受けて知ったのですが、エストニアの伝統工芸の布が貼られていました。そして、フィンランドと近いせいなのか、デザインが何もかもおしゃれ。北欧テイストの洗練とどこか手仕事の柔らかさが融合した空間にまずノックアウトです。

宿泊は首都タリンの中心地、観光名所の旧市街からも程近い「Solo Sokos Hotel Estoria」に。若い観光客に最近人気のホテルとあって、アクセスの良さはもちろんのこと、なんだかインテリアも華やかです。ひとつひとつの部屋に物語があるのも、rule.5のページでご紹介しました。

着いたその日はすぐにミーティングということで、旧市街入り口に近いレストラン「FARM」へ。旧市街の鳩のオブジェが目印です。エストニアの食事情について、事前情報では中世のレシピを堪能できる素朴なお店かモダンなお店も増えているということでした。こちらはモダン系ですね。ラムのグリルをオーダーしましたが、付け合わせの甘いお芋や黒パンの美味しさに衝撃を受け、エストニア旅程中にカメラマンIMAZU氏と共に黒パンの味比べをしたほど(結果、最初に食べたここが美味しかった)。エストニアのモダンレストランは年々増えているそうで、把瑠都さんもチェックしていると言っていました。

FARM(ファーム)

DATA

FARM
http://www.restaurant.farm

rule.2「赤いスカートの伝説」でもご紹介したキフヌ島はこの取材の中でも個人的ハイライト。乙女警報が鳴り止みません。エストニア本土から1時間半ほどかかるので、少しハードルが上がりますが、ここに来るだけでも旅の目的になると思います。ここは生きた博物館と呼ばれるほど、エストニアの昔の暮らしを残している島。カラフルなスカーフを頭に巻き、しあわせの赤いスカートをまとうキフヌ・ガールズたちの可愛さは上のページで堪能していただくとして、載せられなかったシーンから抜粋します。撮影に快く応じてくださった彼女たちですが、撮影が終わったあとの素顔をパチリ。現代の女の子らしく、携帯片手におしゃべりに興じる姿も愛らしいのです。そして、このシーンを撮影した家の中は民芸品を壁中にデコレートしているのですが、この刺繍部屋はどれも欲しくなるものばかりでした。ネコ好きとしては外せないので、猫モチーフリネンを激写。売ってください!

キフヌ島取材でもうひとつ面白い催事に出くわしました。それは島一番のニットの名手であるローシおばあちゃんのニット講座。これは島の人々や、本土から訪れて伝統的なキフヌの模様を学びたいという人々が集い、近くの宿に1泊しながら編むというものです。黄色いお家のインパクトもさることながら、真剣な編み物サークルの場に圧倒されました!(かわいいキッズは一見付き添いのように見えますが、この子の持っている人形がすでに伝統柄の靴下を履いていました。あなどれない!)このニット講座も夏至の期間で観光が賑わう時期なので、行われていたようです。黄色い家の庭も何やら乙女な仕立てで、小花が咲き、白ソックスの猫も行ったりきたりしているという、おとぎ話のような空間でした。

rule.4でご紹介したミュージアムの中でも、とりわけ話題なのが「エストニア国立博物館」。世界をフィールドに活躍されている建築家・田根剛さんが関わったミュージアムです。エストニアの中でも大学がひしめく学生街のタルトゥにありますが、とてものどかな街並みで、文学的な香りのするところも好みでした。街中を少し歩いてみましたが、こんなに美しいミュージアムがあるなんて羨ましい限り。エストニアの歴史や民族衣装など、膨大なアーカイブから紐解いた興味深い展示部屋がいくつもあるので、ここもたっぷりと時間をとって訪れたいものです。個人的にはやはり建築の佇まいが印象的で、雪のように降り注ぐ、伝統モチーフを配したガラスから見える空や、ちょっとした採光の仕掛けに唸りました。この建物は、旧ソ連時代の飛行場を利用したつくりになっているので、エントランスの逆側はミュージアムから続くように滑走路の姿が残されています。カメラマンIMAZU氏も画角におさまらない広さにただただびっくり。

最後に取材中のお楽しみを。把瑠都さんとのブルーベリー摘みでも実感しましたが、夏のエストニアはベリー系がどこにいっても安く、美味しく食べられます。私たちスタッフも朝食にたっぷり出てくるいちごや、移動中のサービスエリアで売られていた野いちごをパクパクと食べ、乙女血糖値をあげながらハードスケジュールをこなす日々でした。そして、取材日程中はちょうどサッカーのワールドカップ開催中。時差もほとんどなかったため、仕事終わりのゴールデンタイムにスポーツバーへGO。ビール&チップスを片手に応援していました。エストニアのどんな料理にもついてくるディルにこれまたハマってしまい、ディル味のチップスも常備。ビールにもぴったりなので、ぜひお試しください。

来年7月には1869年から5年に1度開催されるエストニア最大の歌と踊りの祭典が行われるそうです。夏のエストニア旅行、SPURを片手にぜひ行ってみてくださいね!

 

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