こうしてハナカは、運命を感じたルックを身にまとい、ニナ リッチのショーで堂々とウォーキング。待望のランウェイデビューを果たした。「ショー当日は緊張したけれど、とにかく楽しもうと思っていました。自分では楽しめたつもりだったけど、ショーを終えてピアスをはずそうとしたときに、手がすごく震えていて。思ったよりも緊張していたことに、初めて気づきました(笑)」。実はこの直後には他のブランドのキャスティングが控えていて、ショーが終わってから余韻に浸っている暇はなかった。それでも、バックステージから出てきたときには思わず涙がにじんだ。「無事やり終えてホッとした気持ち、今までのつらさ……。自分でもよくわからない感情がいろいろとこみ上げてきて、感無量でした」
絶望と歓喜の間をジェットコースターのように駆け抜けた、初挑戦のパリコレ。数カ月前まで普通の高校生だったハナカは、この過酷な経験を乗り越えて強くなった。「いい意味で緊張しなくなったし、キャスティングで堂々とウォーキングできるようになった。あと、一つひとつのことに落ち込まなくなりましたね。いちいち沈んでいたらキリがないくらい、つらいことがたくさんあったので(笑)」。今、すでにその目は来シーズンのパリを見据えている。「今回の結果には全然満足していません。とても悔しかったので、これをバネに次は見返してやろうと、今からメラメラ燃えています! 目標は、誰もが名前を知っているようなブランドのショーにたくさん出ること。いつか、チハルさんや新井貴子さん、江原美希さん、そして萬波ユカさんといった同じ事務所の大先輩たちと肩を並べて仕事ができるようになりたい」。彼女の挑戦は、まだ始まったばかり。たくさんの涙をパワーに変えて、前進するハナカ。あなたならできる。