2020.04.21

この街こそ、最高のグルメ! 東京フードユニバース

渋谷駅まわりの再開発や、新たなイタリアンブームに実力派パティスリーのオープンラッシュ……。今、東京の食事情は毎日めまぐるしく進化中。世界中のフーディたちをうならせる、日本が誇る東京の最新フード事情をSPURは全力取材。海外ゲストを驚かせる一皿も、大切な友人とかわす一杯も最高のレストランリストはこの中に。新しい東京を食から再発見してみよう。

SOURCE:SPUR 2020年5月号「東京フードユニバース」
photography: Midori Yamashita(p.2, p.3, p.6, p.7), Satoko Tsuyuki(p.2, p.6, p.7),Haruka Saito(p.2, p.7), Noriko Yoneyama(p.4), Tomo Ishiwatari(p.4和食, p.5) text: Hikari Torisawa(p.1, p.4和食, p.5, p.8), Kei Sasaki(p.4イタリアン), Yukino Hirosawa(p.2, p3, p.6〜p.8),Momoko Yokomizo(p.2, p.7, 8) illustration: Yutaka Nakane

若手シェフたちによるイタリアンの新時代到来!

佐々木 ここ1〜2年は、新世代イタリアンがすごいですよね。日本のいい食材を使って、軽やかに楽しげに、自分のお店をやっているシェフが増えていると思います。

 イタリアン大好きなので気になる! どの辺りのお店ですか?

佐々木 下馬のコジ コメ ( → Part4 ) 、芝公園の樋渡 ( → Part4 )、奥沢のイゴラ ( → Part4 )。八雲の笠井や飯田橋のカートも評判です。30代〜40代前半の若手シェフたちの勢いがすごいんです。

広沢 少し前に一気に増えたお寿司や焼き鳥と比べると、価格帯もカジュアルなお店が多そうなイメージです。若手のシェフたちは仕事がきれいで、気難しくなくて。

佐々木 気持ちがいいんですよね。親しみやすいお店ばかりだから、若い、新しい食べ手がついてほしい。小箱でカウンター中心というスタイルも今っぽい気がします。

広沢 小さなお店だと、フレンチですが小泉料理店も人気ですね。

佐々木 ワインバーも小箱傾向かも。白金台のソルトアンドプラムは、テーブルと立ち飲み。同じ系列の代官山ワインバーは、あれいったい何坪だろう? とにかくちっちゃくて、店主と対面で飲むイメージ。少し前ですが、代々木公園のぺリキュールもいいワインバーですよね。

広沢 ワインとパンを推すお店も増加してませんか?

佐々木 パンが自慢のワイン酒場出身の若い世代も独立していますよね。西小山 チッツィア ( → Part7 )の店主は、パーラー江古田で原田浩次さんの薫陶を受けた原田チルドレン。

 六本木のブリコラージュ ブレッド アンド カンパニー ( → Part7 )、渋谷のコーネルでもパン飲みができますよ。個人的に通い詰めているのが、代々木上原のシガニー ベイク アンドコーヒー ( → 【Best Restaurant】 )。サンドイッチがおいしいカフェで、ワインやクラフトビールも飲めるし、ランチもお得。実は今日も食べに行ってました。英国式の焼き菓子も夜遅くまで買えます。

広沢 代々木八幡のパスもパン飲みができますね。原太一シェフは、ビストロ ロジウラ、パスに続いて、白金台にライクもオープンしました。

 原シェフの相棒の後藤裕一さんが幡ヶ谷に出したイコール ( → Part7 )も大人気ですよね。特にチーズケーキは、並んでも買えないくらい。

佐々木 姉妹店、2号店のニュースはまだまだしばらく続きそうですね。渋谷酒井商会は恵比寿に新しい店を、外苑前アン ディ ( → 【Best Restaurant】 ) はベトナム料理と日本酒のペアリングを提案する新業態を広尾で始めるそう。

 広尾のどこなんだろう? どっちも予約の取りにくいお店だから、新店舗もすぐいっぱいになりそう。

佐々木 アン ディの新店はこの春にオープンする商業施設の中だそうです。学芸大学レインカラーの大衆酒場バージョンや、武蔵小山の豚星が出した鰻&立ち飲みの梅星も、すごい賑わいですよ。若い店主たちには、街や沿線を盛り上げようという気概を感じます。

広沢 応援したくなりますね。

佐々木 一方では、クリスチアノの佐藤幸二シェフのように、ポルトガル料理、もんじゃ焼き、カツレツ、カレーと全然違うジャンルの店を出す料理人もいますね。

広沢 カルネヤサノマンズを閉められた高山いさ己シェフも、日本橋のシシ煮干啖に続いて、新店を準備されているとか?

佐々木 虎ノ門の商業施設ですよね。こちらもこの春オープン予定。アタオデコバーマンを手がける掛川哲司シェフのお店も入るそうです。......続きを読む

佐々木ケイ さん(ささきけい)/フードライター
レストラン、生産者など食にまつわる取材、執筆多数のベテランライター。連載は『BRUTUS』「グルマン温故知新」、『dancyu』「拝啓、イタリア料理様」ほか。 

広沢幸乃 さん(ひろさわゆきの)/フードライター
「粘り腰の精神で、おいしいと聞けばどこまでも」をモットーに食べ歩く日々。女性誌を中心に執筆。『T JAPAN』のwebで「おやじのおやつ」を連載中。

桂まりさん(かつらまり)/ライター
アジア各国をはじめ、現地の食を求めて世界を旅する食いしん坊ライター。食と旅の記事を中心に執筆。Marisol ONLINEで「韓流NEWS」を連載中。