美のプロの「香りのある暮らし」

香りによるセルフケアで不安な心をノーマルに保つ

DEDCOOL 創設者
カリーナ・チャズさん

今春、日本に上陸したフレグランスブランド、デッドクールの創業者であるカリーナ・チャズさん。水を一切使わず、100%生分解性の成分を使用、社会貢献活動も行うなど、一貫してサステイナブルな製品づくりに取り組んでいる。「私にとって心地のよい暮らしとは心身の健康を意識すること。21歳でブランドを立ち上げた当初は、すべての時間をビジネスに費やし、私らしさを見失ってしまったこともありました。今は、セルフケアをうまく取り入れることで、心身のバランスを取っています」。香りは、そのためにも不可欠な存在だという。「植物の香りが持つ力は、気分を高め、リフレッシュすることにも役立ちます。不安なときこそ、自身を慈しむ時間を大切にしたい」

カリーナ チャズ●2016年にロサンゼルスでクリーンフレグランスブランド、デッドクールを創業。自身の名前を冠したリップバーム「チャズスティック」は、売り上げを大規模自然災害の被災地支援のために寄付している。

寝室に並べたデッドクールの香水。「いつもMADONNA(LILLY)にMILK Layering Fragranceをレイヤリングしています。肌に近い香り立ちなので、一日中ニュートラルな気分で過ごせます」

バスルームには、感情の乱れを静める鎮静効果や集中力を高める効果のあるユーカリを。スキンケアは「LaNatura」のBRIGHTENING YUZU CLEANSER | YUZU ESSENTIAL OILを愛用

 インテリアには植物や明るい色を使って。「私らしさを表現することができるインテリアはフレグランスと同じく大切にしているものです」
 デッドクールのMASSAGE CANDLE 01はリビングに。適量のロウが溶けるまで火を灯し、人肌に冷ましたロウでボディマッサージを行う

自宅にいながら、旅に行けるのも香りの醍醐味

ビューティエディター
巽 香さん

「形も色もないぶん、イマジネーションに直接働きかけられるのは香りならでは。フレグランスは、簡単に自分を取り巻く空間の雰囲気を変えられます。季節や気分に合わせて、花畑、果樹園、森林、ときには南国リゾートにだって瞬時に連れて行ってくれます」。香りの効能を熟知する巽香さんは、部屋ごとに異なる匂いを用い、心地のよい空間づくりを心がけている。「自分の好きないい香りがほのかに漂っていると、それだけで家で過ごす時間のストレスが減るはず。自分の感覚を喜ばせることを意識してみてください」

たつみ かおり●ファッション誌や美容誌にて執筆を行う。雑誌『MAQUIA』で香水の連載を担当するなど、香りへの知見も豊富。的確で心に響く文章にファンが多い。

玄関近くには、スモーキーでウッディな 香りのキャンドルやお香を。外から持ち帰ったストレスなどを浄化するイメージ

 リビングダイニングには、食事の邪魔にならず、軽やかでやさしいものを。アンティカ ファルマシスタのリードディフューザー、ディプティックの電動ディフューザーにはともにみずみずしいフィグリーフの香りをセット
 抗菌効果のあるティートゥリーの精油

好きな香りに浸ることで心地いい暮らしを実現

ビューティエディター&ライター
小川由紀子さん

外出時と在宅時で香りのルールが異なるという小川由紀子さん。「日常的に身につけるフレグランスは自分のスタイルを印象づけるものだと思うので、ある程度同じものを使っているのですが、部屋での香りは別。気分や時間帯に合わせて使い分けています」。今回は眠る前に使う香水とルームフレグランスを紹介してくれた。「朝コーヒーの香りでパッと目が覚めるように、香りには気分を瞬時に変える力があると思います。今回の生活でもその存在に助けられ、見えないリラクゼーションツールなのだと実感しました」

おがわ ゆきこ●ビューティジャンルを中心に、SPURをはじめとする雑誌や広告のディレクション、ライティングを行う。高い美意識とユニークな文章が人気。

「パリのお土産でもらったPapier d’Armenieの紙のお香がお気に入り。華やいだ気分になりたいときはローズ、落ち着きたいときはトラディションを」。マドエレンのポプリも愛用
 寝る前は、ディプティックの練り香水やロールオンタイプのフレグランス、メゾン ルイ マリーのパフュームオイルを。「やさしくやわらかな香り立ちで、心地よく眠りにつけます」

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