ユウカさん ／ 「ユウカのおうち留学」運営

英語を話せたら何をしたいか。
その未来を常に思い描いています

　できるようになりたい気持ちはあっても、途中で挫折してしまう人が多い英会話。ユウカさんはNetflixを駆使することでTOEICで865点を取るまでになった。
「以前は学校での“やらされている勉強”が中心だったので、精神的にもストレスでした。でも高校2年生の春休みにNetflixにハマって、毎日のように見続けていたらTOEICの点数がすごく上がったんです。そのとき、こういう勉強法もあることに気づいて活用するようになりました」
　それからは自分なりの学習法を確立していった。重要なのは繰り返すことだ。
「聞いている音と発している音が一緒になるまで、フレーズのシャドーイングをします。あとリスニング力強化のために同じ作品を何度も見るんです。1回目は日本語字幕で内容の把握、2回目は英語字幕でスペルを見ながら発音を確認。3回目は字幕なしで理解する練習をします」
　Netflixのさまざまな作品を見たユウカさんが英語学習にすすめるのは“日常系”ドラマだ。
「『フラーハウス』のようなアメリカの大家族の毎日を描いた作品だと、専門用語が出てこないので内容を理解しやすいし、生活の中で使う言葉が繰り返されるので学習効果が高いです。1話30分程度と負担にならない短さも重要です」
　とはいえ目的によって適切な学習法は異なる。
「リスニング力を上げたいなら繰り返し聞くこと、語彙力を上げたいなら多くの単語に触れることが大切。だから “英語ができたら”という未来を常に思い描くんです。外国人とお酒を飲みにいきたいとか、海外の記事を読みたいとか。そうすると自分の目的が明確になるし、学習の活力にもなります」

（上）英語字幕を表示しながらNetflixを鑑賞。
（下）映像の長さと内容が作品選びのカギ。Netflixオリジナルシリーズ「フラーハウス」は、名作ホームドラマ「フルハウス」の続編。タナー家のD.J.とステフ、親友キミーが子育てに奮闘する。シーズン1～5独占配信中。

　ユウカさんは勉強がつらくなる理由に、進歩を実感できないことがひとつあると言う。
「単語帳や参考書だと手ごたえがあまりないですよね。でもNetflixだと、少しずつ字幕を見なくても理解できるようになっているのがわかるんです。その瞬間、英語学習が楽しくなりました」
　もちろん中にはやる気が出ない日もある。そんなときに重要なのはストレスフリーでいること。
「日本語字幕で見ちゃうことに罪悪感を覚えないようにしています。少なくとも英語を聞いてるからいいか、と自分を許すチートデイをつくるんです。ストイックではないし、途中大学受験で離れたりもしましたが、それでも2、3年で字幕なしで見られるようになりました」
　Netflixで“英語アレルギー”を克服した今では、本やアプリの力も借りていっそう英語力を磨く。
「語彙力を上げるなら、アプリの『mikan』がおすすめ。文法は参考書でもおなじみの『総合英語 Evergreen』が使いやすいです」
　中学生のとき、留学生のホームステイを受け入れたことをきっかけに英語に興味を持ったユウカさん。今年の4月には、英語学習のオンラインサロン「ユウカのおうち留学」を始めるまでになった。だがそれは想像もしない未来だった。
「実は、今頃はカナダに留学しているはずだったんです。でも新型コロナウイルス感染症の影響で中止になり、気持ちはどん底。そんなときTwitterのフォロワーの方から、『家にいながら一緒に勉強できたら』と声が上がり、2週間くらいでプラットフォームをつくりました。勉強計画を一緒に練ったり、英会話仲間を見つけたりするためのコミュニティです。今では英語力を伸ばす時間が増えたと思って、前を向いています」

（左）英文法の基本から発展までを網羅している。丁寧な解説が人気の理由。『総合英語 Evergreen』（いいずな書店／1,520円）
（右）英単語学習アプリ「mikan」。大学受験やTOEICなど目的別にモードを設定でき、効率的な学習が可能。単語の発音を確認できる音声と4択から意味を選ぶだけの気軽さが魅力。

ニュータイプな生き方の3カ条

❶　学んだことを定着させるため、同じことを何度も繰り返す
❷　英語を学んで何をしたいのか目的を具体的にイメージするえる
❸　ストレスフリーで楽しみながら勉強をする

水野綾子さん ／ 「CIRCULATION LIFE」責任者