せんとちひろ ちっち●"楽器を持たないパンクバンド"のメンバー。直球の熱量と繊細さを併せ持ち、感情を全面に出すパフォーマンスが魅力。MCを担当するなど、BiSHの支柱を担う。趣味人で、活動は多岐に及ぶ。 1 Tシャツは、「TANGTANG」のもの。カレー愛を叫ぶお気に入りのTシャツ!2 「オムライスにそぼろ丼、麻婆豆腐も得意な料理。繊細な和食をぱっと作れるようになりたいんですけど、豪快な料理が多いかも。いつも感覚で作ってます(笑)」 人間性が出ちゃうのがスパイスカレーの魅力 ホラー映画にフィルムカメラ、叔母から譲り受けたカセットテープ……セントチヒロ・チッチさんの興味は幅広い。「趣味はたくさんあるけれど、ノリとかはやりじゃなく、好きに対しての責任を持って深く追求したい」と語る。スパイスカレーもその一つ。「のめり込んだのは5年前。ツアーで地方に行ったときの楽しみとして、カレー店巡りを始めたのがきっかけです。骨太な人だと力強く、不思議な人だと魅惑的な味、と店主と味がリンクしていることに気づきました。"私が作ったら、どんな表情のカレーになるんだろう!?"って」 分厚いスパイス事典を読み込み、行く先々のお店でおいしく作るテクニックやコツを自らリサーチ。「大切なのは、熱した油にカルダモンやコリアンダーなどのホールスパイスを入れて香りを移す作業。ちなみに私は"体臭づけ"って呼んでいます(笑)。あとは、仕上げにパウダースパイスを香水みたいにまとわせること。それ以外は野菜も調味料も個人の自由。ルールがないから味の追求に終わりがない。まるで宇宙みたいです」 多いときには週3回、大きな鍋で作る。「メンバーやスタッフに振る舞うこともあります。みんなが喜んでくれるし、カレーを通して新しいコミュニティができ、世界が広がったのがうれしい。私は考え込むタイプだから、無心で没入できる趣味の時間は癒やしになるし、生活に彩りや生きるヒントもくれる。将来、"イケオバ"になるべく、これからも好奇心をたぎらせて生きたいです!」 3 「ルウは土でパクチーは植物、皿は空色。作り手の人間性が加わり、カレーって地球みたい。具も調味料も自由だからこそ実験的だし、作るたびに新鮮な出合いがあるんです」 4 持参した大量のスパイスやオイル、ペースト。「新大久保や上野のスパイス専門店で買ったり、お土産でいただいたものです」 まろやかスパイシーなキーマカレー スパイスA┌カルダモン … 適量│コリアンダー … 3つまみ│クミン … 適量│クローブ … 2~3個└ベイリーフ … 1枚B┌コリアンダーパウダー … 適量│シナモンパウダー … 適量│クミンパウダー … 適量└チリパウダー … 適量 ガラムマサラ … 適量ピンクペッパー … 適量 その他の材料(4〜5人分)トマト缶 … 200g牛豚合いびき肉 … 250g玉ねぎ … 2個冷凍揚げなす … 1袋(130g)ミニトマト … 3個パクチー … 適量レモン … ₁⑊₂個しょうが … 1片にんにく … 1片クリームチーズ … 25g無糖ヨーグルト … 50g(お好みで)バター … 10gマスタードオイル(なければサラダ油) … 適量(あれば)ジンジャー&ガーリックペースト … 適量塩・ケチャップ … 各適量ご飯…適量 作り方 ❶野菜を切る。玉ねぎは薄切り、ミニトマトは半分に、パクチーはざく切り、レモンは縦4等分に切る。しょうがとにんにくは皮をむき、食感が残るくらいのみじん切りにする。ひき肉に軽く塩をふり、下味をつける。「今回は合いびき肉だけど、ラム肉でもOKです!」❷鍋にマスタードオイルを注ぎ、弱火にかける。オイルが温まらないうちにホールスパイス(A)を加え、オイルに香りを移す。カルダモンがシュワシュワしてきたら完成のサイン。しょうが、にんにく、ジンジャー&ガーリックペースト、玉ねぎを入れ、スパイスが焦げないよう、よく混ぜながら強火で炒める。途中、塩を加え、水分を飛ばしながら飴色になるまでじっくり炒める。「オイルの飛散注意!」❸トマト缶、クリームチーズとヨーグルトを加えて混ぜる。ひき肉を加えて混ぜ、全体に火が通ったらBのパウダースパイス、冷凍揚げなすとミニトマトを加える。塩やケチャップ、チリパウダーで味を調え、ガラムマサラを加える。「パウダースパイスは香水の役割」❹器にご飯をよそい、カレールウをかける。パクチーをのせてレモンを添え、ピンクペッパーを手でつぶしながらふりかける。❺「今日は煮込み時間はやや長めに、クリームチーズやケチャップも加えてまろやかさを出しました。お好みでバターを加え混ぜても!」 photography: Cosmo Yamaguchi hair & make-up: Yuki Takahashi interview & text: Yukino Hirosawa 人生の愉しみがここにある あなたの趣味、見せてください 特集TOPへ