ミッドセンチュリー期に生まれたデザインは、現行品として今も作り続けられているものも多い。アメリカ、日本、北欧のデザイナーによる名作をインテリアスタイリストの長山智美さんがセレクト。長く愛される理由とデザインの特徴を解説する
JAPAN
人々の交流が深まりデザインが一気に発展
「この時代に勢いがあったのはリセット・スタートができたからだと思います。日本もまさにその状況。50年代はテレビが登場し、旅客機が大衆化。情報が得やすくなり、人々の行き来も容易になったことから世界的な文化交流が活発に。日本でもヨーロッパやアメリカの影響を受けながら、それまで持っていた木工技術を生かした独自のデザインが生み出されました。戦前にはなかったデザイナーという職業も誕生し、戦争で一度喪失した日常を豊かなものに発展させようという気運も高まっていたと思います」
6 建築家の村野藤吾が「都ホテル(現・ウェスティン都ホテル京都)」を設計する際にデザインした。
ローテーブル¥96,800
Designer: Togo Murano
Item: TMD-MIYAKO TA1
Year: 1960
7 フレームをキャンバスに見立て、購入者自身が10色の紐を自由に編んで完成させるコンセプチュアルな椅子。
チェア¥119,900/イデーショップ 自由が丘店
Designer: Taro Okamoto
Item: IRODORI ISU
Year: 1967
8 素材は段ボールだが、組み立て構造によって堅牢さを実現させた。発売当時「4つのスツールで象の体重が支えられる」と話題に。耐荷重740㎏。ロースツール¥4,180/メトロクス
Designer: Riki Watanabe
Item: Riki Stool
Year: 1965
9 MoMAのパーマネントコレクション。ホテルのバーラウンジのためにデザインされた。
チェア¥264,000/ワイ・エム・ケー長岡
Designer: Isamu Kenmochi
Item: Armless Chair
Year: 1960
10 同じ形の成形合板を2枚つなぎ合わせたシンプルな構造。サイドテーブルとしても使える。
スツール¥51,700/天童木工 東京ショールーム&ストア(天童木工)
Designer: Sori Yanagi
Item: Butterfly Stool
Year: 1956