結婚いたしました【秋元才加の音語り】

vol.7 結婚いたしました

「いいんじゃない」
PSG
『David インスト』収録

「風になりたい」
THE BOOM
『Singles +』収録

　皆さんこんにちは、秋元才加です。私事ですが、結婚いたしました。お祝いメッセージなど、本当に感謝です。音楽を通して彼と出会い、こうしてコラムを執筆させてもらっている今、音楽が私の人生に与える影響はますます大きくなっています。今までは名前を伏せていたのですが、私のヒップホップへの入り口はPSG、そしてPUNPEEさんでした。彼らのライブに衝撃を受け、PSG「いいんじゃない」などの曲から伝わる等身大のメッセージが常に全力で前のめりだったあの頃の私に刺さりました。頑張りすぎない、ダメな自分も肯定してあげる。私にとってヒップホップは自然体でいることの大切さ、信念を持って生きることの大切さを教えてくれる道標になっています。THE BOOMの「風になりたい」は、合唱の定番にもなっている曲ですね。実は、この曲を歌いながら踊り狂う秋元の様子が過去の週刊誌に収められています。この一件のおかげで、なかなか感慨深い一曲に。結婚しても、さほど変わりもなく過ごしている私たちですが、結婚をして初めて発見した感情もあります。彼への愛情は別として、夫婦別姓や多様な家族に対応した制度などについて、いつか日本でも導入されたらいいなぁ、と個人的には思いました。選べる選択肢は多いほうがいいですよね。私はこれからも旧姓の秋元才加として芸能活動をしていくので、ふたつの名前を行き来している感覚ですが、婚姻届提出時にどれかひとつを選ばなくてはいけないということに少し違和感を感じた自分がいました。喜びよりも少し寂しい気持ちになったのが正直な気持ちです。家族の分だけ家族の形がある。そんな多様な社会を望んでいます。
　しかしまぁ、大事なのは今後である。ということで、これからも夫婦ともどもよろしくお願い致します。

Monthly Pick-up

『Breathe Deep』
Oscar Jerome
￥2,500／Caroline

待望のアルバムで音楽的・社会的な視野の広さを見せつけるオスカーは、UKジャズ界で活躍するギタリスト兼シンガーだ。仲間たちと一緒に鳴らすスピリチュアルなグルーヴには、世界中のサウンドを消化。そのエネルギーが、難民問題や気候変動を論じる彼のメッセージを増強している。

『Zeros』
Declan McKenna
￥2,200／Sony Music

ファーストで賞賛を浴びた英国人のシンガー・ソングライターが、生きにくい分断社会を背景にした新作を完成。今21歳の彼は、同調圧力や孤独感に悩む同世代の若者たちに寄り添い、70年代ロックに根差したカラフルにキラめくサウンドもあいまって、グレーな気分を軽くしてくれる。

SOURCE：SPUR 2020年10月号「秋元才加の音語り」
text: Sayaka Akimoto　text（Monthly Pick-up）: Hiroko Shintani　photography: Kodai Ikemitsu　styling: Mayu Yauchi　hair: Keiko Tada 〈mod’s hair〉　make-up: Nao Yoshida