2026.11.05

K-POPにおける「韓国」の現在地。音楽ライターが最前線を解説!

Kカルチャーの今をキャッチ!

韓国のローカルシーンで注目を集めるカルチャーは? 現地の専門家が最前線を解説。今月は、若手クリエイターとの協業が活発な昨今のK-POP事情を分析する

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韓国のローカルシーンで注目を集めるカルチャーは? 現地の専門家が最前線を解説。今月は、若手クリエイターとの協業が活発な昨今のK-POP事情を分析する

Kカルチャーの今をキャッチ「NOW ON SEOUL」連載

K-POP好きにとって「ソングキャンプ」は、もはや基本ともいえる概念だ。ランダムに組まれたチームが、数日から長ければ数週間にわたって、創作に向き合い、アイデアを持ち寄りながら新しい音楽を生み出す。年々長くなる楽曲のクレジットを見て、「これほど多くの人が関わった曲を、果たして韓国の大衆音楽と呼べるのか」と問うことも、今や野暮になった。ソングキャンプという仕組みそのものが、「根源を持たず、ダイナミックに変化し続ける」というK-POPを象徴する存在になって久しい。

そしてここへ来て、K-POPのもう一つの特徴である「正反合」が浮かび上がる。正と反がぶつかり合うことで、さらなる高みへと進んでいく。その最前線にあるのが、K-POPと韓国の個性的なクリエイターたちとの出合いなのだ。

GroovyRoom

ギュジョンとフィミンからなるプロデューサーグループ、GroovyRoom。国内では数々のプロデューサー賞を受賞している

HYBEの新レーベルABDからデビューした新人ガールズグループ、TUIDEの音楽総括を務めるのは、2人組プロデューサーグループのGroovyRoomだ。ヒップホップやR&Bのフィールドでキャリアを築いてきた彼らにとって、ガールズグループのメインプロデュースを手がけるのは今回が初。EP『TUNE & PLAY』には、ほかにもBOYCOLD、KWACA、ZIN CHOI、SINCE、ダルチョンなど、独自の存在感を放つ実力派アーティストたちが多数参加している。

TUIDE『TUNE & PLAY』

新人ガールズグループ TUIDEのデビューEP『TUNE & PLAY』© ABD CO. LTD.

KIRARA

エレクトロニック・ミュージシャン兼ライブ・パフォーマーKIRARA。現在の韓国のエレクトロニック音楽を代表する存在

2026年上半期に大きな注目を集めたK-POPの一曲に、「mia(迷子)」がある。SEVENTEENのVernonとTHE 8が結成したユニット「V8」の初EPに収録されたこの曲には、エレクトロニック・ミュージシャンのKIRARAとハン・ジョンインが参加。ここ10年余りの韓国エレクトロニック・ミュージックシーンを代表する存在ともいえる彼らの音楽と、Vernon自身のパーソナルな物語が、互いをリスペクトする形で温かく交わった一曲となった。

V8

SEVENTEENのVernonとTHE 8によるユニットの1st EP『V8』©PLEDIS ENTERTAINMENT

Omega Sapien

ラッパーのOmega Sapien。「オルタナティブK-POP」を掲げるBalming Tigerのメンバーで、NMIXXやIVEなどアイドルグループの楽曲の作詞も手がける

今年のK-POPを代表するKiiiKiiiの「404(New Era)」の歌詞を手がけたのは、音楽集団Balming Tigerのメンバー、Omega Sapien。KiiiKiiiはほかにも、作家のイ・スラやラッパーのLil Cherryなど、多様なクリエイターたちと積極的に協業している。歌詞に力を注ぎ、外部の才能を取り込みながら、楽曲の可能性を広げている点が印象的だ。

Kiii Kiii「404(New Era)」

Kiii Kiiiの2nd EPに収録される「404(New Era)」©Starship Entertainment

単に互いの名声や知名度を借りるためではなく、それぞれが築いてきた音楽世界を持ち寄り、真剣勝負を繰り広げている。そこから生まれる化学反応こそ、今のK-POPの面白さの一つなのだろう。K-POPにおける「韓国」というものもまた、こうした出合いを重ねることで、ますます多彩な顔を見せ始めている。

Yoonha Kimプロフィール画像
Yoonha Kim

キム・ユナ●音楽ライター。大衆音楽評論家と名乗り、K-POPからインディーズまで多様なジャンルをカバー。モットーは"音楽と愛が世界を救う"。最新の共著に『100曲でわかる! K-POPヒストリー 1992-2020』(アルテスパブリッシング)がある。

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