「がまくんとかえるくん」シリーズで日本でも人気の高い絵本作家、アーノルド・ローベルの日本初の本格的な展覧会が、東京・立川のPLAY! MUSEUMで2021年3月28日(日)までの会期で開催されている。絵本約30点を「がまくんとかえるくん」を中心とした貴重な原画やスケッチとともに紹介するほか、アニメーション作家の加藤久仁生による映像作品も!
仲睦まじい“ふたり”のかえる、がまくんとかえるくんの物語でおなじみの絵本作家、アーノルド・ローベル。54年の短い生涯を閉じるまでの間に約100冊もの絵本を世に送り出した彼の活動を振り返る、日本で初めての本格的な展覧会「『がまくんとかえるくん』誕生50周年記念 アーノルド・ローベル展」が、東京・立川のPLAY! MUSEUMで開催されている。
1933年にロサンゼルスで生まれ、ニューヨークで育ったローベル。両親が早くに離婚したことから祖父母に預けられ、また大病を患い学校を長く休んだことで友達ができなかった彼は、「お話づくり」という特技を強みにして自分の道を開拓した。
ブルックリンの美術大学、プラット・インスティテュートを卒業後、ポーランド出身の絵本作家、アニタと結婚し2人の子どもをもうけたローベルは、50年代後半から挿絵の仕事を得るように。フレッド・フレガー著『かえってきた さけ』の挿絵が高く評価された後、62年には遂に『マスターさんとどうぶつえん』で絵本作家デビューを果たしている。
1970年には、79年に日本の光村図書の小学校2年生の国語の教科書にも採択された「おてがみ」を含む、「がまくんとかえるくん」シリーズの第1作『ふたりは ともだち』を出版。75年には後に彼が「最も個人的な作品」と語った、ひとりぼっちのふくろうを主人公にした『ふくろうくん』も発表している。80年にはアメリカでその年に出版された最も優れた子ども向け絵本に贈られる権威ある賞、コールデコット賞を受賞している。
1981年には自叙伝ともされる『ぼくのおじさん』を発表。86年には集大成的作品『The Random House Book of Mother Goose』を出版するも、87年に短い人生を閉じたローベル。本展の前半では、彼の残した作品の中から『ふくろうくん』『ローベルおじさんのどうぶつものがたり』『とうさん おはなし して』など、隠れた名作の原画やスケッチ約100点を、ローベルの家族写真や8mmフィルムを編集した動画などとともに紹介。眺めているだけで絵本自体を手に取りたくなるような展示になっている。
後半は『ふたりは ともだち』『ふたりは いっしょ』『ふたりは いつも』『ふたりは きょうも』の4冊から成る「がまくんとかえるくん」シリーズの展示。スケッチ約100点のほか、初期段階の構想が書かれたノートや台割、編集者の書き込みの入ったレイアウト、表紙の下絵などが初公開されているので必見。決して説教じみることなく、ユーモアを交えながら人間の真理を温かく描いた稀代のストーリーテラー、ローベルのものづくりの過程をつぶさに見ることができるのが嬉しい。
また、『つみきのいえ』で第81回アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞したアニメーション作家、加藤久仁生ががまくんとかえるくんの日常を描いた新作アニメーション作品『一日一年』も上映。どこか懐かしさを感じさせる音楽とともに、ふたりの名シーンが見事に映像化されているので、こちらもじっくり楽しんでみて欲しい。
なお、ミュージアムショップではぬいぐるみやトートバッグ、スウェットなど、がまくんとかえるくんをモチーフにした充実のグッズも販売。併設のPLAY! CAFEには展覧会に関連したオリジナルのフードやドリンク、スイーツの販売もあるので要チェック。また、会期中、PLAY! MUSEUMでは常設展として「エリック・カール 遊ぶための本」も開催されているので、こちらもぜひ楽しんで。
「『がまくんとかえるくん』誕生50周年記念 アーノルド・ローベル展」
会期:〜2021年3月28日(日)
会場:PLAY! MUSEUM(東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3 PLAY!内)
休館日:3月7日(日)
開館時間:10:00〜18:00(入場は閉館30分前まで/ショップ 〜18:30、カフェL.O 18:30)
※2月5日(金)までの平日に限り1時間短縮して営業
入場料:一般 ¥1,500/大学生 ¥1,000/高校生 ¥800/中学生・小学生 ¥500/未就学児無料/障害者手帳を提示した人とその介添人1名は半額 ※おみやげ付き(第1弾:おてがみ、第2弾:クッキー)
042-518-9625
https://play2020.jp/museum/
text : Shiyo Yamashita





















