2022年もロエベ財団が「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」をサポート。奈良原一高展、両足院にて開催中

ロエベ財団は「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2022」の一環として、京都・祇園の両足院にて開催中の「奈良原一高 ジャパネスク 〈禅〉」展をサポート。曹洞宗大本山總持寺の僧侶たちの静謐さと厳粛さの両方を表現したモノクロームの作品を、両足院の特別な空間を生かした展示の中で堪能できる。

ロエベ財団は「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2022」の一環として、京都・祇園の建仁寺山内にある両足院にて開催中の「奈良原一高 ジャパネスク 〈禅〉」展をサポートしている。財団は2021年の同写真祭で四代田辺竹雲斎による竹のインスタレーションをサポート。2022年も昨年に続いての参加となった

Ikko Narahara Archives
Narahara Ikko Archives

奈良原一高(1931〜2020年)は戦後日本のアイデンティティを解釈し、作品化してきた重要な人物の一人。福岡に生まれた彼は、1956年に開催した初個展「人間の土地」で注目を集めた後、1962〜65年にヨーロッパに滞在。その間に撮影した作品を掲載した初の写真集『ヨーロッパ・静止した時間』(1967)で、日本写真批評家協会賞作家賞・芸術選奨文部大臣賞・毎日芸術賞を受賞している。帰国後、自身にとっては魅惑的な未知の領域であった日本文化を撮影することに。ヨーロッパ滞在で得られた独自の視点で切り取られた作品は1969年に『カメラ毎日』に連載され、1970年に田中一光のデザインによって写真集 『JAPANESQUE(ジャパネスク)』としてまとめられた。

Ikko Narahara Archives
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『ジャパネスク』は「富士」「刀」「能」「禅」「色」「角力」「連」「封」の8章で構成。その1つである「禅」は、曹洞宗大本山總持寺の僧侶たちが持つ静謐さと厳粛さの両方を、謎めいたモノクロームの中に記録したものだ。今回はその作品を、二面が塞がれていない角柱に展示。視点を変えると作品が消え、その先の庭に溶け込むように見える展示デザインによって、具象と抽象などの概念を超えた強さを持つ奈良原作品との出合い方を、鑑賞者の側に委ねるように工夫したという。

Ikko Narahara Archives
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「時として僕には写真を撮る行為そのものが禅に近づいてゆく道程のような気がしてくる」と語った奈良原の作品と、両足院の特別な空間で出合える、またとない機会。「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2022」を訪れたら、こちらもぜひお見逃しなく。


「奈良原一高 ジャパネスク 〈禅〉」Supported by LOEWE FOUNDATION
会期:〜2022年5月8日(日) ※「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2022」の開催期間に準ずる
会場:両足院(京都府京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町591 建仁寺山内)
時間:10:00〜17:00
入場料:一般 ¥1,000、学生 ¥800(要学生証提示)
休館日:4月13日(水)、20日(水)、27日(水)
https://www.kyotographie.jp/exhibitions/2022/ikko-narahara/


text : Shiyo Yamashita



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