東京・六本木の国立新美術館では現在、アンリ・マティスの至高の芸術を紹介する展覧会「マティス 自由なフォルム」を開催中だ。フランスにあるニース市マティス美術館の所蔵作品を中心に、切り紙絵に焦点を当てながら、絵画、彫刻、版画、テキスタイルなどの作品や資料161件を紹介。日本初公開の大作《花と果実》も必見!
東京・六本木の国立新美術館では、現在、2024年5月27日(月)までの会期で、アンリ・マティスの作品世界を紹介する「マティス 自由なフォルム」を開催中だ。
本展は20世紀の美術館における最大の巨匠のひとり、マティスの作品のうち、フランスにあるニース市マティス美術館の所蔵作品を中心に、後半生の大半を過ごしたニースで精力的に取り組んだ切り紙絵に焦点を当てながら、絵画、彫刻、版画、テキスタイル等の作品や資料、161件を紹介するもの。切り紙絵にフォーカスした展覧会は日本初となる。
全体は5つのセクションで構成。最初のセクションでは、マティスの故郷であるフランス北部で描かれた作品や、フォーヴィスムの時代へ向う頃に制作された作品を紹介。2つめのセクションでは、1917年のニース滞在をきっかけに、この街でアトリエを転々としながら制作に励んだマティスの、アトリエで描かれた作品、あるいはアトリエを主題とした作品を中心に紹介している。
3つめのセクションでは、衣装デザイン、壁画、テキスタイルの領域におけるマティスの仕事を紹介。続く4つめのセクションでは、切り紙絵の技法を用いた作品を中心に展示を構成している。マティスは筆とカンヴァスの代わりに「ハサミでデッサンする」手法を確立。修復を経て初来日を果たした、普段はニース市マティス美術館のメインホールに展示されている4.1m×8.7mの切り紙絵の大作《花と果実》や、切り紙絵の代表的作例である《ブルー・ヌードⅣ》などは、このセクション最大の見どころだ。
そして最後のセクションでは、マティスが1948年から1951年にかけての4年間建設に取り組んだ、ヴァンスにあるドミニコ会の修道女のためのロザリオ礼拝堂にまつわる作品や資料を紹介。彼はこの礼拝堂の室内装飾から典礼用の調度品、そして典礼のさまざまな時期に対応する祭服に至るまで、デザインのほとんどを指揮し、総合芸術作品として練り上げたが、ここでは展示室内にこの礼拝堂を体感できる空間を再現している。
他にも、今から約70年前の1951年3月に現在の東京国立博物館にて開催された、日本で初めてのマティス展にまつわる、当時の日本の熱狂を伝える資料なども展示。昨年東京都美術館で開催された大回顧展とは異なる内容となっているので、前回見たという人も見逃せない。
本展の全出品作品161件のオールカラー画像に加え、専門家による論文・解説を日本語・フランス語で収録、生前のマティスが作品を制作する様子を記録した写真や、関連作品の図版、ヴァンスのロザリオ礼拝堂の写真等も多数掲載した展覧会公式図録も必見。グッズ類も充実しているので、観覧後はぜひショップにも立ち寄ってみてはいかが。
「マティス 自由なフォルム」
会期:~2024年5月27日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室2E(東京都港区六本木7-22-2)
開館時間:10:00〜18:00 ※毎週金・土曜日は〜20:00/入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜 ※4月30日(火)は開館
観覧料:一般 ¥2,200、大学生 ¥1,400、高校生 ¥1,000、中学生以下無料/障害者手帳持参の人(付添の人1名含む)は入場無料
問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://matisse2024.jp/