ニューヨークやパリを魅了したデザイナーのものづくりの全貌に迫る。「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」、国立新美術館で開催中

東京・六本木の国立新美術館では、2026年7月6日(月)までの期間、アジア人で初めてパリ・オートクチュール正会員となり日本のファッション界を牽引したデザイナー、森英恵の大規模回顧展「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」を開催中。オートクチュールのドレスや資料など約400点を通じて、森のものづくりの全貌を明らかにする。

東京・六本木の国立新美術館では、世界を舞台に活躍し、日本のファッション史に大きな足跡を残したデザイナー、森英恵の没後初となる大規模回顧展「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」を開催中だ。

東京・六本木の国立新美術館では、2026年7月6日(月)までの期間、アジア人で初めてパリ・オートクチュール正会員となり日本のファッション界を牽引したデザイナー、森英恵の大規模回顧展「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」を開催中。オートクチュールのドレスや資料など約400点を通じて、森のものづくりの全貌を明らかにする。

東京・六本木の国立新美術館では、世界を舞台に活躍し、日本のファッション史に大きな足跡を残したデザイナー、森英恵の没後初となる大規模回顧展「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」を開催中だ。

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「ひよしや」開店の頃 1950年代半ば 撮影:石井幸之助 提供:森英恵事務所

1926年に島根県に生まれ、1950年代にキャリアを開始した森英恵は、当初、映画衣装の制作を通じて頭角を現す。高度成長期の日本で、家庭を持ちながらデザイナーとして社会的に大きな仕事を成し遂げる姿は、新しい女性像の先駆けとして注目を浴びることに。そんな中、1961年に森が雑誌『装苑』にて新たに提唱したのが、「ヴァイタル・タイプ」という女性像だった。

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左から2番目のマネキンが着ているのは《赤い花柄の男性用アロハシャツ(映画『狂った果実』衣装)》1956年。「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」国立新美術館 2026年 展示風景 撮影:小川真輝

生命力に溢れ、一生懸命になれる仕事を持ち、努力を惜しまない活動家。その姿は、アーティストであり、働く女性であり、妻であり母でもあった森自身の姿とも重なる。本展の1章では、当時の彼女の姿を浮かび上がらせるとともに、当時中心的に取り組んでいた映画衣装の仕事も紹介する。

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「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」国立新美術館 2026年 展示風景 撮影:小川真輝

1965年にニューヨークで初となるコレクション「MIYABIYAKA(雅やか)」を発表し好評を得た森。同地の高級百貨店での取り扱いもスタートした。雑誌『VOGUE』の名編集長ダイアナ・ヴリーランドに才能を認められ、色鮮やかで美しい日本の布を生かした優美な表現が世界に伝えられたことから、森はその後の活躍を決定づけられることとなる。2章ではアメリカのファッション業界に挑戦した森の姿を紹介。また、メトロポリタン美術館所蔵の森英恵のドレス4点が、日本で初めて紹介される。

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アートディレクション:江島任『森英恵流行通信』10号、1966年9月3日 ファッションハウス 森英恵 島根県立石見美術館

3章では自社の成長とともに新たな情報メディアを立ち上げていくことで、日本のファッションに関する発信力向上に大きく貢献したハナヱ・モリグループの事業に焦点を当てる。

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「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」国立新美術館 2026年 展示風景 撮影:小川真輝

1966年の『森英恵流行通信』刊行にはじまる雑誌媒体の出版や、1985年にスタートしたテレビ番組『ファッション通信』、1978年に誕生し、自身のショーの会場としても、また次世代を育てる情報発信や交流の場としても大きな役割を果たしたハナヱ・モリビルなど、多くのファッションメディアの立ち上げに関わってきた稀有なデザイナーとしての森の一面に光を当てる。

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森英恵《イヴニングアンサンブル(ジャケット、ブラウス、スカート)》1977年秋冬 ハナヱ・モリ オートクチュール 撮影:小川真輝

1977年にアジア人として初めてパリ・オートクチュール組合の正会員となった森は、以降オートクチュールならではの素材や技巧をつくした作品作りに挑戦し、創作の幅を広げていった。4章では「刺す」「織る」「たたむ・重ねる」「墨絵」「花」「白と黒」「お嫁さん」など、技法や素材に注目したテーマを立て、1977年のデビューコレクションから、2004年のファイナルコレクションまでを網羅的に展覧する。

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奈良原一高 《森英恵》 提供:島根県立美術館 ©Narahara Ikko Archives

そして5章では、松本弘子(モデル)、奈良原一高(写真家)、田中一光(グラフィックデザイナー)、岡田茉莉子(女優)、黒柳徹子(女優)、横尾忠則(美術家、グラフィックデザイナー)、佐藤しのぶ(オペラ歌手)らとの交流について、アーティスト本人所蔵の森の衣装や作品、また資料を通じて紹介。

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米国バンクロフト社製の発色豊かな新素材を使った実用的な既成服で、1969年に東京とニューヨークで販売を開始、大人気を博した「ハナヱ・モリ バンロン」。「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」国立新美術館 2026年 展示風景 撮影:小川真輝

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森が手がけた制服の一例。「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」国立新美術館 2026年 展示風景 撮影:小川真輝

また、スポット展示としてインドや中国の独自の素材や技法を生かしたコレクションや、人々の暮らしの質を底上げした森の既成服事業、日本航空などの企業やオリンピック日本選手団、公共施設や学校の制服などの紹介もあるので必見だ。

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森星《エピローグ》より 2025年 志村信裕

最後は映像作家、現代美術家の志村信裕による、家族や友人へのインタビュー映像も上映。オートクチュールのドレス、資料、初公開となる作品を含む約400点を通じて、森のものづくりの全貌を明らかにしつつ、生き方やクリエイションの根源にまで迫る、必見の展覧会だ。

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「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」国立新美術館 2026年 展示風景 撮影:小川真輝

「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」
会期:〜2026年7月6日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2)
開館時間:10:00~18:00 ※毎週金・土曜は〜20:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:毎週火曜(ただし5月5日(火・祝)は開館)
観覧料:一般 ¥2,200、大学生 ¥1,800、高校生 ¥1,400 ※中学生以下無料/障害者手帳を持参(付添1名を含む)で入場無料
https://morihanae100.jp/

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