Laurens Stockner「Bowl Made of Copper /Elastic Shape」。
銅とは思えないほど軽く、柔らかい仕上がり
佐故龍平の「Mokume-gane」。26層もの金属を叩くことにより、木目のような模様を実現
Sam Tho Duongのアクセサリー。小粒のパールが深海の生き物のような表情
安田猛「Qingbai Gold Bowl」。ゴールドと陶磁器の斬新な組み合わせ
日本人アーティスト、ARKO「Third Time Rainfall」。キャンバスの上に藁を縫い込む。自然素材ならではの風合いが
Joonyoung Kim「Tears in the sunset」。色のグラデーションがポエティクな印象のガラスの器
Min Chen「Hangshou Stool」竹で作られたスツール。薄い竹を不揃いに並べたデザイン
特別賞を受賞したフランス人作家Simon Pheulpin「Croissance XL」。リサイクルコットンを何層にも重ね、まるで切り株のようなイメージに
Julian Watts「Bench」。素材はメイプル・ウッドながら陶器のような質感
横山翔平「Sei Wo Harumu」。1メートル大ある作品は15人がかりで製作
Wycliffe Stutchbury「1000 Foot Drain」。ウッドのピースを3ヶ月かけてパネルに貼った
Christopher Kurtz「Singularity」。横幅3.6メートル、と30作品のうち、一番巨大な作品。素材はウッド
Rita Soto「Folds of Memory」。馬の毛、ベジタブル繊維を編み込んで作られたアクセサリー
Laurens Stockner「Bowl Made of Copper /Elastic Shape」。
銅とは思えないほど軽く、柔らかい仕上がり
佐故龍平の「Mokume-gane」。26層もの金属を叩くことにより、木目のような模様を実現
Sam Tho Duongのアクセサリー。小粒のパールが深海の生き物のような表情
安田猛「Qingbai Gold Bowl」。ゴールドと陶磁器の斬新な組み合わせ
日本人アーティスト、ARKO「Third Time Rainfall」。キャンバスの上に藁を縫い込む。自然素材ならではの風合いが
Joonyoung Kim「Tears in the sunset」。色のグラデーションがポエティクな印象のガラスの器
Min Chen「Hangshou Stool」竹で作られたスツール。薄い竹を不揃いに並べたデザイン
特別賞を受賞したフランス人作家Simon Pheulpin「Croissance XL」。リサイクルコットンを何層にも重ね、まるで切り株のようなイメージに
Julian Watts「Bench」。素材はメイプル・ウッドながら陶器のような質感
横山翔平「Sei Wo Harumu」。1メートル大ある作品は15人がかりで製作
Wycliffe Stutchbury「1000 Foot Drain」。ウッドのピースを3ヶ月かけてパネルに貼った
Christopher Kurtz「Singularity」。横幅3.6メートル、と30作品のうち、一番巨大な作品。素材はウッド
Rita Soto「Folds of Memory」。馬の毛、ベジタブル繊維を編み込んで作られたアクセサリー
ロエベが主催する工芸作家に与えられる賞、「ロエベ クラフトプライズ」の優勝者が決定し、5月3日に受賞式が行われた。アカデミー賞女優のヘレン・ミレンとクリエイティブ ディレクターのジョナサン・アンダーソンがプレゼンテーターとして登場する会場からいち早くその授賞式の様子をお届け。
「ロエベ クラフトプライズ」はクリエイティブ ディレクターのジョナサン・アンダーソンが発起人となり、ロエベ財団が立ち上げた工芸作品に焦点をあてた国際コンテスト。第2回目の今回には、世界86カ国、2000人近い作家が応募し、最終審査の後、30人のファイナリストが選ばれ、ロンドンのデザインミュージアムで大賞が発表された。
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会場となったロンドン デザインミュージアム。ファイナリスト30人の作品は6月17日まで展示。
「大賞を選ぶにあたり、バトルと呼べるほどの議論がありました」と審査員の一人、ワールド・クラフト・カウンシル会長ロージー・グリーンリーズが語るように、最終選考に選ばれた作品はどれも個性とモダニティ、そして卓越したクラフツマンシップが光るものばかり。その中から大賞を手にしたのは、スコットランドの陶芸家、ジェニファー・リー。シンプルなデザインに、伝統をリスペクトしたテクニックと独自の色の出し方が特徴だ。釉薬ではなく、粘土に金属酸化物を混ぜ合わせ、熱を加えることで独特の風合いを実現。
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優勝者のジェニファー・リーの作品 。年代の違う粘土に金属酸化物を入れオリジナルの色合いを出している
プレゼンテーターとして登場した女優のヘレン・ミレンからトロフィーを渡されると思わず涙を浮かべるジェニファー。それを見たヘレン・ミレンが「ごめんなさい、私までエモーショナルになってしまって。だって私は女優だから」と発言し、会場に笑いを誘う場面も。
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審査員も務めたロエベ クリエーティブディレクターのジョナサン・アンダーソン、優勝者のジェニファー・リー、女優のヘレン・ミレン。
前回以上に感情に訴える、エモーショナルな作品が揃ったと語るのはジョナサン。「いまソーシャル・メディア革命と言えるくらい時代が変わってきている。人々がポストする写真を見て考えるのは、それを実際触ってみたいかどうかが大事だということ。だからこそ、今はエモーショナルな感動が必要で、その気持ちを引き出すような手で触れられる工芸品が重要な価値を持つと思うんだ」。
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審査員達。前回の優勝者、エルンスト・ガンペール(写真中段左)やプロダクトデザイナーの喜多俊之(写真上段右)など。
今回特筆すべきポイントは、日本人作家たちの健闘だ。5人がファイナリストに選ばれ、残念ながら大賞は逃したものの、陶芸作家の桑田拓郎が特別賞を受賞した。「クラフトにおいて、日本は他のどこの国よりも一歩先をいっている。それは何よりも伝統をきちんと継承しているから。そんな日本はこれからも世界をインスパイアし続けるはず」とジョナサン。次回こそ日本人の優勝がなるか。そんんな期待も、現代のクラフト界を盛り上げる話題のプライズの次回へと持ち越された。
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特別賞を受賞した桑田拓郎の作品「Tea Bowl」。陶磁器にダイナミックにプラチナがあしらわれている。
Text/Hiroyuki Morita