インテリアスタイリスト竹内優介による10の提案。New&Nowなインテリアと暮らす

ファッションと同じように、インテリアへの関心が高まっているけれど、一体どんなものを選んだらいい? 人気インテリアスタイリスト、竹内優介さんのナビゲーションで、最新のインテリア事情をティップスとともにお届け。

Yusuke Takeuchi
Profile
建築を学ぶ大学時代よりインテリアスタイリストの黒田美津子さんが主宰する「Laboratoryy」に所属。雑誌や広告、店舗などの空間演出を手がけ、コンテンポラリーな世界観を作り上げる。Instagram: @116.107.107

リビングルーム

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気鋭のデザイナー宮下渉による、木製スツール¥52,800/セットアップ(Reset)  すべてラフ・シモンズによるデザイン。クッション"Argo"(右)¥72,160・スロー"Tronic"¥134,860/Kvadrat/Raf Simons 

1 ラウンジチェアは、ボリューム感のある「Hem」のものを

落ち着いたベージュからブラウンのグラデーションカラーで構成したモダンな空間。そこにチャビーなラウンジチェアをセット。懐深いクッションとスティールのフレームの組み合わせがユーモラス。「リーン・ロゼの"togo"がはやったことから、引き続きファットなデザインが旬ですね。おすすめは、感度の高い海外のインフルエンサーたちに人気な、スウェーデン発の家具ブランドHemのもの。先鋭的なクリエイターとのコラボレーションが毎度面白く、この"PUFFY LOUNGE CHAIR"は、アパレルブランドToogoodを手がけるフェイ・トゥーグッドによるデザインなんです」

ラウンジチェア¥330,000/アクタス(Hem)

2 ラグは曲線的なシルエットの一枚を敷く

チェアの有機的なフォルムと響き合う、ブラウンのラグ。アーティなフォルムを選ぶことで空間がぐっと洗練される。「アートディレクターの正田啓介さんによるSTUDIO THE BLUE BOYのオリジナル。曲線と円のグラフィックを落とし込んだデザインがキャッチーなのでブラウンを選んで全体をワントーンにまとめたのもポイント。トレンド感のある、リラックスしたシルエットが揃ったら、バランスをとるべくガラステーブルをラグ上に。丸いものが多いなと感じたら、周りにミラーなどクールな要素を置いてスパイスを加えるのもいいですね」

ラグ¥329,000/STUDIO THE BLUE BOY

ダイニングルーム

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デンマークのインテリアブランドGUBIより。ペンダントランプΦ47㎝ ¥97,900/トリシュナ・ジバーナ

3 ダイニングテーブルとチェアはボリューム感とフォルムを揃える

パイン材のチェアにコルクのテーブル。異素材を組み合わせたスペースづくりで心がけることは?「チェアは、海外の有力ギャラリーで取り扱いがあり話題沸騰中のライナー・ドーミラーのもの。1970年代、モダニズムを極める北欧で生まれ、フォークロアな雰囲気が今の気分ですね。全体的におおらかなデザインが来ていると思います。ラウンドテーブルはイギリスのブランド、トム・ディクソン。世界観も素材も違うものですが、空間に同居させるには、ボリューム感と丸いフォルムに統一感をもたせることがポイントです」

チェア(右)¥69,300・(左、奥)各¥48,400/アンティスティック ラウンドテーブル¥660,000/トム・ディクソン ショップ

キッチン

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[シェルフ]最上段左のマグ¥825・引っかけたグローブ¥1,485・最下段左のボックス(22L)¥3,520・[トロリー]上から2段目のグラス 各¥1,100・上から3段目右プレート(上2枚)各¥990・(下2枚)各¥1,220・中央奥のカップ¥605・手前のプレート 各¥715・下に敷いたプレート¥1,540/ディテール

4 キッチンの収納はメタルを基調としてソリッドに

生活感の出やすいスペースは、硬質な素材使いでクリーンに見せる。「写真右のメタルシェルフは、中身が見えすぎるとごちゃつくので、下段はボックスを活用して整理。左は、航空機内でフライトアテンダントが引いているトロリーなんです。ディテールがドイツの機内用品メーカーとダブルネームで作ったもの。一目瞭然な引き出しは、収納したいアイテムに合わせてカスタマイズできるのも機能的」

シェルフ¥34,100/ザ テイストメイカーズ & コー トロリー¥154,000・トレイ(上段と下段)各¥2,420・(2段目)¥5,720・(3段目)¥3,630/ディテール

ウォッシュルーム

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5 ウォッシュルームの間仕切りは「Kvadrat」のカーテンで

洗面スペースを区切るなら、上質なカーテンを。「最近のインテリアの傾向として、空間をゆるく仕切る流れがありますね。そこで推したいのは、Kvadratの一枚。ラフ・シモンズやグラフィックデザイナーのピーター・サヴィルなどと協業する、デンマークのブランドです。それだけでなく、世界のトップインテリアブランドが信頼を寄せ、椅子の張り地などをオーダーする最高峰のファブリック使いも見逃せません。やさしいピンクベージュの生地は、ウール100%ながら透け感があるので、閉塞感も回避できます。カーテンは窓辺にかける以外にも、もっと空間に活用できます」

カーテン"Medley"(1m)¥28,710/Kvadrat

ベッドルーム

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[右下から]マガジン上のランプ¥23,100(フロス)・チェスト"コンポニビリ ビオ"¥37,000(カルテル)・その上のアラームクロック¥18,700(トゥエンコ)/MoMA デザインストア 表参道 壁に立てかけたサビーネ・マルセリスのミラー¥62,700/リヒト

6 洋服感覚で「Magniberg」のベッドリネンをスタイリング

アパレル出身者が手がけるベッドリネンを取り入れて。「スウェーデン発のMagnibergは、イヴ・サンローランやアクネ ストゥディオズでの経歴を持つチームが手がけています。去年より、池尻大橋にあるデザイン・ギャラリーLICHTで買えるように。"洋服と同じ感覚でベッドウェアを"というコンセプトで、素材も色もさまざまなファブリックがあるのでファッション好きにおすすめ。今回は、ストライプ、シルバー、ホワイトとあえて質感も色もチョイスをバラバラに。エコテックス®認証のサステイナブルな生地も注目です」

掛け布団カバー〈H200×W140〉¥26,730・枕カバー〈H75×W50〉¥27,390/リヒト(Magniberg)

7 サイズ変更可能な「good eighty%」の伸張式ベッドフレームが便利

数あるベッドフレームのなかでも、竹内さんが太鼓判を押すのは、good eighty%の伸張式タイプ。"so far, so good -いまのところいい感じ-"がコンセプトで未来志向のデザインが特徴だ。「この春立ち上がった日本のブランドです。なかでも一番のおすすめは、シングルからクイーンまで対応するベッドフレーム。ライフスタイルが変化しても買い替える必要がなく、長く寄り添ってくれるのもいい。上にセットするマットレス次第で余白をサイドテーブルとして使うこともできるんですよ。ヘッドボードレスのデザインは、空間を広く見せてくれる効果もあります」

ベッドフレーム¥104,500/アクタス(good eighty%)

ワークルーム

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[右]チャールズ & レイ・イームズのデザイン。チェア¥368,500/マーケット(ハーマンミラー)

8 幅をとりにくくモダンなビーン形のワークデスクを置く

ミニマムなスペースには奥行きの浅いデスクがベスト。「ついついスクエアなデスクを選びがちですが、ここでも有機的なフォルムを取り入れると旬なムードに転換できますよ。遊び心のあるビーン形は、小さな部屋でも幅をとらないのでおすすめです。パーテーションがウッド調なので、ほっこりしないように、ほかは黒で統一するとソリッドな印象になりますね」

デスク¥442,200/林物産(&Tradition)

9「NIKARI」のパーテーションでオリエンタルなスパイスを

在宅で高まるパーテーション需要。一歩先を行くチョイスをするならこれ。「アルテックが人気ですが、高感度な方には、セシリエ・マンツがデザインしたNIKARIを。色の浅いアッシュ材のジョイントにヌメ革を使った粋なデザイン。折りたたむとコンパクトになるのも使いやすい。曲線美はオリエンタルな雰囲気。屏風のような和のテイストを取り入れるのも今の気分ですね」

パーテーション¥382,800/キーキルト(NIKARI)

10 フロアランプは、スタンドの曲線が優美な「ClassiCon」を灯して

しなやかな曲線使いは、最旬のインテリアの大きなトレンドとして押さえたい。フロアランプでも効果的に投入して。「あのル・コルビジェが嫉妬したというアイリーン・グレイ。彼女が、クラシコンのためにデザインした"ロアッティーノ フロアランプ"です。スチールフレームをS字型に曲げた型破りなシルエットに、台形のランプシェードがエッジを加えてくれます」

フロアランプ¥429,000/マーケット(クラシコン)

※特集内、クレジット記載のないアイテムはすべてスタイリスト私物
SOURCE:SPUR 2022年7月号「New&Nowなインテリアと暮らす」

photography: Toki styling: Yusuke Takeuchi 〈Laboratoryy〉 edit & text: Ayana Takeuchi

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