トム・クルーズが26度目の来日 。「イニャリトゥ監督との仕事は待ち遠しかった」 最新映画『DIGGER/ディガー』会見をレポート

主演作『DIGGER/ディガー』(2026年10月9日公開)のプロモーションのため来日したトム・クルーズ。10月5日にTOHOシネマズ 六本木で開催されたプレスカンファレンスに、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督とともに出席し、これまでにないアプローチで挑んだ役柄や本作への思いを語った。

主演作『DIGGER/ディガー』(2026年10月9日公開)のプロモーションのため来日したトム・クルーズ。10月5日にTOHOシネマズ 六本木で開催されたプレスカンファレンスに、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督とともに出席し、これまでにないアプローチで挑んだ役柄や本作への思いを語った。

INDEX

トムが新境地の役柄に挑戦!

アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督 トム・クルーズ 『DIGGER/ディガー』来日イベント

拍手に包まれるなか、イニャリトゥ監督とともに壇上へ現れたトム。黒で揃えたシャツとパンツに、ブーツを合わせたシックな装いが、鍛えられたボディを際立たせ、若々しい印象を見せた。本作でトムが演じるディガー・ロックウェルは、今目の前にいる彼とはかけ離れたルックスも見どころのひとつ。ビジュアル・アーティストのカズ・ヒロが手がけた、髪が薄く、肥満気味の人物を演じることについて問われたトムは、「とても楽しかったです!」と破顔し、「外見だけでなくアクセントまで、色々なテストを行い、新たに見つけ出しました」と続けた。イニャリトゥ監督は「だって彼はハンサムだから、少なくとも僕くらいのお腹の出た外見になってもいいじゃないかですか(笑)」とジョークする場面も。

イニャリトゥ監督の本作への思い

アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督 トム・クルーズ 『DIGGER/ディガー』来日イベント

終始和やかな様子で進むイベントとは対照的に、挑戦的な風刺コメディである本作。複雑な題材を取り上げ、脚本を書き始めてから完成まで9年の時間を要した。「言葉というものは人にインスピレーションを与え、そして現実への架け橋になることもできるけれども、現実というものの見え方を壊すこともできる。主人公、ディガーの最も得意とするこれを前提にストーリーを作り始めました。そして、この作品には彼のような強いキャラクターが必要でした」と、イニャリトゥ監督。

脚本を書き進めるうち、現実の世界がフィクションを凌駕していったという。「書き始めた当時は、現実の出来事をいくつか取り上げながらも、風刺映画ですから誇張した表現を意識していました。しかし時間が経つ中で、それが現実となっていき恐怖を感じました。これは風刺というよりは、ドキュメンタリーではないかと。私は現実と少し距離を置き、リプレゼンテーションするのが芸術だと思います。

私はハートのあるコメディが大好きなので、皆さんに笑って楽しんでほしい。同時に観客の心を揺れ動かし、自分自身を改めて見つめ直すようなことになればと思います」と、制作背景について明かした。

アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督 トム・クルーズ 『DIGGER/ディガー』来日イベント

トムは「まずこの脚本を読んだときに、本当にこれまでに観たこともないような映画で、監督はどうやってこんなことを思いつくのかと驚嘆しました。このような素晴らしい作品の一部になれたことを光栄に思います。毎日が挑戦で、自分が読んだことも観たこともない、キャラクターのトーンを生み出すのは楽しいものでした。本作は観る回数を重ねるごとに、物語のレイヤー、技法、スタッフたちの職人技など様々な発見があり、全てのシーンがとても美しく作り上げられています。今、これができるということは特別で、皆さんに共有できることを嬉しく思います」と、語った。

アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督 トム・クルーズ 『DIGGER/ディガー』来日イベント

トムとイニャリトゥ監督は、本作が初のタッグとなる。イニャリトゥ監督との協働した経験について問われたトムは「彼と一緒に仕事をしたいと、いつも思っていました。『アモレース・ペロス』(2002)は、観た瞬間から心が動かされました。演出、フレームや色など、すごく意図的だけどあからさまではなく、独特のユニークな形式なんですよね。だから彼と一緒に仕事をすることは待ち遠しかったし、実際とても楽しかったです。あらゆるレベルで満たされた体験でした」と讃えた。

特殊メイクに毎回5〜6時間を費やしたトム

アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督 トム・クルーズ 『DIGGER/ディガー』来日イベント

一方でイニャリトゥ監督は、トムのプロフェッショナルな姿勢に驚かされることばかりだったという。「トムとのリハーサルは何ヶ月も前から始まりました。風刺というのは最も難しいジャンル。コメディになりすぎるとシットコム(シチュエーション・コメディ)になってしまう。楽しいだけのスタイルは、この映画ではありません。でも、ちょっとリアルになりすぎるとユーモアが失われるかもしれない。このトーンが非常に微妙で大事なんです。ですから、役柄の外見というのも非常に重要。トムはメイクをするのに5〜6時間かかるのにも関わらず、役を見つけるために、リハーサルも本番の姿でやりたいと言いました。スタッフもキャストもあまりにもディガーである姿に慣れてしまい、ある時本来のトムの姿を見て驚いたという笑い話もあるんですよ。また本作では10分間のモノローグをワンカットで撮影しているのですが、これを可能にできたのは、飛行機から飛び降りるなど、彼の経験とキャリアがあったからこそ正確無比に行えたのだと思います」。

最後に監督は「映画について予習するよりも、観客も協働者のひとりとして体験してほしい。特にたくさんの若い世代の方が観てくれることを願っています。答えが提示されているわけではないけれど、こういったことを会話するきっかけになったら」とメッセージ。親日家であるトムは、最後まで笑顔を絶やさず、来場者へ感謝を伝え会場を後にした。

映画『DIGGER/ディガー』のあらすじ

アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督 トム・クルーズ 『DIGGER/ディガー』

石油採掘会社のCEOとして君臨する傲慢な権力者、ディガー・ロックウェル。己の利益しか考えていない彼の強欲な行動のせいで、地球は滅亡の危機に陥ってしまう。大統領から事態の収拾を命じられたディガーは、世界を救うために立ち上がることになる。アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督のもと、強烈なインパクトを放つ石油王のディガー役で、トム・クルーズが新境地を開く。

『DIGGER/ディガー』 2026年10月9日(金)全国公開
https://digger-movie.jp/

© 2026 WBEI and Legendary 配給:東和ピクチャーズ、東宝