いま再び脚光を浴びる「ピクチャーズ・ジェネレーション」とは

同窓会 2016年12月10日、「ピクチャーズ・ ジェネレーション」の主要メンバーのうちの十数人が、T マガジンの撮影のため、ニューヨークに集まった。(上段左から)「メトロ・ピクチャーズ」のジャネル・レイリングとヘレン・ワイナー、批評家のハル・フォスターとダグラス・クリンプ(中段左から)ロバート・ロンゴ、ポール・マクマホン、オーラ・ローゼンバーグ、ジョン・ミラー、トロイ・ブラウンタッチ、シェリー・レヴィン、そしてデイヴィッド・サリー(前列左から)ナンシー・ドゥワイヤー、グレン・ブランカ、シンディ・シャーマン、ジェームズ・ウェリング、ローリー・シモンズ、そしてウォルター・ロビンソン PORTRAIT BY JASON SCHMIDT, SET DESIGN: JILL NICHOLLS

 画像や映像とテクノロジーを駆使したメディアが生活のあらゆる場面をとことん侵食している今、実際に起きた出来事と、それがどう表現されているかをはっきり区別することはもはや不可能となった。都会の環境は、催眠術のように誇張された記号や、タクシーの中や病院の待合室まで追いかけてくる音と映像のストリーミングの排出口になってしまった。続いて、誤字のある標識から笑える広告まで、オリジナリティのないつまらないものが、ソーシャルメディアで流通させるのにふさわしいイメージだという認識ができあがった。

 この現象は一晩にして生まれたわけではない。近年言い古された、もっとも役に立たない常套句のひとつが、ある現象や人物が歴史の流れと逆行している」という表現だ。つまり、歴史はときに後退しながらも、未来に向かって、より進化したユートピアのような社会へとつながっているという仮説を信じるのは、歴史をよく知らない人間だけなのだ。

シンディ・シャーマン《無題66番》1980年 CINDY SHERMAN, ‘‘UNTITLED #66,’’ 1980, CHROMOGENIC COLOR PRINT, 16 IN. X 24 IN., COURTESY OF THE ARTIST AND METRO PICTURES

使っているデバイスが完璧に機能しているのだから、私たち自身も完璧に違いないと誤解している限り、私たちは世界で起きていることに責任をとらなくてすむ。遅かれ早かれ、自然にちゃんとうまくいくはずさ、というわけだ。しかし、テクノロジーはわれわれの願いや恐怖や、社会の異常さを現実のものにするが、それが人間にどんな影響を及ぼすかという点においては、私たちの理解をはるかに超えている(核兵器よりも異常なものがこの世にあるだろうか)。(続きを読む)

SOURCE:「Back in The Frame」By T JAPAN New York Times Style Magazin
BY GARY INDIANA, PORTRAIT BY JASON SCHMIDT, TRANSLATED BY MIHO NAGANO

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