2021.02.18

自分の「可愛い」基準で心躍る服を選びたい / モトーラ世理奈

フリルやレースがあしらわれたラブリーなアイテムに目がなく、2014年にスタートした東京発のブランド、シーロンに絶大な信頼を置く。赤を好み、スタイリングのポイントにすることが多い。スタイリスト、山本マナさんの背中からファッションを学ぶ。

1 80年代のライダースは代官山のカーブーツで購入。バッグはヴァレンティノ、サンダルはランウェイを歩いたことがあるシモーン ロシャ。ほかはすべてシーロンでまとめた。

ロマンティックなムードが漂うアイテムを思うがままに組み合わせているように見えるが、実は「壁」を乗り越えてこの姿に至っていた。
「ライダースには“強い”イメージがあって、手を出したことがありませんでした。古着店でたまたま出合って試着してみたら意外としっくりきたんです。新しい感じになれるかも、と思いきって購入。でもスタイリングの仕方がわからない。数カ月寝かせていました。大好きなブランド、シーロンのデザイナー、おゆいさんのアドバイスを参考にようやく袖を通すことができました。スカートのレオパードも、自分とはかけ離れていると思って避けていた柄。シーロンのデザインなら、と挑戦してみました」
 何でも似合いそうなのに、そうして慎重にアイテムを選ぶモトーラさん。「可愛い」と、ときめいた服を着ることに躊躇してしまう時期もあった。
「モデルの仕事で、それまで縁がなかったシンプルなワンピースをいただいたことがあるんです。すごく可愛いと思ってそれを着て友達に会ったら、“今日の世理奈、魔女みたい”って。ショックで、そのワンピースを着る勇気がなくなってしまいました」

2 動物モチーフは「場が和むのでいい」。左はルル ギネスのクラッチ、右はケイティのポーチ。
3 嵐の櫻井翔さんのファンで、〝担当カラー〟だった赤が好き。ニット帽はロンドンで購入。
4 大好きなシーロンのブラウス

 周囲が言う「可愛い」とは異なる感性が芽生えたものの、自信が持てずにいたときに出会ったのがスタイリストの山本マナさんだ。モデルとして彼女のスタイリングに身を包むうちに、だんだん新しい「可愛い」に目覚めていったという。
「万人が“可愛い”と思うスタイルではなくてもいい。好きな服を着たい、と思うようになりました。人から何を言われても、自分がるんるんしていればそれでいい、と」
 大人っぽいスタイルなど、まだまだ「壁」を感じるファッションはある。でも、今は「自分がるんるんするか」を基準に服を選べるようになっている。

モトーラ世理奈 SERENA MOTOLA (Model, Actress)

1998年東京都生まれ。2014年モデルデビューし、翌年スタイリストの山本マナさんと雑誌の撮影で出会う。’18年春夏には、念願だったシーロンのルックブックに起用された。女優としても活躍し、ドラマ「東京デザインが生まれる日」(TX系)では主演を務めた。