パリ、ミラノ、NYから現地ジャーナリストの肉声をお伝え。臨場感あふれるコメントから、今季のムードを感じたい
Paris by Minako Norimatsu
久々のフィジカルショーは、演出がものを言う
市内のスピード制限が30㎞となってタクシーはのろのろ運転、そして連日の雨で極度の交通渋滞というカオスの中、パリ・ファッションウィークは2021年9月27日に幕を開けました。2日目の朝は、装飾美術館での『Couturissime』内覧会(1・2)で、グラマラスなスペクタクルを展開したティエリー・ミュグレーの足跡をおさらい。この日の夜は、トロカデロ広場の特設会場で開かれた、サンローランのショー(4)へ。ライトアップされたエッフェル塔を背景に、滝が流れる演出を満喫しました。2日後の午後は、パレ・ド・トーキョーの広場で、リック・オウエンス(6)のショー。スモークを焚いたランウェイと、建物の屋上から魔術師然とした女性たちが花をまく演出は、アーティそのもの! 10月1日の午後は、ロバート・メープルソープ財団とのコラボレーションによるレポシの新作(5・7)をチェック。最終日10月5日はシャネルのショーからスタート(3)。そしてランウェイでモデルたちがカメラマンに大サービスのポーズを取る様子は、ハッピー・ムード。やっぱりフィジカルのファッションウィークって、いいな!
Milan by Megumi Takahashi
心躍るプレゼンテーションに観客が沸いた!
2日目夕刻のエムエム6 メゾン マルジェラのショー(8)は、市内のカフェでテーブルを囲み、スプマンテ片手に観覧。席に置かれた白いボックス(10)の中は、これまた真っ白な軽食(9)。味もコンセプチュアル!? 中盤4日目のドルチェ&ガッバーナは、キラキラ輝くY2Kムード。エンディングは、眩い光の粒子が集まってドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナの姿が現れるサプライズ(11)! グラマラスなバッグ(12)は超ヘビー級。これを持って颯爽と歩くモデルのプロ根性に脱帽! 同日の最終、マルニは倉庫跡の特設円形シアターが会場(13)。Zselaの伸びやかな歌声(14)や美しいコーラスに包まれ観客も一体となり、希望に導く儀式のよう。私たちの目もキラキラに!
New York by Teruyo Mori
ユニークなロケーションで堪能するショー
初日はコリーナ・ストラーダ(15)。サステイナブルの女王とあって、ショー会場はビルの屋上の有機農園で可愛いカカシがお出迎え(16)。デッドストックや植物繊維で仕立てたレイヤード・ルックは遊び心たっぷり。モダン・フェミニニティで人気のバットシェバ(17)は、中日の開催。会場は彼女が子どもの頃に誕生日パーティをしたというカフェのセレンディピティ(18)で、ご自慢のフローズン・ホット・チョコレートとフライドポテトに手が止まらない(19)! 千秋楽はドーバー ストリート マーケットの支援で今ノリノリのヴァケラ(21)。ダウンタウンのストリートを貸し切ったショー(20)は現地のアンダーグラウンドのスピリットがあふれて、若者の熱気で大盛り上がりでした。
photography: AFLO photography & text: Minako Norimatsu, Megumi Takahashi, Teruyo Mori